2026年7月6日、中国メディアの鈦媒体は「日本の工作機械が中国の地方都市に敗れ始めている」との記事を掲載。山東省滕州市が強固な産業集積とAI技術の融合により工作機械分野で世界レベルの地位を築いていると報じた。

記事は、ベトナムの工場オーナーが日本ブランドの約3分の1にあたる単価十数万元(1元=約24円)という安価な滕州製工作機械を選択した実例を紹介。東南アジアの現場で長年親しまれてきた日本製品が滕州製に置き換わりつつあり、日本の工作機械業界に焦燥感が広がっていると伝えた。

そして、山東省の小さな県級市である滕州市では400社以上の企業が集結して年間20万台以上の工作機械を生産しており、中国の中小型ドリル・フライス盤のシェア80%を占める「中国中小型工作機械の都」になっていると紹介した。

また、滕州の強みが単なる低価格戦略ではなく、高度な技術力に裏打ちされていると指摘。地元企業の威達精工が5軸連動マシニングセンタでの0.003ミリメートルの精度を実現したほか、清巒(らん)福興は世界初の量産型AI工作機械を開発し、自動車用電池大手の寧徳時代(CATL)や独フォルクスワーゲンに導入されているとした。

日本の工作機械、中国の地方都市に敗れ始める―中国メディア

記事は、滕州で工作機械産業が発達した背景について、1952年設立の魯南工作機械を源流として、そこから独立した技術者たちが主要企業を育て上げたと解説。現在では半径5キロメートル以内で部品の80%が揃う「アリの兵団」のような強靭なサプライチェーン・エコシステムを形成するに至ったと伝えた。

そして、遼寧省の瀋陽や大連にある工作機械大手が破産に追い込まれる激しい業界再編の中でも、滕州の企業群はリスクを分散し互いに補完し合う構造によって生き残り、2025年に中国がドイツを抜き工作機械輸出世界シェア1位を獲得する大きな原動力になったと評している。

記事は、滕州が古代の工匠である魯班(ろ・はん)の故郷であることに触れ、現地では伝統的な職人技や経験をAIによってアルゴリズム化し、機械に「能動的な思考」を持たせる最新の技術革新が進んでいると伝えた。(編集・翻訳/川尻)

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