“デザイナーズ・ドッグ”と呼ばれるワンちゃんたち
ラブラドール(Labrador)とプードル(Poodle)のあいのこの「ラブラドゥードル(Labradoodle)」<br>(Photo by Derek Ramsey)
ハリウッドのセレブたちが一気に「パグル」を飼い始めたらしい、ということをゴシップ雑誌で見かけたのが昨年。今やアメリカで人気の犬になりつつあるパグルだが、そもそもこの「パグル」ってどんな犬?

実はパグとビーグルのあいのこなので、血統書付きの犬というわけではなく雑種。
だが、雑種と一言で片付けてしまわずに、最近では「デザイナーズ・ドッグ」と呼ばれ値段も数千ドルと高価な犬たちをペットショップで頻繁に見かけるようになった。
ボーグル(ボクサー+ビーグル)
ヨーキプー(ヨークシャーテリア+プードル)
シーポン(シーズー+ポメラニアン)等々。
名前の面白さに惹かれるわけではないが、容姿もあいのこで、親それぞれの特徴がでているのも興味深い。「小食で、ウンチもちょっとのフワフワの毛の小さい犬が欲しい」というようなニーズに応えるべく、犬もデザインされる時代になってしまったらしい。

1970年、オーストラリアで「ラブラドゥードル」(ラブラドールとプードルのあいのこ)が誕生した。きっかけは、障害者からアレルギーの出る確率が少ないガイド犬が欲しいというリクエストがあったためだという。
喘息持ちの人やアレルギー体質の人でも安心して飼える犬というので、抜け毛の少ないプードルと人なつこいラブラドールが選ばれたらしい。それ以来、オーストラリアはもとよりアメリカでも人気の犬になったのだが、いまだにアメリカン・ケネル・クラブには承認されていない(このクラブは純粋種犬が登録するところとしてアメリカ最大で、名門のウエストミンスタードッグショーなどを催したりしている)。300匹以上のラブラドゥードルがアメリカ国内に存在し、少なくとも20州以上に分配され、親子三代の写真付きの系図を証明できないと純粋種犬とは認められないという。

ペットショップで売られるデザイナーズ・ドッグの「パグル」。
パグとビーグルのミックスで、シェルターで里親待ちしている「雑種」犬。
違うのは「名前」だけのような気がするが、アメリカも日本同様デザイナーズ・ブランドには弱いらしい。
雑種だってブランド犬へ仲間入り、と世の中の見方も変わってくるのだろうが、この調子で行くと雑種なんていう犬はいなくなってしまう将来が来るのかもしれない。
是非とも一過性のブームで終わることのないように。
(シカゴ/あらた)