最も近い海岸線から約1600キロ以上、あらゆる大都市からも数百キロ離れた中国西部・新疆ウイグル自治区の砂漠の奥深くに米海軍アーレイ・バーク級駆逐艦の実物大模型が出現した。米CNNが伝えた。

台湾有事」などの際に派遣されることを想定し、攻撃訓練用に建造したとみられる。

CNNは米海軍のミサイル駆逐艦「フィッツジェラルド」(排水量8362トン)の画像と並べると、「双方は衝撃的なまでに酷似しているのが分かる」と報道。共に全長は155メートル前後。後部にはヘリコプター用のフライトデッキがあり、その隣にはトマホーク巡航ミサイル等の誘導弾に使用する垂直発射装置が搭載されている。

中央部には航行や通信、戦闘作戦を管轄するブリッジと司令部が確認できる。前部の甲板砲は海上の標的や空からの脅威への対応、陸上への攻撃に使用する装備だ。

CNNは「こうした細部の特徴から、当該の模型は米軍の主要なミサイル駆逐艦を忠実に再現したものと考えられる」と指摘。「台湾をめぐる紛争が勃発すれば、これらの駆逐艦は真っ先に派遣される米軍艦となる公算が大きい」とした。

台湾のシンクタンク、国防安全研究院を統括するハンス・スー氏は中国が大きな労力や費用を投じてこうした模型を建造する理由について「あらゆる準備を徹底しようとしているからだ」と説明。スー氏によると、中国は高い角度から攻撃可能な弾道ミサイルと水平攻撃が可能な巡航ミサイルを保有しており、それらを組み合わせて接近阻止・領域拒否(A2AD)能力を強化しようとしている。現在は最新の極超音速対艦ミサイルの高精度化を図っているという。

CNNによると、今回模型が設置された新疆ウイグル自治区は中国人民解放軍が数年前に米航空母艦や米駆逐艦の2次元の平面模型を建造した地点でもある。

英BBCは当時、「米国の宇宙テクノロジー企業マクサーが撮影した写真の1枚には空母のような形をした構造物が鉄道線路の上に配置されている様子が写っている」と説明。「米海軍情報を扱っているウェブサイトのUSNIニュースは構造物は中国軍が標的として造ったものとみられる」と報じた。

台湾励志協会(TIA)のオープンソース情報アナリストを務めるジョセフ・ウェン氏は「中国がこのような3次元の模型を建造するのは初めてだ」と言及。模型がまだ完成していなかったおよそ1カ月前にその存在を突き止めたとした上で、「建造規模の大きさは非常に驚くべきものだ」との認識を示した。(編集/日向)

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