◆第108回全国高校野球選手権大会第5日 ▽1回戦 鳴門渦潮2×―1八王子実践=延長10回タイブレーク=(9日・甲子園

 2年ぶり9度目出場の鳴門渦潮(徳島)が初出場の八王子実践(西東京)を延長10回タイブレークの末、サヨナラで下し、鳴門工時代の2008年以来、18年ぶりの白星を挙げた。現校名になってからは2017年、24年に初戦敗退を喫しており、鳴門渦潮としての“初勝利”となった。

 最速143キロの鉄腕エース・西村大輝(3年)が最後までマウンドを守り抜いた。8回まで87球で散発3安打零封。三塁を踏ませない快投も、9回に先頭打者に安打を許すと甲子園が“揺れた”。1球ごとに初出場の八王子を応援するかのような拍手とどよめきが銀傘に響く。2死一、二塁のピンチに同点打を浴びたが気持ちは切らなかった。

 「めちゃくちゃアウェーやったんですけど、逆に楽しかった。楽しめました。自分の球を信じる。信じて投げるだけなので怖くはなかったです」。延長10回にもこの日最速の140キロをマーク、128球を投げきった。

 徳島大会では5試合中、4試合で完投。マウンドを譲ったのは決勝での7回の1イニングのみで44イニングを投げ、防御率1・64。

しかもDHを使わず「3番」DH」で試合に出続けた。森恭仁監督(59)が「ウチの中心ですから、降板しても代えることはない。攻撃には必要の選手です」と話すと、西村も「自分は好きで両方やらせてもらっているので」と語った。

 中学時代は「かわすピッチングしかできなかった」と話す西村は、高校入学時は上手投げだったが、独学で肘を下げ、試行錯誤を繰り返し、今春に現在のスリークオーターになった。「球速が出なかったので、肘を下げたら、球速も上がって、スライダーも曲がるようになった」と西村。さらに投げても疲労を感じなくなったという。

 酷暑でも、DH制なしでも、投げ続けられる“しっくりフォーム”で聖地でも輝いた。18年ぶりの白星に貢献しさらなる高みへ。「(対戦相手は)強豪校ばかりなので、自分の投球がどこまで通用するか、強気に試したい」と言い切った。

 ◆西村 大輝(にしむら・だいき)2008年9月2日、兵庫生まれ。17歳。小学4年から「おのころジャーガーズ」で野球を始め、南あわじ市・三原中では硬式の「ヤング淡路」に所属。

鳴門渦潮では1年秋から10番でベンチ入り。2年秋からエース。179センチ、76キロ。右投右打。

編集部おすすめ