モダンビルの屋上から眺める、一日90分間のレトロな風景
(上)気持ちのよーい屋上(下)展望台もモダンです
東京都千代田区一ツ橋1-1-1。「1」並びの由緒正しそうなこの地に建つパレスサイド・ビルディングといえば、モダニズム建築20選にも選ばれた、ビル好き、モダン好きにはおなじみの人気ビル。


地下のモールには鉄製のレース編みみたいな階段があったり、スペイシーな雰囲気の円形のエレベーターホールがあったりと、見所たくさんでとってもカッコいいのだが、このビルの「屋上がまたイイ」って話は、あまり知られていないのでは?

屋上が開放されるのは、平日の11時45分から13時15分までの90分間のみ。公園みたいに芝生とベンチが並んでたり、すぐとなりの皇居の緑が見わたせたりと、開放感バツグンの憩いスポットになっているのだ。

このビルが建てられたのは、1966(昭和41)年のこと。屋上からは大手町や銀座周辺の大きなビルがにょきにょきと見えるけど、その頃は「パレスサイドビルより大きいビルはほとんどなかった」のだとか(建築家、林昌二の回想。『モダニズム建築の軌跡』より)。ホームページには、昭和天皇皇后両陛下が、ここからの(我が家の?)眺めを楽しんだという記録も。さぞかしその頃の眺めは良かったのでしょうねえ。

ちなみにこの屋上には、大きな扇形の展望台も当時のまま残っている。展望台に刻まれた名所と実際の風景を見比べてると、もうすでにここからは見えない名所がたくさんあって、ちょっとセンチな気分に……。

ひんやりとした風が、しみじみとした気分を誘うこの季節。この街の変化をずーっと見てきたビルの屋上から、古き良き東京の風景を懐かしんでみるってのも、いいものです。
(矢部智子/アンテナ)
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