仏国際放送局ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)中国語版は6日、「円がおよそ40年ぶりの歴史的な安値、日本経済はもう駄目なのか?」と題する記事を掲載した。
記事は、6月30日の東京外国為替市場では円相場が一時1ドル162円台まで下落し、1986年12月以来約39年半ぶりの円安水準を記録したことを挙げ、市場関係者から「円安がさらに加速する可能性がある」との見方も出たことを紹介した。
その上で、今回の円安の背景には、日本固有の要因だけでなくドル高の進行があると言及。「中東情勢の緊張や米国の堅調な経済指標を受け、投資家は安全資産であり高い利回りも期待できるドルへ資金を移している。ドルはユーロやポンドなど主要通貨に対しても上昇しており、円安はドル高の影響を強く受けた結果とみられている」と説明した。
また、日本のエネルギーは輸入への依存度が高いため、中東情勢の悪化による原油価格上昇が輸入コストを押し上げ、ドル需要を増加させていることも円安要因となっていると指摘。日本政府は「必要に応じて適切な対応を取る」と繰り返しているが、市場では当面大規模な為替介入は行われないとの見方が広がっているとした。実際、日本政府は4月から5月にかけて総額11兆7000億円に及ぶ過去最大規模の為替介入を実施したが、その後も円安傾向は続いているとし、「介入だけで流れを変えることの難しさが浮き彫りになった」と論じた。
記事は、市場で円安が維持されている最大の要因は日米の金利差だとし、「日本銀行(日銀)は6月に政策金利を1%へ引き上げたが、それでも米国の金利水準を大きく下回る。このため、低金利の円を借りて高金利のドル資産などに投資するキャリートレードが活発化している。投資家にとって利ざやを得やすい状況が続いており、円売り圧力が強まっている」と説明した。
また、「一部の専門家は日銀に追加利上げを求めているが、円安は日本が長年進めてきた経済政策の結果でもある」と言及。「2013年に安倍晋三政権が打ち出した『アベノミクス』は輸出競争力向上を狙って円安を促進した。円安によって輸出企業は海外で稼いだ利益を円換算した際に収益を拡大でき、日本経済の回復を後押ししてきた。
そして、「日本政府がこの政策を維持しているのは、輸出企業が日本経済の中で重要な地位を占め、制度的な影響力も持っていることと関係している。ただ現在では、その輸出企業でさえ、『円安時代』があまりにも長く続いていると感じ始めている。多くの企業は、日本が再び『円高時代』に戻るのは容易ではないと徐々に認識し始めている」と述べた。
記事は、「企業の売上高は見栄えが良くなっているものの、原材料価格の上昇などが利益を圧迫し、経済成長の減速への懸念も生じている。外国企業から見れば、日本は人口減少が続き、市場も縮小し、実質賃金は約40年間ほとんど伸びていないため、日本への投資の魅力はますます低下している」と指摘。「海外投資家は東京株式市場に再び注目しているが、それは株式ポートフォリオを調整したり、上場企業の自社株買いによる株価上昇を狙ったりするためであり、日本の将来的な成長性を評価しているからではない。日本企業自身も将来の成長余地は海外にあると認識しており、海外で得た外貨を円に換えずにそのまま保有して将来の海外投資に充てるケースが増えている」とした。
また、「円安は日本の大手輸出企業にとっては追い風となるが、エネルギー価格上昇によるマイナス効果がその利点を相殺し始めている」としたほか、「主に国内市場に依存する家計や企業は打撃を受けている。円安によって輸入コストが上昇し、生活費や事業運営コストが膨らんでいるためだ。円安は食品やエネルギーの輸入価格を押し上げ、家計負担をさらに重くしている」と指摘した。
記事は、「『アベノミクス』を支持する高市早苗首相は大規模な財政支出計画を打ち出している。
そして、今後の円相場を左右する最大の要因は米国の金融政策だと分析。「米連邦準備制度理事会(FRB)が高金利政策を維持すればドル高・円安圧力は続く可能性が高い。また、地政学的リスクが高まれば、ドルの安全資産としての魅力も強まるだろう。一方で、米国が利下げ局面に入ったり、エネルギー価格が下落したりすれば、円安に一定の歯止めがかかる可能性もある」とし、「市場では、円安がさらに進むとの見方がある一方、原油価格や米国のインフレ懸念の後退によって円安余地は限られるとの見方も出ている」と伝えた。(翻訳・編集/北田)











