組み立ておもちゃは昔から人気のある遊びのひとつで、幕末から大正中頃にかけてもブームがあった。たとえば、和紙の上に描かれた錦画などのパーツを切り抜き糊で貼り合わせて立体的に組み立てる“立版古”(たてばんこ)、いわば立体ペーパークラフトもその一つ。
この“立版古”、ただ作るだけでなく、夕涼みの軒先の床机などに豆ランプや蝋燭を点して飾られ、子供だけでなく大人もおおいにその出来映えを競って楽しんだという。立版古という呼び名は、上方での俗称で、正式名称は「切組灯籠」「組上げ灯籠」といい、「組上げ」「組上げ絵」ともいわれる。
立版古作者は、絵師としての腕前だけでなく、限られた紙面の中に要領よく各部分を割り付ける科学的な発想力も必要で、葛飾北斎や歌川国長、豊久なども多くの作品を描いたといわれている。残念なことに子供の遊びの多様化や、出版文化の変化により急速に忘れ去られてしまった。
が、そんな“立版古”が現代に復活した。復活の立役者は国土交通省・近畿地方整備局港湾空港部。小中学生に楽しみながら、港湾に対する興味を持ってもらう方法として立版古に目をつけたという。HPでは港の風景や灯台、クレーンなどが作れる“立版古”ツールを提供しているのだ。誰でも図版をダウンロードでき作品作りにチャレンジすることができる。レバーで動かすことができる簡単なからくりもあってなかなか楽しい。