J1千葉は2026/27シーズンに17年ぶりの本格的なJ1リーグへ挑む。スポーツ報知では、複数のテーマから、今季のチームの行方を展望する。

第1回は戦術編~最終ラインの枚数とクラブの立ち位置~

 1日のちばぎん杯後、小林慶行監督は普段以上に言葉を尽くし、頭を悩ませている様子だった。移籍や負傷者、コンディション不良―。複合的な要因でサイドバックが不足し、キャンプから継続して取り組んできた4バックではなく、急造の3バック採用を決断した。

 即興のシステムではあったが、3バックの柏と同じフォーメーションでかみ合わせがはまり、一定の形は示した。FW松村が「1回やって無失点で抑えられたのはいい経験になった」と振り返ったように、中央を固めて相手をサイドへ誘導し、決定機をほとんど与えなかった。攻撃面には課題を残したものの、百年構想リーグでは早い時間帯の失点から後手を踏んでいただけに、守備面では確かな手応えを得た。

 ただ、7月31日には水戸から右サイドバックのスペシャリスト、DF飯田が加入。本来準備してきた4バックも再び選択肢に加わり、指揮官は「だからこそ(3バックか4バックか)決めきれない」と胸中を明かした。J2時代から積み上げてきたサイドを起点とする攻撃的なスタイルを表現するなら、4バックが最適なのは間違いない。ただ、「重要な選手が抜かれて、誰を獲得できるのか分からない中で進んでいる部分がある。新しく来た選手のストロングを組み込まなければいけないし、今まで積み上げてきた部分を多少放棄してでも、そういう流れになっていくと思う」とも語り、チーム状況に応じた現実的な判断も視野に入れていることをうかがわせた。

 優秀な選手がカテゴリー上位クラブへ引き抜かれるのは、J1で戦うクラブの現実だ。

千葉もJ2時代は上位クラブとして下位クラブから主力を獲得する立場だったが、J1昇格によって置かれた環境は一変した。今オフも玉突きによる緊急オファーで移籍したMF高橋だけでなく、複数の選手にステップアップの誘いがあった。W杯シーズンという事を加味しても、移籍期間が終了する9月中旬までは予断を許さない。

 開幕戦は広島、第2節は町田、第3節はFC東京と、いきなり強豪との対戦が続く。開幕3連敗だけは何としても避けたい。広島、町田はいずれも3バックを採用するチームであり、相手の強力なアタッカーにマンツーマン気味で対応できる点や、加入間もない飯田のコンディションを踏まえれば、少なくとも最初の2試合は3バックが現実的な選択肢となりそうだ。理想形ではなくとも、まずは守備をベースに粘り、エリソンを軸とした一発にかける戦いが現実味を帯びる。

 「キャンプでは4バックをずっとトレーニングしてきた。その中でどちらを使うか決断し、次に向けた準備が始まる。選手には、しっかり戦えたから下を向かずに準備しようと話した」と指揮官。昨季は昇格をつかむためのタフさが求められた。今季はJ1で生き残るためのタフさが試される。

(綾部 健真)

編集部おすすめ