黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に星野リゾート代表の星野佳路が出演。観光業界がコロナ禍を生き延びるための「18ヵ月のサバイバルプラン」について語った。
星野佳路
黒木)毎日さまざまなプロフェッショナルの方にお話を伺う「あさナビ」。今週のゲストは星野リゾート代表の星野佳路さんです。よろしくお願いいたします。
星野)よろしくお願いします。
黒木)星野リゾートは国内外45ヵ所の施設を運営されています。2021年を迎えましたが、観光業界、ホテル業界では2020年から続く新型コロナウイルスの影響がまだまだ続きそうではありますけれど、いかがでしょうか?
星野)2020年の4月~5月のときは、私の経営人生のなかでも1~2を争うほどの大変な時期でしたが、ようやくここへ来て、コロナ対応には大分慣れました。
黒木)やはり対策はきちんとなさっているわけですよね?
星野)もちろんです。この時期は少しきつめにお客様にもお伝えしています。エレベーターで密にならないようにしていただいたり、パブリックなエリアではマスクをしていただいています。普段はあまりお客様に「こうしてください」ということは言わないのですが、2020年の夏から徹底してそこは変えています。
黒木)2020年の自粛が始まった4月~6月というのはどのような状況だったのですか?
星野)売り上げが90%減でした。星野リゾートにはいま3000人の社員がいるのですが、その3000人の給料を毎月払わなくてはなりません。毎月大赤字という状態です。私は長期的に「18ヵ月のサバイバルプラン」というものをつくりました。
黒木)18ヵ月サバイバルプラン?
星野)はい。
黒木)「もうコロナ対策は乗り越えた」とおっしゃっていますが、やはりそういう経験が活きたのですか?
星野)そうですね。
黒木)観光業界の方々は、星野さんのように長期で考えてやって行く方がいいということですか?
星野)そうですね。
黒木)あと少しですね。
星野)あと少しなので、私たちはこのパターンを繰り返して何とかこの波を乗り越えられるのではないかと思っています。
星野佳路
星野佳路(ほしの・よしはる)/星野リゾート代表
■1960年、長野県軽井沢町生まれ。
■慶應義塾大学経済学部卒業後、米国コーネル大学ホテル経営大学院修士課程修了。
■1991年、星野温泉(現在の星野リゾート)社長に就任。所有と運営を一体とする日本の観光産業でいち早く運営特化戦略を取り、運営サービスを提供するビジネスモデルへ転換。
■2001~2004年にかけて、山梨県の「リゾナーレ」、福島県の「アルツ磐梯」、北海道の「トマム」とリゾートの再建に取り組む一方、星野温泉旅館を改築し、2005年「星のや軽井沢」を開業。
■現在、運営拠点は、ラグジュアリーブランド「星のや」、温泉旅館「界」、リゾートホテル「リゾナーレ」、都市観光ホテル「OMO(おも)」、ルーズに過ごすホテル「BEB(ベブ)」の5ブランドを中心に、国内外45ヵ所に及ぶ。
■2013年には、日本で初めて観光に特化した不動産投資信託(リート)を立ち上げ、星野リゾート・リートとして東京証券取引所に上場させた。
■2020年、星野リゾートは創業106周年を迎え、「星野リゾート BEB5土浦」(茨城県・土浦市)」や「星のや沖縄」など、新たに5施設を開業。