◆第108回全国高校選手権静岡大会▽3回戦 浜松学院興誠7―1静岡市立(18日・ちゅ~るスタジアム清水)

 静岡市立は3回戦で浜松学院興誠に1―7で敗れた。エースの池谷冴虎(ことら、3年)は試合後に涙を流した。

東海大静岡翔洋中で全国制覇を経験した右腕が、最後の試合でマウンドに立てず。「エースナンバーをつけている自分が投げられずに、チームに任せきりになってしまった」と声を絞り出した。ここまでの2試合は先発を務め、試合を作るも、この日はコンディション不良により、痛み止めを服用。勝ち上がれば、好左腕・高部陸を擁する昨夏王者・聖隷クリストファーとの4回戦で先発予定だった。

 それでも、試合終盤に点差が開くと一塁ベンチ前で肩を作り始めた。「最後に自分が何かしたいという気持ちでいっぱいだった。自分が投げて流れが変わるなら、何でもするつもりでした。でも結局、流れを変えられずに負けてしまったことが、一番悔しい」。最後までエースとしての責任を背負い続けた。

 全国優勝を経験し、付属高へ進学する道もあったが、「日本一になった仲間と戦いたい」と静岡市立への進学を決めた。しかし、高校生活は順風満帆とはいかなかった。1年夏前から2年春にかけては重圧からフォームを見失い、「投げ方自体を忘れてしまった」。

苦しかった時期を「自分がどんなふうに投げているのかも分からないし、狙ったところにも投げられない。正直、投げること自体が怖かった」と振り返る。

 選手層が厚い東海大静岡翔洋に進学していたら「内野手への転向もあったかもしれない」と想像する。それでも、安井信太郎監督やコーチ、家族や仲間の支えを力に投手として復活を遂げた。「監督、家族や友達だったり、信じてくれる人たちに恩返しをする夏にしたい」と臨んだ最後の大会。思い描いた結末ではなかったが、高校3年間で味わった栄光も挫折も、すべてが糧となった。大学でも野球を続けることを決めており、前を向いた。

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