「今日のラスト、最高のデートにしようぜ。よろしくー!」
手越祐也の彼氏発言、加藤シゲアキの「ただいま!」「おかえり」と返す。

お決まりのセリフ、待ってたよ!
手越祐也の彼氏発言「最高のデートにしよう」NEWSコンサートレポ
CAP: QUARTETTOコンサートグッズの一部。ト音記号のペンライトは自動制御に対応している。楽譜のようなパンフレットがかわいい。

3月26日、まだ雪が残る札幌・真駒内セキスイハイムアリーナからスタートした「NEWS LIVE TOUR 2016 QUARTETTO」。全国8都市をまわり、18公演で27万1000人を動員。6月12日の東京ドームでツアーファイナルを迎えた。

「最高のデートにしようぜ!」とにかく攻めるNEWSのデート


開演数分前から「NEWS!NEWS!」とNEWSコールがこだまする。2〜3分前になるとさらに大きくなり、座ってコールをしていた人も立ちあがってNEWSの登場を待つ。
若いファンが多いこともあってコールと自分の音程が微妙に合わないものの、恥ずかしさも吹っ飛ぶくらい、ファンの熱気に突き動かされた。

メインステージには赤い幕が掛けられ、セット最上部の王冠には「QUARTETTO」の文字。
劇場で耳にするブザー音が鳴ると、黒い衣装を着たジャニーズJr.16人が音にあわせて手を叩きリズムを取る。オープニング映像を見ながらメンバーの登場を待っていると、センターステージから十字に伸びる花道の端から登場した。やられた……。

赤、青、黒の色違いのマントをまとった4人。ベルベット地にスパンコールが散りばめられていて、淵には白やゴールドのフリンジ。裾からは白いスカートタイプのボトムがひらひらと揺れている。

マントの下にはどんな衣装を着ているのか。

アルバムそしてツアータイトルでもある『QUARTETTO』からスタート。アップテンポの『ANTHEM』、4人で初めてリリースしたシングル『チャンカパーナ』で再び歓声があがる。

インドをテーマにした『チュムチュム』で衣装替え。遠くの席からもしっかり見える蛍光イエロー。セーラーカラーのデザインに萌え袖、動きにあわせて揺れるパネルスカート。
細部にこだわりつつ大胆なデザイン、奇抜な色使いも4人揃って着るとまとまる。コンサートの衣装はメンバーの増田貴久が手がけた。

『チュムチュム』から、かぐや姫をモチーフにした和テイストの『KAGUYA』へ。インドから和への振り幅には驚いたけれど、紙吹雪が舞う中、和傘をくるくるさせて世界観を変えた。

セットリストはアルバム『QUARTETTO』をベースに、新・旧のシングル曲を盛り込まれていた。ペンライトを振ってキャーキャー叫びつつ、一緒に踊ったり手を叩いたり。
タオルをぶんぶんまわして、コール&レスポンスに大合唱と、ファンの出番が多いのがNEWSのコンサート。

前日の東京初日の公演では、リーダー小山慶一郎の「男子ー!」の呼びかけに「イェーーィ!」野太い声のレスポンス。
「いるねぇ!」「男性ファン増えた!?」「増えたね」
笑いと驚く声が聞こえてきた。回を重ねるごとに明らかに増えている男性ファン。なんだか嬉しい。

個性的なソロに東京公演限定のビッグサプライズ


4人4様のソロステージ。
増田は10名ほどのバックダンサーと共に、ラップあり甘い歌声ありのダンスチューンを披露。平日はキャスターをしている小山慶一郎。週末はちょっと大胆に胸元を開けて激しく腰を振るセクシーなダンス。
椅子に腰掛けた手越祐也は、途中で曲を止めてアカペラ。泣き出しそうなほどに感情を込めてラブソングを歌いあげた。加藤シゲアキは「星の王子様」の朗読から入る。
激しいダンスではなく、繊細な手の動きなどで「これは何を表現しているんだろう」と、考えさせるところがアイドル兼小説家らしい演出だった。

パフォーマンスやペンライトのウェーブに夢中になっている間に、メインステージには再び赤い幕が降りている。
二回目のブザーが鳴った。
下から幕があがるとステージに登場したのは、マエストロ西本智実と57人のイルミナートフィルハーモニーオーケストラ
突然のサプライズに、オープニングさながらの悲鳴や歓声があがった。

これは東京公演限定のサプライズで、既にほかの会場でコンサートを見ているファンも驚いていた。2015年11月リリースのシングル『四銃士』で、西本が原曲の「パガニーニの主題による狂詩曲」の総編曲を手がけている。今回のフルオーケストラはジャニーズ史上最大規模なんだそう。

4人はスパンコールが光る黒いスーツスタイル。ハットを合わせ、ドレスアップして登場した。
『四銃士』の生演奏がスタート。ダンスを控えめに、重厚感あるオーケストラを背に気持ち良さそうに歌う。続いて2007年3月リリースの『星をめざして』。何度も聞いている馴染みの曲だが、まさか10年後にオーケストラの生演奏で聞ける日が来るとは。
演奏後すぐにバックステージではじまった小山のソロ。気がつけばオーケストラの姿はなくイリュージョンを見た気分だった。

他にも書ききれないほど、めまぐるしくステージが変わっていったが、中でも
会場中がノリにのった『Departure』では、巨大スクリーンに弾幕が流れた。
「テゴシキターーーー」「マッスーーーー」の文字が歌詞と交互に右から左へ流れていく。ニコ生か!ここはニコファーレか?
そして小山のパートだけ「一重キターーー(─_─)ーー」が流れる。
一体誰のアイデアだろう。

手を叩いて一緒に歌って、タオルをぶんぶん振り回す……夢中になっているうちに嫌な事を忘れてしまうのがNEWSのコンサート。笑いありサプライズの感動あり、あっという間に2時間半が過ぎた。

昔は当たり前だった東京ドームが、一度は夢に変った経験をしているNEWS。
「また東京ドームに連れて来てね」
東京初日の増田の言葉が印象に残る。

「4人で4年間やってきて、4枚目のアルバムを出して、4回目のツアーになります。だからこそ最高のカルテットが奏でられたんじゃないかと思っています」(ニッカンスポーツ6/13より引用)
最終日には加藤が「まだまだ高いところを目指す」と宣言した。

本編が終わると、すかさずNEWSコールがはじまる。最終日はダブルアンコールに応えて『weeeek』。これで本当に終わってしまう……。

メインステージに立った4人。「見切れちゃう人もいるから」と、ステージ真横の席を気遣ってステージから少し歩いて花道に出る。
会場が静まり返るのを待って息を合わせる……
「ありがとうございました!」
マイクを通さない4人の声が東京ドームに響いた。
(柚月裕実)