【「東京・芝1600m」で3割近い勝率を誇る牝系】

 6月7日(日)、東京競馬場で3歳以上馬によるGⅠ安田記念(芝1600m)が行なわれる。

 春の古馬マイル王を決めるこのレース。昨年の覇者ジャンタルマンタルこそ不在だが、昨年の安田記念とGⅠマイルチャンピオンシップ(京都・芝1600m)でジャンタルマンタルに次ぐ2着に入ったガイアフォース、昨年のGⅠNHKマイルCを勝ったパンジャタワー(東京・芝1600m)、一昨年のGⅠ桜花賞(阪神・芝1600m)を勝ったステレンボッシュなど強豪が揃った。



 それでは、このレースを血統的視点から分析していこう。今回、筆者が血統面から本命視するのはトロヴァトーレ(牡5歳、美浦・鹿戸雄一厩舎)だ。

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 同馬は今年に入り、GⅢ東京新聞杯(東京・芝1600m)、GⅢエプソムC(東京・芝1800m)と連勝。昨年のGⅢダービー卿CT(中山・芝1600m)と合わせて、重賞で3勝を挙げている。

 トロヴァトーレは昨年も安田記念にも出走して17着と大敗した。ただ、当日は10kg減の馬体重で、道中で折り合いを欠いたところもあったため、あまり気にする必要はないだろう。東京・芝1600mでは4回出走して2勝、2着1回。2着になったレースもハナ差と内容が濃い。

 何より、牝系がこの東京・芝1600mと好相性だ。曽祖母ソニンクから広がる一族はこのコースで38戦して11勝で勝率28.9%。2着は5回、3着は6回と、連対率42.1%、複勝率57.9%という成績を残している。

 安田記念を連覇したほか、GⅠヴィクトリアマイル、GⅡ富士Sなど重賞5勝を挙げたソングラインの存在が大きいのは確かだが、ほかにもトロヴァトーレを含む5頭が勝利している。

東京・芝1600mの重賞レースに限ると11戦6勝で勝率54.5%、連対率と複勝率は63.6%というさらに高い数字になる。

 父レイデオロはGⅠ日本ダービー(東京・芝2400m)、GⅠ天皇賞・秋(東京・芝2000m)を勝ったキングカメハメハ産駒。レイデオロの代表産駒は、ともにGⅡ阪神大賞典(阪神・芝3000m)を勝ったアドマイヤテラ、サンライズアースなど長距離タイプも目立つ。しかし今年は産駒が好調で、ダート重賞のGⅢアンタレスS(阪神・ダート1800m)をムルソーが勝つなど、活躍の場が広がっている。繁殖牝馬によって異なるタイプを出すようで、この特性はキングカメハメハの万能性を継承しているようだ。

 レイデオロの母の父、シンボリクリスエスの血もポイントのひとつ。前述のソングラインの母の父であり、直仔からは2012年の安田記念を勝ったストロングリターンが出ている。キングカメハメハ産駒からも2013年の勝ち馬ロードカナロアが出ているため、東京・芝1600mへの高い適性を秘めているはずだ。

【もう1頭はNHKマイルC勝ち馬】

 もう1頭はパンジャタワー(牡4歳、栗東・橋口慎介厩舎)を推す。この馬もトロヴァトーレと同じく、曽祖母がソニンク。伯父に、日本ダービー馬ロジユニヴァースがいる血統だ。

 パンジャタワーは、前述のように昨年のNHKマイルCの勝ち馬。

当時は9番人気とそれほど人気はなかったが、1分31秒7の好タイムで4角9番手から差しきった内容はフロックではない。その勢いのまま、続くGⅢキーンランドC(札幌・芝1200m)も勝利した。

 それ以降は勝利がないが、今年はサウジアラビアのGⅡ1351ターフスプリント(芝1351m)で5着、GⅠ高松宮記念(中京・芝1200m)4着と大きくは崩れていない。東京コースは2歳時のGⅡ京王杯2歳S(芝1400m)など2戦2勝。昨年の勝ち馬ジャンタルマンタルも前年のNHKマイルC勝ち馬だったが、それに続きたいところだ。

 以上、今年の安田記念は、トロヴァトーレ、パンジャタワーのソニンク牝系の2頭に期待する。

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