これはまたすごい料理漫画が登場したものです。この作品の主役は、あらゆる料理漫画の中である意味筆者が一番感情移入をしやすい登場人物かもしれません。
その作品の名は『おとりよせ王子 飯田好実』です。

主人公の飯田好実君はとあるシステム会社のSEです。SEと言えばそう、仕事が忙しくなりすぎて会社に泊まったりするのは当たり前(偏見です)。でも、飯田君は週に一回のノー残業デーには何がなんでも定時で帰るのです。なぜならそこにはあのコ(おとりよせした美味しい食べ物)が待っているから!

というわけで、この作品はひたすら飯田好実君が全国各地から美味しいものを取り寄せて食べる漫画になります。これがまあ、美味しそうなんですよ。


もう、覚悟を決めて第一話を試し読みしてみてください。第一話では、たまごかけご飯セットを取り寄せているのです。しかも、日本一のたまごかけご飯の誉れ高い、但熊さんの。わかってらっしゃる。作中にも書かれていますが、ここのたまごかけご飯セットは但熊オリジナルのたまごかけご飯醤油の他に、アサムラサキのかき醤油をセットにしているんです。これがもう両方ともに抜群にたまごかけご飯に合う合う。
ああ、もうたまらない……

……はっ。取り乱してしまいました。そう、説明が遅くなりましたが、この作品で飯田君が取り寄せている「おとりよせ」は全て実在しています。巻末の「飯田くんのおとりよせノート」にはお取り寄せURLが記載されています。それと、吉祥寺にあるCAFE ZENONでは毎月お取り寄せメニューも提供されているそうです。これは行かねばなりません。


何を隠そう筆者もわりとお取り寄せ男子なのです。全国各地から美味しい食べ物や日本酒やお醤油を取り寄せまくっているので、もう親近感わきまくりです。ちなみに作中に登場するいくつかのものは実際にお取り寄せをして食べたことがあるものでした。なので、飯田君の恍惚となる気持ちがそりゃあもうわかるのですよ。

飯田君は現代っ子なSEだけあって、作中ではiPhoneを駆使してTwitterしまくっています。「カレーが売り切れでござる」「足つったなう」などなど言いまくり。
さらに単行本の中で、話と話の間の空いたページにはTwitter風というかTwitterの画面そのものでおとりよせした料理写真とつぶやきが描かれています。

あれ? じゃあ本当に作中の@otoriyose_oujiって存在するのかな? とアクセスしてみたらありましたよ。otoriyose_oujiアカウントが。しかも結構反応してくれています。このアカウントでは、毎週水曜日に美味しいおとりよせをつぶやいていくそうです。こちらも作品共々注目していきたいですね。


ちなみに単行本の帯には「アナタの身近にも潜んでる!?『おとりよせ男子チェックリスト』」が記載されています。一つでも当てはまればおとりよせ王子! とのことなので、ちょっと引用してみましょう。

・おいしいモノの話には食いついてくる。
・頻繁にツイッターをやってるらしい。
・ノー残業デーは脇目も振らず帰宅する。
・料理の待ち時間に一人で踊ってるらしい。

・せっかくお昼に誘ってもノッてこない。
・おいしいご飯を食べてる時が一番幸せ☆

はい。筆者は全部当てはまっております。もうおとりよせ王子にどっぷりとはまっていると言っても過言ではありません。

今までの料理漫画にはない、作中の料理を食べたいと思ったらすぐに取り寄せられるこの作品。しかも、ちょっと贅沢をしようと思ったら全て手が届くお値段ばかり。美味しいもの好きは今後とも要チェックです!
(杉村 啓)