春休み、そろそろ熱い太陽が恋しくなってリゾートに脱出! ギラギラと照りつける太陽、青い空、ターコイズブルーの海、そして真っ白な砂浜……。あまりのビーチの美しさに、思わず写真を撮りたくなりそう!

そこで今回はビーチで数多くのウェディングフォトを撮影されているワタベウェディングのフォトグラファー、喜多人門さんにビーチでの上手な記念撮影の仕方を教えていただきましたよ。


「ビーチに限らず人物を撮影するときは、デジカメの“ポートレート”や“人物撮影”といったシーンモードを選ぶと、人物を明るく背景はややぼかして撮ることができ、手ぶれもしにくくなります。またできれば“露出”を少しプラスに補正すると写真全体が明るくなります。さらにフラッシュを使うことで不必要な影を消すことができ、顔が明るくなるのでオススメです」とのこと。
実際に喜多さんに撮り比べていただいたところ、昼間なら周囲が十分明るいので、フラッシュを使ってもギラギラした特有のフラッシュ感がないので安心。少し面倒に感じるかもしれませんが、これだけでずいぶん写真の上がりが変わります!

さらに太陽の位置によっても、ちょっとしたプロのテクニックがあるとか。まず太陽の位置について簡単に説明すると……。

● 順光: 太陽が撮影者の後ろにある
● 斜光: 太陽がモデルさんの前斜め上にある
● サイド光: 太陽がモデルと撮影者の横から当たる
● 逆光: 太陽がモデルの後ろにある
● 半逆光: 太陽がモデルの後ろ斜め上にある
● トップ光: 太陽がモデルの真上にある

「モデルさんに真正面から光が当たる順光は明るく撮影できていいのですが、顔などに影ができないことでやや立体感に欠けてしまいがち。トップ光では影が真下にできるので目の下などに強い影ができます。またご存知のように逆光や半逆光は顔が暗くなりがちですが、実はポートレートを一番きれいに撮れるのは“半逆光”。モデルさんの輪郭を光が覆い被写体をくっきりと浮かび上がらせることができますよ」と喜多さん。もちろんフラッシュ使いが必須ですが、半逆光が人物撮影にいいとは少し驚き!

「サンセット撮影には“夜景モード”が一番。モードを変えるだけで見たままの美しい赤色を再現することができます。
ただ、このモードは全体をくっきりと写す分、逆光の場合は特に人物が暗くなりがち。その場合フラッシュを軽く使うのもいいですが、あえて人物をシルエットとして撮影するのも雰囲気があってオススメ。モデルさんに横を向いてもらったり、モデルさんの影から少し夕陽をのぞかせると、このモードなら四方に矢のように広がる光を撮影することもできますよ」ということで、やはり時間帯によって全然撮影の仕方が違うよう。

さらにワンランク上の仕上がりを目指すなら重要なのが構図。いわゆる“日の丸構図”という、モデルさんを写真の中央にぽんと写すのではなく、画面を縦横に4分割、または縦3分割にしてそのどこかに人物を入れることで、海、空、人物をバランスよく配置し、その場の雰囲気を切り撮ることができます。

「特に旅先で撮影するような場合、一番写したいのは“空気感”。
モデルさんはもちろん、そのモデルさんがいるその場の雰囲気を切り撮ることで“いい写真”を撮影できます。モデルさんがどこかを向いているなら、口の向いている方向に少し余白を作ると余韻を感じる写真が撮れたり、例えばモデルさんに木漏れ日がかかるようにすると、写真には写っていない風になびく木々まで想像できる写真が撮れますよ」と喜多さん。

家族やお友達と一緒に撮る旅先の写真はそれだけでステキですが、せっかくならちょっとプロの業を実践してみることで、さらにぐっと“いい写真”が撮れそうですね。

それでは次回はビーチで記念撮影をするときの、モデルさんに気をつけてもらいたいポイントをご紹介しますよ!
(鶴賀奈穂乃)