1本のロウソクを出発点に、様々な化学変化の話をした彼の講演は「ロウソクの科学」として出版された。
講演が行われた1861年といえば、日本はまだ江戸時代。何で日本のロウソクがイギリスに?と不思議に思ったが、どうやら鎖国が解かれたこの時期に日本を訪れた人にお土産としてもらったらしい。
和ロウソクは芯に穴があいていて炎に常に空気が供給されるしくみになっている。そのため、炎の燃え方もよく、当時の西洋ロウソクよりも不完全燃焼が少ない。芯は、和紙、真綿、灯芯(藺草のズイの部分)の3つからできていて、灯芯は刈り取った藺草を濡らして一本一本手作業で抜き取るという日本ならではの丁寧な仕事。
確かに和ロウソクは西洋ロウソクにない明るさと炎のゆらめきがある。何でも昔は和ロウソクも彫刻をほどこした美しいものもあったらしい。今では少なくなってしまった和ロウソクだが、今でも当時の技術のままに作っているところもある。派手さはないけれど、何ともいえない温かい炎を作り出す和ロウソクで癒しの時間っていうのもいいかもしれない。(こや)