バラエティ番組『トリビアの泉 ~素晴らしきムダ知識~』の影響から、「取るに足りないさま、些末的」を指す“トリビア”という単語は、「つい人に教えたくなってしまうような雑学・知識」という意味でも定着しました。私たちが普段なにげなく視聴しているアニメにも、こういったトリビアは多数存在しています。


【アニメトリビア10選】と題してアニメに関するトリビアを紹介する本企画シリーズ。今回は最新シリーズが放送中の『ルパン三世』を取り上げます。

■1.ルパンの“あの顔”は素顔ではない
ルパンの容貌といえば、“猿顔”・“短髪”・“長く濃いもみあげ”、などの特徴がありますが、原作の設定では“あの顔”は素顔ではなく変装とのこと。おまけに声も偽っているそうで、本当の容姿どころか年齢や性別までもが一切不明のようです。

■2.ルパンは元々ロン毛だったが、手間がかかるため短髪に変更された
そして彼の特徴のひとつである“短髪”ですが、これは原作者のモンキー・パンチ直々に「元々は長髪だった」ことを明かしています。
連載開始当時(1967年)人気だったビートルズにあやかって長髪にしたものの、連載の締め切りに間に合わせるため修正液で短髪に直したそうで、「長髪だと1コマ5分くらいかかっていたものが短髪なら30秒で描ける」ようになったということです。

■3.『ルパン三世』は『トムとジェリー』の影響を受けている
アニメ化40周年を記念したファンイベントにおいて、モンキー・パンチが披露した裏話ですが、『ルパン三世』誕生にあたり「子どものころから好きだった『トムとジェリー』の要素を取り入れた」とのこと。
たしかに、ルパンと銭形は「仲良くケンカしな」の関係そのもの。また、スパイアクションの金字塔『007』も同じく作品の土台になっているとのことです。

■4.ルパンと不二子の間には“ルパン小僧”という子どもがいる
1975年~1976年にかけて「週刊少年アクション」で連載されていた『ルパン小僧』では、モンキー・パンチ自らの手によって“ルパンと不二子の間に生まれた通称ルパン小僧”の活躍が描かれました。いわく「あまり描きたいテーマではなかった」とのことですが、掲載誌が廃刊になったため18話限りで終了に。
当時は「もうこれで描かなくて済む」と思ったそうですが、“つまりはルパン四世にあたる”として今なお公式設定ではあるようです。


■5.ルパンの子孫“ルパン8世”も存在していた……が、お蔵入りに
また1982年ごろには、ルパン三世から5代後にあたる子孫という設定の“ルパン8世”が企画され、日仏の合同で制作されていたことがありました。
その内容は、宇宙旅行が当たり前になった22世紀を舞台に、ルパンだけでなく次元、不二子、五ェ門、銭形それぞれの子孫が登場し、ルパンはシャーロック・ホームズの子孫“ホームズ8世”のもとで私立探偵を装いながら先祖同様に泥棒として暗躍している……といったもの。
残念ながら著作権の問題をクリアできずにお蔵入りとなってしまいましたが、当時のアニメ雑誌には紹介記事が掲載されており、さらに2012年になってようやく現存分が陽の目を見たようです。

■6.ルパン一味に“ハンマーの岩鉄”という男がいたことがある
ルパンと行動をともにする“ルパン一味”といえば、早撃ち0.3秒の天才ガンマン・次元大介、斬鉄剣を自在に操る居合の達人・石川五ェ門、そしてルパンさえも手玉にとる謎の美女・峰不二子という面子がお馴染み。
実はこのほかに、アニメシリーズのごく初期には、次元に集められた“ハンマーの岩鉄”なる協力者がいたことがあります。その名の通りハンマーを使いこなす禿頭の強面な男なのですが、登場はわずか2回ほどでした。

■7.ルパンと銭形は同じ大学の先輩・後輩関係
原作に詳細を描いたエピソードが存在していますが、ルパンは“東西京北大学”の電子医学部に籍を置き、「義賊部」というサークルを設立していた過去を持っています。そして、なんと銭形も同じ“東西京北大”の法学部出身で、ルパンの3年先輩にあたるとのこと。ちなみに不二子もこの“東西京北大”出身で、ルパンと同じ電子医学部生だったようです。

■8.ルパンのジャケットが赤いのは、モンキー・パンチが原作のカラー原稿で咄嗟に赤に塗ったから
ルパンのファッションといえば、スキニーパンツとカラフルなジャケット。
最新作『ルパン三世 PART5』では鮮やかなブルーを羽織っており、過去には緑、ピンク、白、オレンジ、深緑と様々な色合いのジャケットを着用していたことがあるルパンですが、赤ジャケットが一番印象深いという人が多いのではないでしょうか。
この赤ですが、原作の連載中にカラー原稿を頼まれたモンキー・パンチが、当時の少ないカラーバリエーションから咄嗟に赤を選択したことから定着し、そのままアニメにも踏襲されたとのことです。


■9.アニメに『天才バカボン』の“バカボンのパパ”が登場したことがある
『深夜!天才バカボン』のタイトルで、2018年7月より18年ぶり5回目のTVアニメ化が決定している『天才バカボン』から、主人公の“バカボンのパパ”が『ルパン三世』に登場したことも。
1977年から1980年にかけて放送された第2シリーズの第73話「花も嵐も泥棒レース」というエピソードで、逃げ惑う群衆の中にあの小柄なハチマキ&腹巻姿を確認できます。

■10.アニメに『ベルサイユのばら』回がある
“バカボンのパパ”登場と同じ第2シリーズには、なんと『ベルサイユのばら』回も存在しています。
そのエピソードは、第101話「ベルサイユは愛に燃えた」。貴族社会の復活を企む秘密結社「黒百合党」に所属しているオスカルが、とある理由から石化してしまった永遠の恋人・アンドレのもとへ行くためルパンと手を組む……という筋書き。アニメ100回を記念したシナリオ公募作品として制作されたそうで、アニメでは唯一の友情出演になるそうです。

『ルパン三世』
原作:モンキー・パンチ (C)TMS・NTV
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