エイプリルフールに、冗談のような投球が飛び出した。マイアミ・マーリンズのサンディ・アルカンタラが現地4月1日(日本時間4月2日)、シカゴ・ホワイトソックス戦で93球・3安打・完封の快投を披露した。

100球未満での完封勝利「マダックス」を達成。チームも10-0と大勝し、ホームスタンドを5勝1敗で締めくくった。

【画像】【マーリンズ】アルカンタラが今季MLB初完封 93球「マダックス」でエース復活を証明

93球完封 現代野球に蘇った芸術

「マダックス」とは、通算355勝を誇る殿堂投手グレッグ・マダックスの名を冠した記録だ。100球未満で完封を成し遂げるという、中継ぎ継投が主流の現代では滅多にお目にかかれない快挙である。

アルカンタラはキャリア通算13度目の完投、5度目の完封、そして2度目のマダックスを刻んだ。内容も圧巻だった。7奪三振、被安打はわずか3本。打者を次々と打ち取り、8回終了時点で投球数はまだ84球。5球で片付けた8回が終わった後、マッカロー監督から9回続投の了承が下りると、アルカンタラは静かに親指を立てて応えた。最終回も3者凡退。マウンドを降りたとき、ベンチが沸いた。

注目は球数だけではない。

4回2死にミゲル・バルガスへの死球の後、アルカンタラは16者連続でアウトを奪い続けた。ルイスアンヘル・アクーニャに8回2死で単打を許すまで、ホワイトソックスの打者に出塁すら許さなかった。

トミー・ジョン手術を経て証明した復活

2024年はトミー・ジョン手術でシーズン全体を棒に振った。復帰した昨季も序盤は苦しみ、批判的な声も少なくなかった。それでも彼は折れなかった。

試合後、アルカンタラはこう語った。「多くのことを経験してきた。ネガティブなことをたくさん言われたが、それを気にしすぎないようにした。ただチームの勝利のために、5日に1度ベストを尽くすことだけを考えた」。2022年ナ・リーグ・サイ・ヤング賞投手の言葉は、静かに、しかし力強く響いた。

今季は開幕戦のコロラド戦に続く2戦目でも自責点ゼロの完璧な投球を続け、2試合を終えて2勝・防御率0.00。本物の「復活」と呼ぶにふさわしい数字だ。

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チームも5勝1敗 2014年以来最高の出だし

打線もエースを援護した。リアム・ヒックスが本塁打を含む3安打4打点と活躍し、メジャー単独トップとなる通算12打点に到達。オットー・ロペスも本塁打を記録し、グラハム・ポーリーは二塁打2本を放った。

デトロイトからのルール5ドラフト指名選手・ヒックスが、ここまでリーグ最多打点というのも痛快な話だ。試合後には「本当に楽しかった。彼はほぼすべての球種で状態が良かった」と興奮を語った。

チームは6試合を終えて5勝1敗。2020年の短縮シーズンを除けば、2014年以来となる好スタートを飾ったマーリンズは、このままニューヨーク遠征へと向かう。次なる相手はヤンキース。エースが先陣を切った好スタートを、ロードでも継続できるか。マーリンズの第2章が、幕を開ける。

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