
ただのバカかと思いきや、不意に粋なことをする花林
『わにとかげぎす』(TBS系)の第5話は、サブキャラクターの回であった。フォーカスされるは、富岡ゆうじ(有田哲平)の部下である雨川勇(吉村界人)と花林雄大(賀来賢人)、そしてパチンコ店店員の吉岡華(コムアイ/水曜日のカンパネラ)だ。
まずは150万円の報酬に目がくらみ、パチンコ店店長でヤクザの東金直弥(村上淳)宅から金庫を盗み出す計画に参加した花林。彼は、基本的にバカだ。夢に何度も現れた“理想の女性”がテレビのファッションチェックロケに映り込んでいるのを発見し、速攻で上京した夢追い人である。
結果的に雨川と花林は金庫を持ち出すことに成功し、山中で鍵のかかった金庫の扉を開けようと奮闘。その最中、いつもはケンカばかりしている2人のはずなのに、「あとは俺がやっとくから!」と、吉岡が待機している車へ行くよう花林が雨川を促す。
雨川 おまえ、中の物盗む気だろ!
花林 ちげーよ、バカ! おまえ、まだあの女(吉岡)とヤッてねえんだろ? アイツ、山降りたら100パー逃げるぞ。
雨川 ボクは、彼女とセックスしたいわけじゃないよ……。
花林 どっちでもいいけど!
しかし、まぁ、粋なことをするもんじゃないか。花林、ただのバカじゃなかったんだな……。
性悪女・吉岡には事情があった
正直、今までにいいところがまるで見当たらない吉岡。雨川が自分を好きだと知るや、自分の胸を触らせながら東金宅から金庫を運び出すよう依頼。その引き換えに、率先してセックスしようとするアバズレっぷりも披露。
彼女は、金庫の中には自分も含めた女の子たちの痴態が収められたDVDがあり、だから自分たちは逃げられないのだと雨川に説明している。「お願いします、私たちを助け出してください」と懇願したものの、実はそれは嘘八百だ。金庫の中にはDVDなどなく、吉岡の真の目的はお金なのだから。
雨川と花林に金庫を開けさせている間、どこかへ電話している吉岡。彼女は、なぜか中国語だ。
「(中国語で)たぶん300万くらい手に入ると思う。必ず帰るよ、ママ」(吉岡)
車中で、雨川に真相を話す吉岡。
「あの中にエロいDVDとか一切入ってないから! あいつに取られたままになってるパスポートが入ってるの。私、不法滞在の中国人なの」(吉岡)
吉岡は吉岡で、危ない橋を渡るには理由があったのだ。
吉岡への愛を貫き、遂には届いた(?)雨川
ダマされていたことを知った雨川は、なぜか安堵の笑みをこぼす。吉岡が東金から追われることを心配していたが、それが杞憂に終わったからだ。
雨川 じゃあ、大丈夫だね。
吉岡 おまえ、なんで怒んねんだよ。アンタ、ダマされてんだよ私に!? ウソついたら、殴ったり蹴ったりするのが当たり前でしょ。
雨川 そんな事ないよ。ボクは嬉しかったよ。誰かに頼られることなんて今までなかったから。
心打たれた吉岡は、不意に雨川にキス! それぞれにはそれぞれの事情があるが、それらを理解し合うことで通じ合うということか? やはり、人間は善悪二元論では語れない……。
しかしだ。良い側面を見せてベビーターンが図られるや、そのキャラクターにピンチが訪れるのはドラマや映画の定石。金庫を開け、パスポートと中国へ渡航するには十分な札束を手にした吉岡のところへ、猟銃を持った男が歩み寄ってきた。
男は「(お金を)半分ちょうだい」と、吉岡に要求する。「この金はなぁ、てめえら日本の男に搾取された私の体の代償なんだよ。
一方、1人でいた富岡もピンチに陥っている。夜間警備員として勤務するデパートの周りを東金の舎弟らが取り囲み、今にも潜入しようとしてるのだ。遂に、羽田梓(本田翼)へ電話して「俺、今、人生最大にすっごい悩んでます!」と、助けを求める富岡。
これは、期待大か? だって、危機的状況が訪れてその困難に立ち向かう男女の仲が進展するのなんてドラマや映画の定石だもの! ボニー&クライドじゃないけども。
色々な意味でドキドキが待ち受けているであろう『わにとかげぎす』の第6話は、本日深夜に放送です。
(寺西ジャジューカ)