大相撲 ▽名古屋場所3日目(14日、IGアリーナ)

 東前頭筆頭・藤ノ川が横綱・豊昇龍を突き落とし、2日連続4個目の金星を獲得。横綱初挑戦から4連勝(不戦勝を除く)は戦後初の快挙となった。

 豊昇龍のかち上げからの突き押しに、藤ノ川は土俵際で右を差して突き落としを決めた。これは稽古によって体に染み込ませた逆転技でもある。一度でいいから藤ノ川の鬼気迫る稽古を見てほしい。相手を研究するというものではない。どんな相手でも砂まみれになって目いっぱいの勝負を挑む。抜群の勝負勘はその積み重ねから生まれたのだ。

 豊昇龍の攻めも圧巻だったが、藤ノ川にも鋭い立ち合いがあった。その“貯金”が土俵際につながった。どんな状況でも決して諦めない藤ノ川の姿勢を相手も把握している。「早く勝負を決めたい」との意識が詰めを甘くさせたといえる。

 私は昭和の匂いがする藤ノ川のファンの一人でもある。177センチ、123キロの小さな体での気っぷの良い相撲をいつまでも見たいから、ケガによる離脱だけはないようにと願っている。

(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

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