来年の干支であるうさぎ。90年代の人気ドラマ『ひとつ屋根の下』の中で、のりピー扮する小雪が「うさぎって淋しいと死んじゃうんだから!」と言う場面があったことから、うさぎ=淋しいと死ぬ、という説が世間ではまかり通っているけれど、これは本当なのか。

ネット上でも「死なない」「いや、死ぬ」と議論が分かれているのを目にするが、真偽を確かめるべく富山県にて『アレス動物病院』を営み、「あなたがウサギに出来ること」という情報サイトも運営されている獣医師・沖田将人先生にお話を伺ってみた。そもそも、うさぎというのは「淋しさ」を感じる生き物なのでしょうか?

「感じていると思います。うちはショッピングモール内にある動物病院ということもあって、飼い主さんがお買い物されている2~3時間のあいだ、うさちゃんを預かることがあるんですね。すると、それまでおとなしくいい子にしていたうさちゃんが、飼い主さんが迎えにきた途端、“足だん”という不満の意をあらわす行動をすることがあります。これは、『なんで独りにしたの!』という淋しさを感じていた証かもしれませんね」

え! そうなんですか。じゃあ、「淋しいと死ぬ」という俗説もあり得るということですか?

「淋しいだけで死ぬ、ということはありません。
しかし、たとえば淋しさや何らかのストレスで食欲がなくなり、ケアをされず放置されていた場合、命に関わることはあり得ます。人間や犬などの場合、食べ物を食べていないときでも胃腸は常に動いているので、水さえ飲んでいれば数日は生きています。しかし、うさぎのような草食動物の場合、24時間以上、何も食べないと胃腸の動きが止まってしまうのです」

とのことで、結論としては、淋しいだけで死ぬことはないが、淋しさからくる食欲不振などで死ぬ可能性はある……ということですね。大変よくわかる説明をありがとうございました……。ちなみに、うさぎにまつわる誤解というのは他にもあるのでしょうか?

「うさぎ=にんじんが好物! と思っている方が非常に多いのですが、医師の目から見るとにんじんはあまり好ましくありません。うさぎに最も必要なのは繊維質なので、究極的には牧草と水だけで充分なんです。
喜んで食べるからといって、果物なども与えすぎるのはよくありません」

とのことでビックリ! 昔、小学校で飼っていたうさぎにはキャベツやにんじん、りんごなどしか与えていなかったような気がするが、あのうさぎたちは長生きできたのだろうか……。先生のサイトには、こういった注意点などが詳しく書かれているのでうさぎを飼っている方はぜひご一読を~。
それにしても、のりピーがどういう前後関係で件のセリフを言ったのかは忘れてしまったが、かわいい女子がうさぎのようないたいけさをアピールする言葉としては今なお有効なのかもしれませんね!?
(まめこ)