プレミアリーグの“金満”に異変……「本当に持っている金なのか...の画像はこちら >>

巨額の資金が動くプレミアリーグ photo/Getty Images

“金満”の裏側に潜むリスク

プレミアリーグの圧倒的な資金力に、イタリアから疑問の声が上がっている。

イタリア紙『Corriere dello Sport』は4日、今夏の移籍市場で史上級の巨額投資を続けたプレミアリーグについて、「クラブは持っていない金を使っているのか?」と題した記事を掲載。

異常なまでに膨らんだ市場規模だけでなく、その資金調達方法にも目を向けている。

同紙によれば、2026年夏にプレミアリーグ20クラブが移籍市場へ投じた金額は約35億ポンド、ユーロ換算で40億ユーロ超に達した。2025年夏の約36億ユーロからさらに増加し、最終日の支出だけでも約5億9000万ユーロを記録したという。

一方で、プレミアリーグ全体の移籍収支は15億9600万ユーロの赤字。2番目に支出額が多かったセリエAの約11億6000万ユーロを大きく上回っている。

『Corriere dello Sport』が問題視するのは、こうした数字そのものだけではない。

同紙は、英国メディアの分析を紹介しながら、「プレミアリーグのクラブは、本当にこれほどの資金を自由に使えるのか」という疑問を投げかけている。

その一つが、プレミアリーグ内で大型移籍が繰り返される構造だ。

今夏に1億ユーロ以上の移籍金が発生した大型補強のうち、プレミアリーグ外のクラブが関わったのはPSGからリヴァプールへ移籍したブラッドリー・バルコラだけだったという。

つまり、巨額の資金がプレミアリーグの外へ流出するのではなく、イングランド国内のクラブ同士で循環している。

そして、より深刻な問題として同紙が取り上げているのが、「ファクタリング」だ。

『Corriere dello Sport』は、多くのクラブが、将来的に受け取る放映権料や移籍金、さらには降格時に支給されるパラシュートペイメントまで、金融機関を通じて前倒しで現金化していると伝えている。


要するに、本来なら数年後に入ってくるはずの金を、現在の補強資金として使っているということだ。

しかも前倒しには当然、金利が発生する。

『Corriere dello Sport』は、トッテナムのケースにも言及。ロベルト・デ・ゼルビ監督の下で大型補強を進める同クラブが、豪州系金融大手マッコーリー銀行による資金の前倒しに過度に依存している可能性を指摘している。

プレミアリーグには巨額の放映権収入があり、他国リーグとは比較にならない経済力を持つ。

しかし、『Corriere dello Sport』が突きつけたのは、「金があるから使っている」のか、それとも「将来入る金まで前借りして使っている」のかという根本的な問いだ。

40億ユーロを超える今夏の投資は、プレミアリーグの圧倒的な経済力を象徴する数字なのか。

それとも、将来の収入を先食いする“危険な巨額投資”の始まりなのか。

イタリア紙が英国メディアの分析をもとに浮かび上がらせたのは、世界で最も裕福なリーグの華やかな移籍市場の裏側にある、知られざる資金調達のリスクだった。

編集部おすすめ