2026年7月9日、華字メディアの星島環球は「1日で約2億3000万元(約55億円)を売り上げる寧徳時代(CATL)が存在する一方で、その他の企業の利益率がわずか3.4%という自動車業界の不等式が書き換えられつつある」として、新エネルギー車用バッテリー業界の再編動向について紹介した。
記事は、通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)主導の電気自動車(EV)ブランド連合・鴻蒙智行が販売している「問界(AITO)」のバッテリーサプライヤーが変更される件に言及し、「22年に5年の提携契約を結び、25年までAITOモデル全てにCATL製バッテリーを搭載するほど、鴻蒙智行はCATLと高度な連携体制をとっていたが、6月に中国工業情報化部が発表した新型車両のデータによると、『問界M6』は国軒高科(ゴーション・ハイテク)製のリン酸鉄リチウムイオン電池(LFP電池)を採用している。
その上で、「複数のサプライヤーを採用するモデルは今に始まったことではない」として、テスラが以前からCATLのほかにパナソニックやLGと提携しているなど、海外の自動車メーカーが複数のサプライヤーから供給を受けていることを紹介し、「なぜこのタイミングで一斉に見直しを始めたのか?」との問いを投げかけ、その答えとして「収益の圧力」だと指摘した。
自動車情報プラットフォームの懂車帝などの統計によると、今年上半期に中国では600以上の新型車モデルが投入されたが、同期間の全国乗用車小売販売台数の累計は約870万台にとどまり、前年同期比で20.2%減少した。自動車業界全体の利益率は約3.4%で、平均値の6.1%を下回った。利益率が圧迫される一方で、車両のBOM(部品構成表)コストの約30~40%を占めるとされる車載用バッテリーの主要原材料である炭酸リチウムの1トンあたりの価格が、25年末には7万5000元(約180万円)だったのが、今年5月中旬には20万元(約477万円)にまで高騰している。
記事は、「こうした状況下でコスト管理と供給の安定性を両立させるため、自動車メーカーにとって、バッテリーサプライヤーを複数持つことは、交渉力を高めるだけでなく、単一のサプライヤーに依存するリスクの軽減とサプライチェーンの強靭化にもつながる。一部のアナリストからも、自動車メーカーによるサプライヤーの拡大は、CATLの競争力低下を示すものではなく、むしろ新エネ車産業の成熟に伴うサプライチェーン再編を反映したものだと指摘する声がある。国軒高科や欣旺達のような第2グループの企業が製品の質や製造力の向上を継続しているため、自動車メーカーはより現実的な選択肢を持てるようになる」と述べた。
そして、「自動車業界が急成長の段階から業務の高度化を図る段階へと移行する中、製品や技術と並び、サプライチェーン管理能力が自動車メーカーの競争力を左右する新たな要素として浮上している。バッテリーメーカーにとって、今後の競争の焦点は市場シェアの奪い合いから、大手メーカーのエコシステムにおける中核的な地位の長期的な確保へと移っていくだろう」と論じた。(翻訳・編集/原邦之)











