rimOnOとは、先述のとおり、柔らかいボディの電動自動車。サイズは全長2.2m、全幅1.0m、全高1.3mと小ぶりで、車両重量は320kgと車にしては超軽量。最高時速は45km、走行距離は50kmが目標だ。乗車定員は大人二人、または大人一人と子ども二人。電動アシスト自転車のような交換式バッテリーを動力源にしている。
発案したリモノの伊藤慎介代表取締役社長CEOは、「高齢になっても要介護者の送迎や生活環境など、さまざまな事情で運転免許を手放せない人は少なくない。そうした人でも安心して乗ることができる車として開発した。また、ちょっとした運転ミスで車に小さな傷をつけてしまう場合は多い。そのような、小さい事故に遭遇しても、布製のボディなら被害を和らげることができる」と開発コンセプトについて話す。
●外観は柔らかく、可愛らしく
ボディに触れてみると、少し硬いスポンジのような感触で車とは思えないほど柔い。フレームは金属製。
タイヤにはバイク用タイヤを採用してコストを抑えた。手入れの手間を軽減するため、樹脂製のエアレスタイヤの採用も検討していたという。
●内装は危険を排除した設計
足腰が衰えても乗り込みやすいように、運転席は回転式になっている。乗り降りの際は横に向けることで座りやすく、そして立ち上がりやすい設計だ。座ってから座席の下にあるノブを回すとロックが解除され、方向を変えることができる。座る前は足元が狭いと思っていたが、実際に座ってみると足を伸ばすことができるほど広い。それどころか、いくら伸ばしてもアクセルもブレーキも見つけることができない。
それもそのはず。アクセルやブレーキはバイクと同じバーハンドルに集約されているため、足元にはなにも設置していないのだ。
フロント部分には、カーナビ代わりのタブレット端末スタンドや、USB端子を備える。スピーカーを接続すれば、好みのステレオ環境を整えることができそうだ。後部座席の下にはバッテリーが積まれているほか、座席を倒せば少し大きな荷物も積みこむことができる。
ショールームの中で車両を押してもらいながらハンドルを切ってみると、素直に曲がることができた。バーハンドルで車を運転したことはないが、これなら初めてでも安心して運転することができそうだ。
実証実験でもrimOnOは好評で、「ことあるごとに商品化について、多くの問い合わせが寄せられる。開発を休止した後も連絡が入るほど」と伊藤社長は話す。特に、70代後半でも運転しなければならない人、そうした人の家族、年配の要介護者を抱える人などからが多いという。「需要はあるが、応えることができないのはもどかしい」(伊藤社長)。
「量産も想定して、ベンチャー企業でも作りやすいように素材や設計を工夫していた」と、伊藤社長は明かす。
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