「感慨深いし、寂しいですね。僕にとって初主演映画は『暗殺教室』が最初で最後なので」
Hey!Say!JUMPの山田涼介は、しんみりと、噛みしめるように言葉を発した。

映画「暗殺教室」二宮和也、山田涼介、菅田将暉が語ったちょっと切ない卒業

26日、映画「暗殺教室〜卒業編〜」の公開記念舞台挨拶が東京・TOHOシネマズ六本木で行われた。“殺せんせー”をイメージして特注した、というスーツで登壇したのは主演の山田涼介。椎名桔平から「どこのマフィア!?」と揶揄される真っ赤なスーツで登壇したのは菅田将暉。会場の女性ファンから「かわいぃ」という声が漏れていた山本舞香、桐谷美玲、知英。さらには二宮和也、成宮寛貴ら豪華キャスト陣が派手な衣装でそろい踏み。

ただ、そこで語られた内容は、明るくゴージャスな衣装とは裏腹の、ちょっと切ない「作品からの卒業」についてだった。


「山田涼介という人間の初主演映画で……」


公開初日(25日)は平日ながら動員20万人を突破したという「暗殺教室」。幸先のいいスタートにも、「公開を迎えてうれしい反面、このメンバー・スタッフで舞台挨拶をするのも今日が最後だと思うと少しさみしいです」と山田涼介。
映画「暗殺教室」二宮和也、山田涼介、菅田将暉が語ったちょっと切ない卒業

この日の舞台挨拶では、山田がクランクアップ時、クラスメートを演じたメンバー全員に手紙を書いていたことが明かされた。

「(生徒役のメンバーには)演技をすることが初めての子、映画に出るのが初めての子もいました。僕が初めて主演ドラマをやったときに、あるキャストの方から、スタッフ全員が映った写真とメッセージ入りのアルバムをもらってすごく感動したんです。その方から、『涼介もいつか渡す立場の人間になれるといいね』と言われたのを覚えていて、今回、何かひとつ思い出を残してあげたいな、と思って」(山田)

その手紙をもらった一人が“業”役の菅田将暉。今作では山田演じる“渚”とのタイマン勝負も見どころのひとつだ。
司会から山田との絆について聞かれると、「ちょっとくさいですけど」と断りを入れて言葉を続けた。

「これから長いもんね、俺ら。そんな感じがしました。これからたくさん、いろんな作品をやるでしょうし、山田涼介という人間の初主演映画で、ずっと横にいさせてもらったことが、将来、効いてくれば。そんな気がします」(菅田)

山田涼介、菅田将暉はともに1993年生まれの23歳。彼ら以外も、多くの生徒役が20歳前後だという。
教師役としてその成長を見守った椎名桔平は「寂しいなぁ」とつぶやき、さらに言葉を続けた。

「去年の一作目から1年で、一人一人顔が違う。今年はちょっと大人になったというか。20歳前後の子たちって、こんなに1年で変わるんだ!と。顔つきもプロっぽくなってくるしね。そういう意味では、すごい成長を目の当たりにしましたよ」(椎名)

「この監督、このキャスト、この製作陣でなければ……」


山田がキャストに手紙を贈ったように、この日の舞台挨拶では、原作者・松井優征からの手紙がサプライズとして届けられた。

「作者自身はこの映画を見て、三カ所で泣きました。
原作の、シンプルながらも表現が難しい部分が映画で見事に再現されていて感動しました」

原作である漫画『暗殺教室』も、映画公開の2週間前に週刊少年ジャンプ誌上での連載を終了したばかり。原作と映画が同じタイミングで、同じストーリーが描かれている点も話題のひとつだ。

「羽住英一郎監督と羽住組はとにかく仕事が速くて技術力が高く、原作のビジュアルやストーリーが完璧に固まるのをギリギリまで待ってくれました。キャストの皆さんは、表情ひとつ、仕草ひとつで感動が数倍になるのを見せつけてくれました。この監督、このキャスト、この製作陣でなければ、ここまで作者を満足させてくれる映画をつくることはできなかったと思います」

「298円でしたよ、お肉。298円!」


「卒業編」という作品タイトルに相応しく、しんみりとした空気が流れたこの日の舞台挨拶。
といっても、ギャグも含めて親しまれてきた「暗殺教室」らしいやり取りも。

前作では声のみの出演で、本作でようやく殺せんせーの過去“死神”役で出演を果たした二宮和也は、「寒いところで寒い時期に、一人で裸になって演技して、出来上がりみたら全然誰だかわからないっていうね(笑)」と、CG合成のための演技で苦労したエピソードを披露。

また、公開直前には山田と2人、「しゃぶしゃぶ決起集会」を二宮宅で開催していたことが明かされ、司会から「さぞ高いお肉だったんでしょう?」と問われる場面も。「やめましょうよぉ」と質問をはぐらかしていた二宮だったが、「298円でしたよ、お肉。298円!」と山田が暴露すると「やめろー」と叫んで会場を沸かせた。

笑いも涙も満載の映画「暗殺教室〜卒業編〜」は全国の劇場で絶賛上映中。
早くも前作(興収27.7億円)を超える興収40億円も視野に入る好スタートを切ったという。

二宮先輩、いいお肉奢ってあげてください。
(オグマナオト)
映画「暗殺教室」二宮和也、山田涼介、菅田将暉が語ったちょっと切ない卒業