2026年6月22日、香港メディアの香港01は、米中が建設的な安定へと向かう中、日本は疎外リスクを回避するため自律的な安全保障国家への転換を図っているとする、米クリストファー・ニューポート大学の孫太一(スン・タイイー)准教授によるコラムを掲載した。

孫氏は、米中関係の沈静化が東アジアの自動的な安定を意味せず、日本にとっては「米中間の取引や安定のあおりを受けて置き去りにされるのではないか」という新たな不安を招く可能性があると指摘した。

また、トランプ米大統領が5月に主要同盟国に立ち寄らず中国のみを訪問した事例を挙げ、米中間の取引が優先されることで日米関係が希薄化し、重要局面での約束が調整されることへの懸念が高まっていると伝えた。

そして、大国間の関係変化により生じる依存リスクを調整し、自らの能力や提携を強化する「脆弱(ぜいじゃく)性のリバランス」という概念を用い、中国の台頭や台湾海峡問題、そして米国との約束の不確実性といった多重的な脆弱性に直面する日本が「脆弱性のリバランス」に向けた動きを見せ始めているとの考えを示した。

その上で、「保護者」との約束が不確実になる中、日本が憲法改正の議論、南西諸島の配備強化、防衛費の増額、反撃能力の開発、防衛装備品の輸出促進などを進め、自律的かつ外向的な安全保障国家への転換を推進していると分析した。

孫氏は台湾問題への介入姿勢を強める日本の動きについて、危機の際に運命を他人に委ねることを避けるための抑止力向上を目的とする一方、中国側の警戒をあおり安全保障のジレンマを加速させる危険もはらんでいると指摘した。

さらに、米国が日本の戦略的負担の軽減を歓迎しつつも完全な自律や核抑止力の保持などは望まないという二面性を持っていることにも言及。こうした取引的な米国の同盟観も日本の「脆弱性のリバランス」をさらに促すことにつながっているとの見方を示した。(編集・翻訳/川尻)

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