2026年6月21日、韓国のノーカットニュースは、企画特集「孤独死の死角地帯、孤立する若者」の一環として、日本と韓国でひきこもり支援活動を行う大草稔氏へのインタビューを掲載した。

記事は、「日本では、80代の親がひきこもり状態にある50代の子どもを支える『8050問題』が、90代の親が60代の子どもを支える『9060問題』へと移行し、深刻化している」と指摘した上で、大草氏の見解として「ひきこもりは個人の弱さではなく、社会構造が生み出した問題だ。

韓国も危険な状況にある」と警鐘を鳴らした。

その上で、「日本では1990年代にひきこもり問題が本格化した。政府は2000年代から支援策を進めてきたが、問題解決には至っておらず、十分な成果を上げられなかったとの評価を受けている」と説明。大草氏がその理由について、「応急処置ばかりで、根本的な予防を行わなかったためだ」とし、ひきこもりを生み出す社会構造そのものには手を付けず、根本原因を十分に理解しないまま、「問題が起きてから対処する」対応を繰り返してきたことが背景にあるとの見方を示したことを伝えた。

一方、韓国については「政府が2023年末、初めて中央政府レベルの総合対策を打ち出した」と紹介。大草氏が韓国の公的機関による対応は比較的早いと評価する一方、「まだ始まったばかりであり、政策を評価するには時期尚早だ」とも述べ、現状の課題として「概念と人材の不足」を挙げていることを伝えた。

記事によると、大草氏は現在の政策的アプローチについて「パンクした車のタイヤを修理することだけに必死になっている状態」と例え、「本当に問題を解決するためには、タイヤを修理するだけでなく、道路そのものを作り直さなければならない」と指摘。「このままでは韓国も日本と同じ道をたどる可能性が非常に高い」と警鐘を鳴らしているという。

また、「コミュニケーションの断絶や低成長による競争激化は世界的な傾向だが、なぜ韓国と日本では、それが孤立やひきこもりという形で表れるのか」との質問には、背景として「画一的な文化」と「正解が決められた人生」を挙げた。大草氏は「韓国と日本はいずれも単一民族国家に近く、比較的画一的な文化的背景を持つ。さらに高度経済成長期を経て、良い人生の標準的なモデルが社会の中に形成された。時代が変化し価値観が多様化した現在も、人々の意識は過去の成功モデルに縛られている」と分析したという。

また、「社会全体に能力主義が浸透していることで、失敗や個人差に不寛容な環境が生まれ、それが子どもたちに大きな重圧を与えている」とも言及。「同調圧力と集団主義の中で、個人のアイデンティティーは軽視され、無視されている」と指摘した。

さらに、東アジア特有の家族文化や養育環境も影響しているとし、「親は常に正しく、絶対的な権威を持つ存在と見なされるため、子どもは自由に意思表示をする機会を失いがち」「少子化の進行により、一人の子どもに寄せられる期待が大きくなり、プレッシャーも強まっている」とした。

このほか、欧米では親子の同居率が比較的低く、社会から脱落した人がホームレス化する傾向がある一方、日本や韓国では親子の同居率が高いとし、「そのため、社会の中で居場所を失った若者たちは、親の家という空間へと身を隠す形で孤立・ひきこもり状態に陥りやすい」との見方を示した。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「雇用があれば生きるために最低限、働くことはできるけど、それすらもないのだから、これから状況はもっと悪化するだろう」「とにかく雇用創出が必要だと思う」「日本は韓国に比べ国土が広いし、生涯フリーターでも食べていける。一人世帯のための消費財も充実してる。他人と比較しないで生きられる国だ。でも韓国はそうはいかない」「韓国社会は画一的すぎる。それが一番大きい」「働かずに家でPCゲームをしてるだけでも、政府から支援がもらえるようでは、事態は改善しないだろう」「家の外を地獄にしたのは誰だよ」「韓国は不思議と、10年前の日本のルートをそのままたどっている」などのコメントが寄せられている。(翻訳・編集/麻江)

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