テレビ東京毎週木曜の深夜ドラマ枠第6弾となる、「DIVE!!」が、2021年4月14日より放送スタートした。

直木賞受賞作家・森絵都のベストセラー小説をドラマ化した本作は、所属するダイビングクラブの存続のために、飛込競技でオリンピックを目指す高校生たちの挑戦と友情を描いた青春ドラマ。HiHi Jets/ジャニーズJr.の井上瑞稀、髙橋優斗、作間龍斗がトリプル主演。本記事では毎週放送後に本作の魅力を紐解いていく。

もくじ

・第1話あらすじ&感想

・第2話あらすじ&感想

・第3話あらすじ&感想

・第4話あらすじ&感想

・第5話あらすじ&感想

・第6話あらすじ&感想

・第7話あらすじ&感想

・第8話あらすじ&感想

・第9話あらすじ&感想

・第10話あらすじ&感想

・第11話あらすじ&感想

・第12話あらすじ&感想

・「DIVE!!」作品情報

第1話あらすじ&感想

第1話のあらすじ




高さ10メートルから時速60キロ、わずか1.4秒の空中演技の美しさと正確さを競い合う水泳・飛び込み。ミズキダイビングクラブ(通称:MDC)に所属する高校1年生の坂井知季(井上瑞稀)は、毎日練習ばかりの日々に疑問を感じていた。

一方MDCでは、次期オリンピックの最有力候補の富士谷要一(作間龍斗)が取材を受けていた。要一は父・敬介(村上淳)がコーチで、親子2代でのオリンピック出場を目指していた。

ある夜、知季は、自主練習中の要一と出くわす。「オリンピックで金メダルを取るためなら、なんだってやる」という強い決意を聞いた知季は、その目標の高さに圧倒されてしまう。

同じ時、断崖絶壁に立つ青年(高橋優斗)の姿が...。

そんな中、MDCに新任コーチ・麻木夏陽子(馬場ふみか)がやってくる。知季の飛び込みを見た夏陽子は知季に衝撃的な一言を告げる。
誰も見たこともない、その一瞬へ――身体一つを武器に、その一瞬にすべてを賭けた少年たちの熱い戦いが今、始まる――!

第1話の感想|「ジャニーズ起用のスポ根」で敬遠は、あまりにもったいない

10mの高さから時速60kmの速さで水面へ。そのたった1.4秒の世界で勝負する、水泳・飛び込みを題材にした今作。一言で表現するなら、“ジャニーズJr.を起用したスポ根ドラマ”だ。だけど、もしそれだけでこの作品を敬遠してしまう人がいたら、それはちょっともったいないんじゃないかと思う。

主演を務める井上瑞樹、髙橋優斗、作間龍斗はHiHi Jetsのメンバーで、今最も勢いがあるといっても過言ではないアイドルだ。ステージ上で歌い踊る彼らは、キラキラ輝いている。でも、ライブのMCやYouTubeなど人間性が垣間見えるコンテンツに目を移せば、また違った姿が見て取れる。かっこいいだけじゃない、“人間”としての彼らがいる感じ。

それぞれの役もまたしかりだ。井上演じる知季はリア充であるものの何だかうだつの上がらない感じがするし、髙橋演じる飛沫は絶壁に立つ勇ましい姿こそあれどうやら天然だし、作間演じる要一はたゆまぬ努力によって得た才能を持つ孤高の存在。そこにいるだけで周囲をキャーキャー言わせるわけではない(そしてもちろんそんな描写もない)。どこかにいそうな高校生を、等身大で見事に演じている。一度そのキャラクターに触れれば、きっと今後の成長を見ていたいと思うはずだ。

忘れてはならないのが、森絵都著「DIVE!!」が原作であるという点。面白くないはずがないのだ。それに加え、笑えるシーンが随所に散りばめられているのもよかった。MDC(ミズキダイビングクラブ)に通う知季、レイジ、陵の3人組のシーンは「馬鹿だなぁ」と言いながらずっと見ていたくなるし、知季や弟の弘也(前田旺志郎)ら家族が食卓を囲むシーンは「家族っていいな」と思わされる。メリハリが利いていて、見ていて飽きない。

また、スポーツを扱ったドラマは痛快で心地いいものが多い。しかし、その競技に馴染みがないと共感が薄まってしまうこともある。でも、このドラマは大丈夫。劇中に登場するお笑い芸人・かもめんたるの2人がネット記者としてルールを解説してくれるのだ。どんなことが求められる競技なのか? どこが難しいのか? そういった部分への理解を深めるのに一役買ってくれる。

“令和版”と銘打つ通り、おしつけがましくない、テンポのいい作品に仕上がった。時に笑い、時に手に汗握りながら、引き続き楽しみたい。

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--{第2話あらすじ&感想}--

第2話あらすじ&感想

第2話のあらすじ




ミズキダイビングクラブ(通称:MDC)に所属する高校1年生の坂井知季(井上瑞稀)は新コーチの麻木夏陽子(馬場ふみか)から「一緒にオリンピックを目指してみない?」と声をかけられ、戸惑う知季。

後日、改めてMDC全員の飛び込みを見た夏陽子は、「基礎がなっていない」とMDCのエース・富士谷要一(作間龍斗)以外の全員に厳しい陸上トレーニングを課す。
トレーナーの小宮静人(大東駿介)による厳しい練習が始まるが、知季は夏陽子から「そろそろあなたの本気が見たい」と言われ…。

一方、MDCの絶対的エースである要一はコーチに目をかけられている知季に複雑な思いを持っていた。さらに、知季と仲の良かった丸山レイジ(望月歩)、大広陵(佐久本宝)たちともギクシャクしてしまう。そんな中、夏陽子がクラブに沖津飛沫(髙橋優斗)という謎の少年を連れてくる…。

第2話の感想|青春時代の心の機微って、繊細だ

登場人物たちの紹介的な1話を経て、じわりと物語が動きはじめた第2話。前回も思ったけど、飛び込みや筋トレのシーンなど、このドラマはカットの入れ替わり方がすごくおしゃれだ。見ていると、こういう描写にも知季の心の揺らぎが表現されているように感じる。

知季の心の揺らぎ、それが今回のテーマだろう。馬場ふみか演じる麻木コーチの「そろそろあなたの本気を見せてくれない?」という挑発ともとれる言葉に対して、ひたすらに困惑する知季。自分はチームの中でも落ちこぼれと思っていたようだから、その反応はごもっともだ。そんな中、突如はじまる俺専用メニュー、その名も“オリンピックへの道”。いやいや、正直こんなの本気で困ると思う。学生スポーツはたしかに大きな目標を持つことに意味があるとは思うけど、夢を見るにしたって限度がある。コーチ、頼むからあなたが知季をそこまで買っている理由を先に教えてあげてくれよ…と突っ込んだ視聴者も多かったのではないか。

でも、そんな知季をたきつけようとしたのか、はたまた余裕の表れなのか、「お前が無理って言うなら無理だろうな」と要一。君たち、ほとんど年の変わらない高校生ですよね? と、大人すぎる要一に驚きつつ、すごくいいことを言うじゃねーかと感心してしまう。

MDCメンバー間のいざこざにしてもそうだ。知季、レイジ、陵の仲良し3人組だったが、知季に別メニューが与えられたことで亀裂が入ってしまう。きっと彼らは、知季のことを、横並びかあるいは少し下に見ていたんだろう。だから特別扱いが許せず、嫉妬が生まれた。高校生たちの心って、本当に繊細だ。だが、ここでも要一は「朝練のひとつでもやってから言え。トモはやってたぞ」とさらりと口にする。本人はもしかしたら不平不満ばかりの奴らにイラっとしただけかもしれないが、フラットなものの見方と歯に衣着せぬ物言いは結果的に知季を救う。

 …はずなのだが、それに対する知季の態度が余計に切なかった。「俺を強化してチームを底上げしなきゃって思ってるんだよ」。こともあろうに、なぜ自分のことを卑下してしまうのか…。麻木コーチは知季の性格を見越した上で、この弱く優しい心根を正そうとしているのかもしれない。いや、そうであってほしい、と思う。

3人組のわちゃわちゃが少なかったのは残念だったが、笑いの量とテンポ感が変わらず楽しめたのは、今回から登場した大東駿介演じるトレーナー・小宮のおかげかも。あまりにハイテンションでコメディ要素も強く驚いたが、個人的にはセリフのテンポが上がって好きだ。関西弁もいい。

 今作の特徴ともいえる細かいカット割。その中で度々挟まれる、水中を浮遊する知季は、まさに今の心の状態を表しているのだろう。ここから彼はどうやって浮上してくるのか。その時にどんな顔をしているのか、今後の成長に期待が高まる。

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--{第3話あらすじ&感想}--

第3話あらすじ&感想

第3話のあらすじ




ある日、コーチの麻木夏陽子(馬場ふみか)がミズキダイビングクラブ(通称:MDC)に沖津飛沫(髙橋優斗)を連れてくる。

飛沫はある思いを抱え、津軽から単身やってきたのだった。

飛沫の飛び込みを見た坂井知季(井上瑞稀)や富士谷要一(作間龍斗)たちは…。
一方で知季は夏陽子の行動によって、MDCの丸山レイジ(望月歩)や大広陵(佐久本宝)たちとギクシャクし、練習を休んでしまう。

そして練習をサボった知季に夏陽子は競技を続けるのか辞めるのか厳しい選択を迫る。
そんな悩める知季の前に要一が現れ…。

第3話の感想|ついに! MDCにHiHi Jetsの3人がそろった!


今回から、やっとやっとHiHi Jetsの3人がMDCにそろった…! 髙橋優斗演じる沖津飛沫の飛び込みを見て、思わず「かっこいい…」と呟く知季(井上瑞樹)が、なんともかわいくて頬が緩んだ。要一(作間龍斗)の冷静に分析している感じもいい。

しかし、知季にとっては試練が続く。麻木コーチ(馬場ふみか)が飛沫らを特別扱いすることに、レイジ(望月歩)と陵(佐久本宝)は腹を立て、要一の父である富士谷コーチ(村上淳)に、「贔屓ですよ」「気に入った生徒しか興味ない」と異議を申し立てた。さらに、ひたすらに自らを謙遜する知季に対しても、相変わらずイライラを募らせる。口論の末、本格的に仲違いをしてしまったようで心苦しけど、みんなで楽しく飛び込みができればいいのかと思っていたから、本気度が垣間見えてよかった。

ただ、案外知季は“みんなで”が大事だったらしい。レイジと陵とのいざこざを機に、練習をさぼり始める。そして、麻木コーチに「何で飛び込みやっているのかな?」と疑問に感じていることをぶつける。そこは家まで来てくれるほど、実は生徒思いのコーチだ。しっかりと考える時間をくれた。「誰もあなたに飛び込みをしなさいなんて言わない」という、手厳しい言葉を残して。

彼女である未羽(田鍋梨々花)だって応援してくれている。思い悩んでいそうな知季をデートに連れ出し、話を聞く。アスリートであろうとなかろうと、こんな彼女がそばにいるってとても恵まれているんじゃないだろうか。そして、皮肉なことに知季がやっと笑顔になった話題が飛び込みだった。未羽は、飛び込みをやってる知季が好きなのはもちろん、知季自身が飛び込みが好きなことをちゃんと分かっていたんだろうな、と思う。

それでもまだ浮上できない知季に、思わずがんばれ…! とこぶしを握ってしまった。そんな中、呼び出してくれる要一(スーパー優男!)。彼の紡ぐ言葉はあまりにも力強く説得力に満ちているが、同時にとても孤独だった。

「強いんじゃない、強くなるために努力してるんだ」
「勝てば勝つだけ孤独になる」
「孤独の先には計り知れない喜びがある。そう信じて勝ち続ける」

勉強でも仕事でも、あるいは恋愛でも、何かで自分だけが選ばれた経験のある人なら共感できる言葉ばかりだろう。知季の心にも響いたはずだ。

そう、知季には戦わなきゃいけない時が来た。周りの人たちが次々フラッシュバックし、そして、水面に浮上する。“すっきり”した顔で。知季が水中でもがいているシーンで一緒に息を止めてしまい、ここまで苦しかったな、と知季の心と自分の呼吸が重なってしまう。いい顔してるな、飛び込み台を見つめる表情が、眼の光が、全然違う。物語は、まだ始まったばかりだ。

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--{第4話あらすじ&感想}--

第4話あらすじ&感想

第4話あらすじ



飛び込みを続けると決意した坂井知季(井上瑞稀)とMDCのメンバーに、コーチの麻木夏陽子(馬場ふみか)は驚くべき提案をする。沖津飛沫(髙橋優斗)はある目的のため受け入れるが、富士谷要一(作間龍斗)は反発。

一方、知季は自分がオリンピックを目指すことに未だ悩んでいた。
すると夏陽子は知季には要一や飛沫にないある才能を持っていると言う。

大会まで残り3ヶ月、夏陽子は知季に新技への挑戦を言い渡す。夏陽子の思惑とは一体...?

そんなある日、夏陽子の命令で知季、要一、飛沫の3人でとある場所に向かうことに。

第4話の感想|永遠に見ていられそうな男子高生3人のオフを経て、いよいよ…!


「インターハイを諦めてもらう」という麻木コーチ(馬場ふみか)の衝撃の一言で終わった前回。理由は9月のオリンピック選考会に照準を合わせるため。素人なのでよく分からないが、どうやら両方に向けて調整するのは難しいらしい。要一(作間龍斗)が教えてくれた。

さて、これまでほとんどオリンピックなんか意識していなかったであろうMDCのメンバーたちだが、陵(佐久本宝)とレイジ(望月歩)はやる気のようだ。たしかに、ワンチャンやってみっか! というのも分からんではない。でも、知季(井上瑞稀)は4回半をやれと言われて動揺する。いや、本当に麻木コーチが知季のことを買っている理由を早く教えてあげてほしい。「要一にも飛沫(髙橋優斗)にもない才能」なんて、そんなじれったい言い方しないで…!

4回半習得のための基礎練習をせっせとこなす知季を尻目に、バンバン飛び込みまくる要一と飛沫。ただ、飛沫はやっぱり入水が課題のようだ。「要一を見習え!」なんて注意、大層腹を立てるんじゃないかと思ったけど、「お前スゲーんだな」とあっさり認める。…ん? 意外と素直なんだね? でも、おじいちゃんから教わった飛び込みは修正したくないらしい。この人の優先順位というか、大事にしているものが明確で信頼できる。

日々厳しい練習をこなす様子に、このドラマがスポ根だったことを思い出す。ここまで、MDCの選手たちの心の様子の方にばかり目が向いていたせいだろう。それくらい、演じている俳優陣の動きや表情が繊細で見応えがあるのだ。そしてついに、選考会まであと35日。心なしか知季を演じる井上瑞稀の体がしまったように感じた。ただ、彼はまだ4回半成功の糸口を掴めていない。

そんな中、麻木コーチから与えられた束の間のオフだったが、飛沫の水着選びに要一と知季が付き添うことに。陵、レイジと仲違いしてから、知季の孤独がちょっと目立ってしまっていたが、久しぶりに仲間とじゃれている様子に和んだ。男子高生3人のオフ、ずっと見ていたいと思った視聴者も多かったはず。願わくばこれで1本スピンオフを作ってほしい。

そして練習再開。すると、ついに手応えを掴んだらしい知季。いよいよ、彼らの本当の挑戦が始まるのね…! と思いきや、これまでプールよりもドラマが起こりがちだった更衣室で、今度は突然飛沫が倒れてしまった。体調不良? いったい何が起きたのだろうか。続きが気になりすぎる!

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--{第5話あらすじ&感想}--

第5話あらすじ&感想

第5話あらすじ



坂井知季(井上瑞稀)は、難易度の高い技の練習がうまくいかず、何度も失敗してしまう。

知季の様子を見た富士谷要一(作間龍斗)は麻木夏陽子(馬場ふみか)に新技への無謀なチャレンジは知季の為にならないと文句を言うが、夏陽子にはある確信があり....。

一方、知季はロッカールームで倒れてしまった沖津飛沫(髙橋優斗)を心配するが...。

そして、要一自身も知季と飛沫の2人に触発され、高度な技にチャレンジしたいとコーチの富士谷敬介(村上淳)に申し出る。

さらに、失敗続きで弱気になっている知季に夏陽子はあるアドバイスをする。

第5話の感想|“ダイヤモンドの瞳”、開眼!色んなものが見えた第5話 


前回最後に更衣室で倒れてしまった飛沫。どうやら腰が痛いらしい。その後普通に歩いてはいたものの、以前コーチ陣が「修正をしないと怪我に繋がる」と話していただけに、非常に不安だ。

そんな中ついに、知季が実際に飛び込み台から4回半に挑戦する。だが、やはり最初はなかなか上手くいくものではない。不完全なまま飛び込んだ衝撃で打ち付ける肩を押さえる様子がすごく痛々しい。
でも、麻木コーチが知季を買う理由がはっきりした。これまでも「目」ということをちらつかせてはいたが、つまりは「動体視力」だった。知季はすれ違う電車の乗客の服装や表情なども見極められるらしい。見えない側のわたしからしたら、それってめちゃくちゃ疲れてしまいそうだけど、見える側の知季にとっては当たり前のことだから、それがすごいことだとすら気づかなかった。そんな目のことを“ダイヤモンドの瞳”というらしい。今回の飛び込みの前、知季のアップで瞳の綺麗さがすごく印象に残ったけど、そういうことだったのか…! そして異常なほど飛び込みに集中する知季は、ついに4回半をモノにした。

 一方、着々と前進する知季と飛沫に対して、自分のやり方に不安を感じ始める要一。この人もまた人の子だったのだなと分かる。どこか浮かない表情でプールを出る要一に、麻木コーチは悩んでいることを感じ取り、アドバイスを送る。しかも、ちゃんと答えを見つけさせた。本当にこのコーチは有能なのだ。

これまで、先を行く知季に嫉妬し、要一にアドバイスを受ける飛沫を見ては「ライバルにもアドバイスするんだね」と皮肉を言っていた陵とレイジ。正直、憎たらしさにちょっと嫌いにすらなりそうだったけど、自分たちも4回半に挑戦しようとして、初めて知季のすごさが身に染みたらしい。たしかに、同じことをしてみて初めて見えてくるものってある。話しかけてきた時はまた憎まれ口でも叩くのかと思いきや、ちゃんと謝罪してくれた。「ガキみたい」と、本人に自覚があったようで何よりだ。5話にしてようやく、走り出した無邪気な3人の背中を笑顔で見送れた。

さて、次回はいよいよ選考会。知季に放置されている未羽の悲しげな顔も気になるが、知季には結果を出してこの不安もまとめて払しょくしてほしいところだ。

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--{第6話あらすじ&感想}--

第6話あらすじ&感想

第6話あらすじ


選考会でオリンピック強化選手の座を狙い、互いに火花を散らし合う坂井知季(井上瑞稀)、富士谷要一(作間龍斗)、沖津飛沫(髙橋優斗)の3人。

飛沫は豪快なダイブを決め、予想外の高得点をたたき出し、要一はいつもの完璧な演技で好調なスタートを切る。一方の知季は巻き返しをはかる秘策を抱えて、試合に挑んでいた。

それぞれ思いを抱えたダイブは果たして?

しかし、試合中の飛沫に思わぬ事態が...!

第6話の感想|三者三様の悔し涙、勝負の世界は残酷だ


ついに強化選手に選ばれるか否かが決まる選考会当日。冒頭から富士谷コーチと小宮コーチ、要一や飛沫らMDCのメンバーによる緊張と弛緩がすごい。むしろ今日こそは緊迫感で張り詰めていてもいいはずなのに、いつも以上にメリハリがある。でもそれが逆に、極度に緊張した時のふわふわした感じにも似ているようで、不思議な感覚になった。そして、第1話以来久しぶりに登場したかもめんたる…! 解説、待ってました。

ぽんぽん飛び込んでいく選手たち。デッドヒートなのか、それとも誰かの独壇場なのかは、このシーンだけでは残念ながらよく分からない…。ちょっとだけもやっとした時間が続く。解説曰く、頭一つ飛び出した要一以外は団子状態とのこと。ここで、まずは飛沫が持ち味を存分に生かした飛び込みを披露、直後にガッツポーズを決めた。最初はあまり心を開いていない様子だった彼から、こういうストレートな感情表現が出てくるとうれしくなってしまう。以前から痛めていた腰を押さえ、心配して駆け寄った麻木コーチへの一言もそう。「知季と要一、見ててやれよ」って、なんかちょっとイケてて面食らってしまった。たまに出る天然ボケはどこへ行ったんだろう。そして要一が完璧な飛び込みを見せ、文句なしの首位をキープ、残るは知季1人…。

飛び込む前、見ていて思わず唾を飲み込んだ。この頃には、たった10数分前の冒頭での緊張と弛緩なんてすっかり忘れてしまっていて、本当の試合を見ているかのような気持ちになった。麻木コーチは、「あとは入水だけだった」と励ましたけど、「ダメなものはダメ」と悔し涙を流す知季がものすごく頼もしくもあった。この子のこんな顔は初めて見た。月並みな表現だけれど、スポーツってものすごいパワーを秘めている。努力は必ず報われるとは限らないけれど、でも、頑張らなければこんな涙は流せない。自分の人生で、こんなに悔しさを感じたことはあっただろうか、と振り返らずにはいられなかった。

結果からみれば強化選手には選ばれないと思われた知季だったが、なんと後日、メンバー入りを果たしたことが伝えられる。だけど、この影で悔し涙を流している人がいた。腰を痛めていることを理由に、飛沫が強化選手を辞退させられていたのだ。あまりの悔しさに、声を上げて泣き叫ぶ飛沫が痛々しい。さらに、知季と仲直りしたばかりの陵もまた、飛び込みを辞める決意をしたのか涙をこらえるシーンがあった。悔しさをひた隠し、笑顔で知季やレイジとじゃれる姿が同じくらい痛々しく、切ない。

選考会という大きな節目に、それぞれが新たなステージに進んだようだ。1話の時からは比べられないくらい、MDCメンバーたちの飛び込みや仲間への向き合い方もぐっと大人になった。そして何より、みんながそれぞれの悔しさや自分への失望に涙を流す今回は、勝負の世界の残酷さが際立つ回だった。

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--{第7話あらすじ&感想}--

第7話あらすじ&感想

第7話あらすじ



選考会を終え、富士谷要一(作間龍斗)と自分がオリンピック強化選手に選ばれたことに、納得がいかない坂井知季(井上瑞稀)。
そんな知季の前に沖津飛沫(髙橋優斗)が現れ...。

一方、飛沫は腰が原因で、今後飛び込みを続けるか思い悩み、ある驚きの行動を起こす。
そんな飛沫を気にかけた知季と要一は飛沫の元を訪れるが...。

そして、3人の人生を大きく揺るがす事件が!?

第7話の感想|負けを認めることで、強くなるMDCメンバーたち


弱さを認められてこそ、さらに強く優しくなれるって本当なんだなと思う。今回また1段ステップを上がったMDCメンバーたちを見て、そんなことを思った。

例えば飛沫。腰の痛みを原因に強化選手から外されてしまった彼は、不本意な形でメンバー入りを果たした知季の家を訪ねる。恨み言のひとつでも吐きたくなるようなところだが、「俺に気を遣わず合宿に行けよ」なんて。果たしてあの年齢で言えるものだろうか。しかも、シリアスになりすぎず、いつもの天然を炸裂させてちょけてみせる配慮も欠かさない(これはもしかすると意図しないことかもしれないが…)。どんだけでかい人間なんだろうと思わされた。

続いては陵。つい最近知季への嫉妬から解放された彼は、ここでさらなる階段を上る。恐らくはもろもろの選考ライン上にすらいなかっただろう陵が、ついに飛び込みを辞めることを決めた。自分の才能のなさや負けを認め、何らかの結論を下さなければならないというのはあまりにも残酷だ。でも、こういう経験が彼らをここまで強くしてきたんだろうなと思った。陵の言った「なんでみんなで喜べないんだろうな…」という言葉がボディーブローのように効く。彼はきっとこれから知季の1番の応援者になるのだろうし、願わくば楽しいことをたくさん経験してほしいと思う。

一方、ちょっと意外だったのは要一。突如富士谷コーチから、五輪内定選手が伝えられる。選ばれたのは要一と、MDC以外のメンバー。知季の名前はなかった。これにはテレビを見ていたわたしも開いた口が塞がらない。代表選手って、そんなに自由なタイミングで勝手に決められてしまうものなのだろうか…? もちろん選手たちも動揺を隠せない。理不尽に見える大人たちの都合と戦わねばならない、学生時代特有の苦い味を思い出す。その後に行われた代表内定のインタビューで、要一は記者がやたら父の話を振ってくることに敵意を剥いた。今までのストイックさが前面に出ている彼だったら、こんな受け答えはしていなかったんじゃないかと思う。これが彼に迷いを生まないことを願いたいが、果たして…。

個人的に、麻木コーチと小宮トレーナーの掛け合いのシーンには大いに笑わせてもらった。MDCの事務所でのやり取り、小宮がボケにボケ倒す。たぶんあれ、いくつかはアドリブだったのではないだろうか。ボケ数の多さに、笑いをこらえきれず俯いてしまう麻木が、麻木ではなくもう馬場ふみかだった。そしてその笑顔がとんでもなく可愛い。いい空気の現場なのだろうことが伝わる。そしてこの2人、飲み会では小宮がさらっとかっこいいことを言い、麻木の心も動いたように見えた。なんとなくいい雰囲気になるのか…? なんて感じたのも束の間、思いっきり殴打される。なんだかこの絶妙な関係が心地よくなってきた。がんばれ、小宮…‼

さて、直近の2,3話で気になる描写がされていた知季と未羽のすれ違い…。それが原因かは不明だが、弘也と未羽が抱き合ってるのを知季が目撃してしまう。ちょっとだけ飛び込みの方が落ち着いたと思ったら、次回は恋愛が波乱の予感なのだろうか…!? 楽しみに待ちたい。

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--{第8話あらすじ&感想}--

第8話あらすじ&感想

第8話あらすじ



坂井知季(井上瑞稀)は弟の弘也(前田旺志郎)が未羽(田鍋梨々花)を抱きしめてるのを目撃してしまうが、2人に何も聞くことが出来ずモヤモヤしていた。そんな知季に弘也は...。さらに、麻木夏陽子(馬場ふみか)からは練習に集中できていないことを指摘されてしまう。

一方、異例のタイミングでオリンピック代表に選ばれた富士谷要一(作間龍斗)だったが、スランプに陥ってしまう。

そして、津軽に戻って数日が経った沖津飛沫(髙橋優斗)は麻木が要一たちに託した亡き祖父の映像を観ることが出来ずにいた。

第8話の感想:恋愛の難しさとか、自分の運命とか


3人それぞれが壁にぶつかったり、変化したりした第8話。

まず、知季は恋愛面での変化が。あろうことか自分の彼女が弟とハグをしてる現場に遭遇。すぐに逃げてしまえば見なかったことにもできそうだけど、お互いに気づいてしまう。この気まずさったらない。苦いほうの、青春。しかも、よりによって弟に宣戦布告までされてしまった。さすがに彼女の誕生日は把握しておこうや、と思ったけど、それだけ飛び込みに打ち込んでいた証拠でもある。
思い悩んだ知季は、例のごとく飛び込みからも逃げ出す。でも、麻木コーチから電話がかかってきたらちゃんと出るし、呼び出しにも応じる。聞かれれば悩みのタネは恋愛だと躊躇いもなく明かす。この素直さが知季の武器であることは間違いないだろう。そしてまた、麻木コーチも知季にしっかり向き合ってくれる。僕が飛び込みさえやってればいいんですか、という知季の訴えに対して「だって飛び込みのコーチだもん」と秒で返答したのには笑ってしまったけど、ビールまで頼んでちゃんと付き合ってくれるところは優しいというか、面倒見がいいというか。見ただけでその選手の強みや課題が分かるから指導者になったということだったけど、この人の指導者としての資質はそこだけではないんだろうな。
結局、知季は未羽とは別れることに。「トモの飛び込みを応援してきた」「でも、やっぱり会えないのは寂しい」…未羽の気持ちは理解できる。一方で、ここまで本気で何かに打ち込んでいる高校生に対して、恋愛でのマメさを求めるのはいささか酷なんじゃないだろうかとも思う。有名なアスリートが高校時代のマネージャーと結婚、なんて話を聞くことがあるけど、あの人たちってどんだけ要領がいいんだろう。それとも恋人側が相当理解をしているから成り立つのかな…なんて、関係ないところに一瞬思考が飛んでしまった。
知季は、未羽と付き合い始めた頃とは比べものにならないくらいいろんなものを抱えている。麻木コーチからの期待、切磋琢磨していく仲間との絆、五輪に出るという目標、陵の悔しさ…そこに、未羽の寂しさが加わった。改めて腹を括った覚悟の表情が印象的だった。

青森に帰った飛沫は、地元で職を得て、恭子と結婚して家庭を築くことを明るく語る。その願望も、おそらくは彼の本心だろう。ただ、飛沫自身も気付いていなかった迷いにも満たない揺れを、案じていたのはほかの誰でもなく恭子だった。今はそれでよくても、何年か経った後に後悔するのではないか。きっとそんな思いが恭子の中にはあった。未練がある男は好きじゃない、と一刀両断して自分の気持ちと向き合わせるあたり、飛沫の掌握具合がすごい。…あ、ここにいたわ、アスリートとの恋愛を円満にやっていける人。でもこれは特殊なのかな。どう考えても恭子の精神年齢が高すぎる。
そして飛沫は、やっと祖父の動画と向き合う。ここの彼の瞳、あまりにも透明度が高くて一瞬たじろいだ。「もう一度あいつらと飛びたい」という思いの純度が伝わってくる。たぶん恭子は、戦いを終えた時の飛沫がどんな状態でも受け入れてくれるだろう。もう、思いっきり頑張れ!と背中を押す気持ちになった。

要一は、スランプの只中。飛び込みをして、水の中で叫ぶ。今までの要一で、もっとも感情をあらわにした瞬間だったのではないだろうか。「他の誰かが用意したレールの上にいる」と感じている彼は、五輪の代表に選ばれたことを“幻の雪”と表現した。雪自体が触ると消えてしまうものなのに、さらに幻だなんて。なんの実感も湧いていないことがひしひしと伝わってくる。さぞ不安だろう。そして、それもまた自分に与えられた運命なのだと開き直るには、彼はまだ若すぎる。でも、その先にあるものを見てみてほしい、とも思う。勝つことは孤独だと言った要一の、“幻の雪”を体験した感想を教えてほしい。

結局、MDCに知季、要一、飛沫の3人が揃った。気持ちを新たに進み始めた彼らが、それぞれの有終の美を飾ることを願ってやまない。

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--{第9話あらすじ&感想}--

第9話あらすじ&感想

第9話あらすじ



オリンピックの代表選考会を待たずに富士谷要一(作間龍斗)が代表選手に選ばれるという異例の事態に坂井知季(井上瑞稀)は複雑な想いを抱えていた。
一方の要一は原因不明のスランプを抜け出せずに苛立ちが募り...。

麻木夏陽子(馬場ふみか)が託した祖父のダイブを見て、もう一度、飛込競技と向き合う事に決めた沖津飛沫(髙橋優斗)は伝説のダイバーである祖父が飛んだダイブ”の正体を知り、ある決意をする。

そんな中、坂井知季(井上瑞稀)が練習中に倒れ...。

要一はオリンピックとは関係なく、ひたすらに進んで行く知季と飛沫の姿を見て、コーチである父・敬介(村上淳)に無茶な要求を突きつけ、親子はぶつかってしまう。

後戻りできない要一がある決意を持って向かった場所で衝撃の事件が起きる一。

第9話の感想

いまだスランプ継続中の要一の様子を、静かに見ている父。いったいどんな気持ちなんだろう、と思った。息子であると同時に手塩にかけて育ててきた選手。きっと心中穏やかではないだろう。
そしてついに要一はモヤモヤを晴らすべく行動に出る。いち選手が日水連に乗り込んで行くって、どれだけ勇気がいる行動だろう。想像を絶する。日水連の会長と面会を果たすなり、「君は顔もいいし、元オリンピック選手の富士谷コーチの息子だ」と、早々に大人の洗礼を浴びせられる。事実だとしても、そしてそれに薄々感づいていても、非情だ。
そんなことじゃめげない要一は、「オリンピック内定を、白紙に戻していただけませんか」「俺は正々堂々、勝ってオリンピックに行きたいんです」と啖呵を切る。よく言った…! と同時に、やっぱりどこかで、本当にそれでいいの? と思ってしまう。でもそんな不安は無駄だった。「自分の手で夢をつかみたいんです」と言った要一は、間違いなく誰よりもかっこよかった。

腰の痛みをおして競技を続けることを選んだ飛沫は、麻木コーチにテーピングしてもらったら痛みが消えて元気になっちゃう。本当にお調子者だけど、ここのところシリアスなシーンが続いてるだけに、救われた気持ちになる。でも、飛沫はやるべきことがあったから、ここに戻ってきた。だから、彼は“選ばれし者だけに許された飛び込み”であるスワンダイブに挑戦するという。「この技で人々の心をつかむなんて要一にも知季にもできない」「できるのはただ一人、あなただけよ」という言葉に痺れる。麻木コーチは、やっぱり人をたきつけるのも上手だ。

要一の決死の交渉も実り(?)、五輪代表の1枠に空きが出た。そのたった1枠を巡って、知季、要一、飛沫がバチバチしてきた。ちょっと前では考えられなかったが、彼らはいま、同じ線上にいる。
3人の中から、誰かが選ばれるのか、それともどこぞの第三者がかっさらっていくのか…。最後の最後まで、目に焼き付けたい。

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--{第10話あらすじ&感想}--

第10話あらすじ&感想

第10話あらすじ



富士谷要一(作間龍斗)が辞退したオリンピック代表1枠をかけ、互いに火花を散らしあう坂井知季(井上瑞稀)らMDCメンバー一同。

要一はトラウマや自身を超えるためにも技の難易度をあげる練習を希望するが、コーチの富士谷敬介(村上淳)から与えられたトレーニングは簡単なものばかり。焦りを募らせた要一は再び敬介と衝突してしまう。

一方、沖津飛沫(髙橋優斗)は祖父の”スワンダイブ”を習得するため、麻木夏陽子(馬場ふみか)からバレエの練習を課せられるも、肝心の飛び込み練習をさせてもらえない。納得のいかない飛沫は小宮静人(大東駿介)の制止を振り切り強行に出ようとしたそのとき驚きの変化が訪れる…!

そしていよいよ代表選考会が近づいてくるなか、知季はどうしてもうまく4回半が飛べずにいた。
そんな最中、激励にやってきた大広陵(佐久本宝)から思いもよらぬアドバイスを受けることに…。

自らをも超え、代表の座を勝ち取るのは?
運命のオリンピック代表選考会が始まる。

第10話の感想:信頼関係と楽しむこと


闘争心をむき出しにしながらも、じゃれ合いトレーニングをしている知季、要一、飛沫の3人。切磋琢磨ってこういうことなんだろうなって思う。いい景色だ。
そんな彼らは、大事な選考会まであと80日という地点にいる。それぞれの課題を克服すべく、練習に取り組んでいた。

例えば要一は基礎のやり直しを。苦手を潰すために、もうすでに自分のものになっているはずの簡単な技で基礎練習を繰り返していた。実際に選考会でやる演技での調整ができない焦燥感から、コーチにも不満をぶつける。進みたいのに足踏みさせられているようなもどかしさ、誰しも経験があるはずだ。それに対し富士谷コーチは「誰よりもお前のことを見てきた。お前にはこの方法が合ってる」と言い切った。この状況での、断言。こんなに心強いことってない。そして、腹をくくったらしい要一。翌日も基礎的な技を練習するよう指示したコーチの言うことを素直に聞く。「俺はコーチのことを信じてここまで来ました」と答えた要一は、めちゃくちゃにいい顔をしていた。

飛沫は、芸術性を高めるためにクラシックバレエを。本来持っているダイナミックさという強みを生かすために新しいことに着手していた。こちらも、こんなことやってられるかと言わんばかりに不満げだ。我慢できず、麻木コーチのいない間に勝手に飛び込んでしまう。すると、手応えに変化があったようで…。一変してやる気満々、今度はレオタード姿で現れる。この変わり身の早さとか、実際に踊りはじめたらちょっと不格好になってしまうところ、やっぱり憎めないなと思う。

知季はなぜか釣りへ。自宅でも自分の飛び込みの動画を確認するほど練習にのめりこみすぎているため、気分転換のために麻木コーチが連れ出した。はじめは「早く練習をしましょう」なんて言っていたのに、1匹釣れたら今度は「もうちょっと」なんて言う。コーチの目論見通り、無邪気さを取り戻したようだった。

個人的に印象に残っているのは、麻木コーチが胸の内を明かした場面。

「何が正しいかなんて結果が出てみないと分からない」
「間違えたらいけない」

将来のある若者を指導することのプレッシャーを生々しく語った言葉だ。もしかしたら自分のたった1つの指示で、その選手の人生を左右してしまうかもしれないと思ったら、どんな言葉も飲み込んでしまいたくなる瞬間がきっと無限に訪れることだろう。でも、これを受けて知季は、「私がすべて正しいみたいな顔をしてくれているから迷わず続けてこれた」と言う。こんな話までできちゃう師弟関係って、なんだかすごくいい。

あとは突如プールに再登場した陵の言葉もよかった。飛び込みを辞めてからはじめたバスケ、ついに試合に出ることになったという。

「俺たちは色んな人に支えられて、あのプラットフォームに立っている」

離れたからこそ気付けたことだったのだろう。
その影響か、知季はプラットフォームの先端に立ち、応援してくれる、色んな人たちの声を聞く。笑顔だ。

スポーツは…いや、何に関しても、信頼関係が大事で、感謝を忘れず、今を楽しめ。
そんなことを説教臭くなく教えてくれる回だった。自分は最近、誰かや何かに、こんなに心を許したことってあっただろうか? 夢中になれるものがあるって、幸せだなと思った。

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--{第11話あらすじ&感想}--

第11話あらすじ&感想

第11話あらすじ



ついに、運命のオリンピック代表選考会、当日。

代表に選ばれるには国際大会でもトップクラスの500点以上を獲得し、優勝する事が条件という厳しい戦いが幕を開ける。

予選を1位で通過した坂井知季(井上瑞稀)は、決勝前にコーチの麻木夏陽子(馬場ふみか)のアメリカ行きを偶然知ってしまい、麻木は自分の元を去ってしまうのか、と試合に集中できない知季。

絶対王者の富士谷要一(作間龍斗)は、何故か本来の力が出せずにいたー。

沖津飛沫(髙橋優斗)はラストチャンスを前に普段と様子が違う2人に声をかけるが...。

さらに、飛沫自身も持ち味の豪快なダイブで、好調なスタートを切るが、大会前、西川恭子(藤原さくら)にある決意を告げていたのだった。

3人と共に練習に励んできた丸山レイジ(望月歩)もこの大会にある想いを持って参加。

選手たちの様々な想いが交錯するなか、試合は刻一刻と進んでいく。

そして、要一の身にとんでもない事態が...。

第11話の感想:物語の濃度がぐっと高まる、あっという間の40分!


ついに選考会当日。
予選を1位で通過した知季だったが、麻木コーチがアメリカに行ってしまうかもしれない…という話を立ち聞きし、調子が上がらない。要一にいたっては6位と、大きく出遅れている。

そして、運命の決勝戦。まず飛び込むのはレイジ。客席にいる陵を見る。この2人、陵が飛び込みを辞めた後も一緒に自主練をしていたらしい。選考会も近づく中で、レイジは陵を相手に弱音をこぼす。「限界って見える」「努力だけじゃ超えられない壁」…すでに自分の才能に見切りをつけた陵は、この時のレイジの気持ちが痛いほど分かったはずだ。でも、そこで安っぽい共感はしない。吹っ掛けるような言葉ばかりを並べる。大きな舞台を前に弱気になっている仲間の背中を、思いっきり叩いてくれているのだ。なんて殊勝なんだろう。改めて、飛び込みを辞める決断をしたときの陵がどれだけ悔しかったか、考えて頭を抱えてしまった。
このドラマにおいては主人公ではなかった2人だけど、それがなんだ。トップを獲るものだけがヒーローではない。爽やかで頼もしい2人が、そんなことを教えてくれた気がした。

1本目を飛び終わって、飛沫が1位に躍り出た。
そこで前日の回想に。スイーツを食べるMDCメンバーの様子が平和過ぎて夢のよう。さっきまでの緊迫感はどこへ…? 麻木コーチの笑顔のかわいさに注目が集まっていたが、いやいや、全員めちゃくちゃに可愛い。
そんな帰り道、珍しく麻木コーチと小宮コーチが真面目な会話をする。麻木コーチは、「人生を預かっているから」と、並々ならぬ覚悟を持って選手の指導にあたっていた。もちろんどのコーチもそうなのだろう。でも、小宮コーチが言う、「あいつらの人生のほんの一部や。それよりも大事なことは伝わってる」と。そうだそうだ、と大きく頷いたのは、さっきの陵とレイジを見ていたから。真摯に1つのことに向き合うことで、どんなに人間が成長できるのか。たまにはいいこと言う小宮コーチが、初めてかっこよく見えた。

2本目が終わって、それでもまだ不調の知季。
麻木コーチが「あなたは特別」と声をかける。魔法の言葉みたいだった。
客席にいる弟の弘也は、知季の飛び込みを見ることができず会場の外へ行ってしまった。自分よりも目立たないと思っていた知季が急に飛び込みで頭角を現し、好きだった幼馴染まで持って行かれ…そしてさらに、五輪の出場権まで手に入れようとしていたら、逃げたくもなる。
そんな息子の気持ちを察して、後を追う父。さらに、「俺ダセェ~」という息子に、「普通なんじゃない?」と言える父がいるこの家族、最高すぎる…。「才能とは、自分に何かができると信じること by レノン」らしい。このコミュニケーションに、救われる人は多いんじゃないだろうか。今、進路に迷っている人、やりたいことが見つからない人、毎日になんとなくつまらなさを感じている人。少なくともわたしは、目の前のことだけでもいいから、頑張ろうって思えた。

自身の飛び込みを前に、緊張なのか? 武者震いなのか? を、している飛沫。恭子に向ける視線の温度の高さ。あんな瞳で見られてしまったら、吸い込まれてしまうんじゃないか(できるならば吸い込まれたい)。それにしても、さっき控室であんなにふざけていた人と同一人物とは思えないくらいに凛々しい顔をしている。
…と思ったのに、回想シーンでまたちょっとふざけてきて、ギャップがすごい。この人、一体どんな人なの、11話にしてまだ思ってしまった。

ついに飛ぶか…と思ったところで、ふらっふらの要一が廊下を歩き、崩れ落ちる。
そして、エンディングへ。え、終わった…? 40分がびっくりするくらい短く感じた。それはひとえに、知季や要一以外の、ドラマ的にはヒーローや主役ではない人物の心情をも切り取り、丁寧に描写したからだろう。情報量、内容が多く、物語の輪郭がぐっと濃くなった。

次回、ついに最終回。あんな状態で要一は飛べるのか? 五輪の切符は誰が手にするのか? 結末が待ちきれない!

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--{第12話あらすじ&感想}--

第12話あらすじ&感想

第12話あらすじ



試合中に富士谷要一(作間龍斗)が倒れてしまった!

体調不良を隠し、大会に参加していた要一に父親でもあるコーチ・敬介(村上淳)はある決断を下すがー。
要一と敬介、親子である前に選手とコーチとして、共に戦ってきた2人が出した答えとは...。

一方、沖津飛沫(髙橋優斗)は祖父が観客を魅了した幻の“スワンダイブ”への挑戦へー。
恋人の恭子(藤原さくら)が見守るなかプラットフォームに立つ!

また、坂井知季(井上瑞稀)はコーチの麻木夏陽子(馬場ふみか)のアメリカ行きに動揺し、なかなか本調子を出せずにいた。
このままでは、先に進めない知季は夏陽子の元へー。

果たして知季は4回半を成功させ、優勝争いに食い込めるのか?

様々な想いを抱えた運命のラストダイブー。

オリンピック行きを手にする1人は誰だ!?

“青春の全て”を1.4秒に賭けた高校生たちの最後の戦いの結末はー!

第12話の感想:気持ちのいいドラマをありがとう!


試合前日、知季、要一、レイジ、そして飛沫の4人だけの帰り道。大きな試合を控えている高揚感からだろう、異常なくらいハイテンションだ。でも、そこから4つに分かれる道。これは何の暗示だろうか。なんとなく切ない匂いを感じて、泣いても笑っても今日が最終回なのだと寂しくなる。

飛び込み台に立ち、「負けるわけにはいかねんだ…」と腰をさする飛沫。痛みがあるのだろうか? 祖父がかつて人々を魅了した“スワンダイブ”を見事に成功させた。ひねりも回りもしない潔さが、飛沫の人柄ともリンクする。どよめく会場が心地よい。

一方、廊下で倒れこんでしまった要一。父親の富士谷コーチは、「ここまでよくやった」と棄権を促す。立ってもいられない状況なら仕方ない。だけど、それでも、と思ってしまう。「オリンピックは4年後も8年後もある」と富士谷コーチは言うけれど、彼らにとっての“今”がどれだけ大事なものなのかと考えると胸が締め付けられる。だからこそそこで、「自分のために飛べ」と言ってくれたコーチの、父親としての愛情の大きさが刺さった。思わず「お父さん…」ともらした要一にも、それは十二分に伝わっていた。
さらに、飛び込み台に立った時。なかなか飛ばない要一にざわつく観客たちに向かって、「うちの息子が飛ぶんです!」と叫ぶ。父親である前にコーチでいなければならないという状況、それはこの人の心にどれだけの仮面をかぶせていたんだろう。家庭内では奥さんにあんなにも柔和な表情を浮かべていた。ものすごく愛情深い人であることは間違いないはずだ。要一がこういう状況になってしまったことは決していいとは言えないが、素直に、1人の親として、我が子の飛び込みを見られるのは、この人にとってもよかったことなのではないだろうか。そしてその思いに呼応するかのように、要一も会心の飛び込みを見せる。

そして、麻木コーチがアメリカに行ってしまうかもしれないという動揺から調子の上がらない知季は、ついにコーチを呼び出し、問い質す。返ってきた答えに、まぁそんなところだろうと視聴者としては思っていたが、熱量の高い知季の告白に、見ているこちらまで恥ずかしくなってしまう。
すっきりしたし、あとは飛ぶだけ。ものすごい集中力で飛び込み台の先端に立つ知季。見事、悲願だった4回半を回り切り、水の中へ。この時の気持ちはどんなものだろうと想像する。早く点数が見たい、喝采が聞きたい…どれほどの人たちが驚いてるんだろう、割れんばかりの拍手だろうか?

…と、思いきや、突然2か月後にシーンが飛ぶ。
代表ジャージを着ている要一。だが、種目が違うらしい。
飛沫は英語の練習をしながら空港にいる。こちらは、麻木コーチが手配してくれたアメリカ行きを決意し、腰の治療をしながら飛び込みを続けるようだ。傍らには恭子の姿も。余談だが、この2人の夫婦漫才、テンポが回を追うごとによくなっていて、最終回はまさに完成型といっても過言ではなかった。

ということは、である。代表の座を手にしたのは知季だった。
なんというサクセスストーリー。でも、すごく納得のいく展開だったと思う。
描かれていなかった2か月の間、それぞれに色んな感情が渦巻き、葛藤があったことだろう。でも、最後はみんな笑っている。それがすべてだ。久しぶりに、気持ちのいいドラマを見たなという気持ちになった。いい最終回だった。

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--{「DIVE!!」作品情報}--

「DIVE!!」作品情報

«誰も見たこともない、その一瞬へ――大人たちを押しのけて、自分らしくあるために、飛べ!»
坂井知季(井上瑞稀)の通うミズキダイビングクラブ(通称:MDC)は、赤字経営による存続の危機に陥っていた。そんなMDCのもとに突如現れた新任コーチの麻木夏陽子が提案したクラブ存続の条件......それは、「次のオリンピックにMDCから日本代表選手を送り出す」というもの。知季とその座を争うのは、MDCのエース富士谷要一(作間龍斗)、幻の高校生ダイバー沖津飛沫(髙橋優斗)をはじめとした個性豊かなダイバーたち。身体一つを武器に、その一瞬にすべてを賭けた少年たちの熱い戦いが今、始まる――!

放送日時
2021年4月14日(水)スタート。毎週水曜日深夜0時~

放送局
テレビ東京ほか

配信
Paravi、ひかりTVにて配信予定

原作
森絵都 『DIVE!!』 (角川文庫/KADOKAWA刊)

出演
井上瑞稀(HiHi Jets/ジャニーズJr.)
高橋優斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.)
作間龍斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.)
馬場ふみか
望月歩
佐久本宝
田鍋梨々花
前田旺志郎
大東駿介
野間口徹
村上淳

監督
瑠東東一郎
久万真路

脚本
加藤綾子
政池洋佑
加藤法子

飛込監修
金戸恵太

協力
日本水泳連盟
セントラルスポーツ(株)

チーフプロデューサー
山鹿達也(テレビ東京)

プロデューサー
倉地雄大(テレビ東京)
木下真梨子(テレビ東京)
清家優輝
岸川正史

協力プロデューサー
都志修平(ジェイ・ストーム)

主題歌
「青にDIVE」/HiHi Jets/ジャニーズJr.

制作
テレビ東京
ジェイ・ストーム
ファインエンターテイメント

製作著作
ドラマ「DIVE!!」製作委員会

公式HP
【ドラマホリック!】DIVE!! | 主演 井上瑞稀 髙橋優斗 作間龍斗 | テレビ東京 

動画配信
Paravi(パラビ) 
DIVE!!【テレビ東京オンデマンド】のシリーズ詳細 | ビデオ | ひかりTV 
【公式配信】DIVE!!《ドラマホリック!》|テレビ東京の番組動画を無料で見逃し配信!ネットもテレ東 

公式Twitter
DIVE!!テレビ東京‍♂️ドラマホリック!さん (@DIVE_TX_holic) / Twitter 

キャスト/スタッフコメント

井上瑞稀 コメント

坂井知季役を演じさせていただきます、HiHi Jetsの井上瑞稀です。このお話をいただいた時、二つの感情がありました。ものすごく嬉しかった気持ちと、ものすごく不安な気持ちです。なぜ不安かと言いますと、僕は泳げません。水に入ることがすごく苦手です。感情の大半は不安でした。高い所もダメな自分は、飛び込み台を見てその不安は絶望へと変わりました。でも、最高の仲間、そしてスタッフの方々、コーチの方々に支えていただきながら本気で練習をしています。僕が演じさせていただく坂井知季の、何かを犠牲にして夢に突き進む姿にものすごく共感しました。飛び込み競技に青春を捧げた、坂井知季の人生を楽しんでください!!

作間龍斗 コメント


富士谷要一役を務めます。HiHi Jetsの作間龍斗です。要一はオリンピックを目指し、それを叶えられるほどの実力の所持者です。対して僕は、水に関するスポーツに全く触れることなく生きてきた人間です。そんな僕が要一を演じることは難題ですが、その分画面に映る自分の姿が楽しみです。今はひたすら要一というキャラクターの情報収集と、飛び込みの技術向上に努めています。「DIVE!!」は過去に映画やアニメなど様々な作品があり、それぞれの雰囲気で描かれています。今回のドラマでは、HiHi Jetsの3人が主演を務めさせていただきます。この3人とスタッフさんと共に、視聴者の皆様を必ず楽しませたいと思います。

髙橋優斗 コメント


沖津飛沫役を演じさせていただきます。HiHi Jetsの髙橋優斗です。飛び込み競技に熱く真摯に向き合う登場人物の1人を演じさせていただける事を光栄に思います。沖津飛沫は、一言で表すと「男が憧れる漢」と言う印象です。いろんな思いを抱え、周りからの刺激や支えを受けながら成長していく沖津飛沫を精一杯表現し、皆様に楽しんでいただける作品にできるよう頑張ります。そして今は、飛び込みの練習や体作りを中心にやっています。元々体つきは良い方ではないのですが、かっこいい沖津
のスタイルになれるよう毎日取り組んでいます!是非オンエアでご覧ください。

馬場ふみか コメント


お話を頂いた時に、コーチ役と言われて「コーチ!?」というのが正直な感想でした。飛び込みを見たことがあまりなかったので、また新しいことを知れるというのと、人に物を教える立場を演じたことが無かったので、ちょっと大人になったのかなって思います。
何度か井上さん、高橋さん、作間さんが練習をしている姿を見させて頂いていて、本当に真剣に取り組んでいるので、そこに対して私自身もコーチとして向き合わないといけないと思いましたし、スポーツに一生懸命になる姿は凄く美しいと思うので、そういう部分がこの作品は見られるので素敵だなって思います。私が演じる麻木夏陽子はコーチとして厳しいですが、凄く愛のある厳しさで接していると感じます。自分が習い事をしたり、演技の上で厳しい監督に出会ったりもそうですけど、そういうしっかりと愛を持って厳しく向き合ってくれる方は私自身にとっても凄く大切ですし、そういう存在になれたらなって思います。
クランクイン前から皆が本当に飛び込めるように練習していますので、そういう姿や、友情、ライバル、師弟関係色々とありますけど、とにかく選手たちが輝き、必死に頑張っている姿を皆さんに見て頂きたいなと思います。

 村上淳 コメント


何故か僕でもわからないですけど、テレビ東京さんからのドラマのオフアーは自分なりに思い入れが強いというか、それで演技が変わるとかではないですけど、改めて嬉しかったです。
実際に、飛び込み台に上がり10m上からの景色を拝見させて頂きましたが「美しいな」と思いましたね。台本にもあるんですけど、10mに立った時から着水まで1.4秒の世界で何を表現するのか。着水含めて非常に美しい競技だなと改めて思いました。
このドラマの見所は、非常に重要な事だと思うんですけど、井上君、高橋君、作間君、この三人の軸となる、成長した顔つき、身体つきですね。実際に彼らの練習風景を見させて頂いて凄く真摯に取り組んでいるなという印象だったので、彼らが役を掴んで、水そして10mの高さにどれだけ馴染めるかがこのドラマの鍵だと思っています。僕自身も共演者ながらその部分での成長を非常に楽しみにしていますし、そこが見所になってくると思います。

望月歩  コメント


丸山レイジをやらせていただきます望月歩です。 初めて台本を読んだ時は、どうやって飛び込むのかイメージさえもつきませんでしたが、練習をさせていただくにつれて、レイジがやろうとしていることがなんとなく掴めるようになっていきました。そのイメージをもっと体に慣らせて作品の中で息ができたらなと思います。
作品の見所は、競技を通してのそれぞれの心情だと思うので、そこも楽しんでやりたいと思います。
放送を楽しみにしていただけたら嬉しいです。

佐久本宝 コメント


今回、作品が始まるにあたり、飛び込みの練習を始めました。
飛び込み台の上では一人、下を見れば怖くて足がすくんでしまう高さからつま先から指の先まで、全身に集中し眼下の水面へと入水する。
ただ、この自分と向き合い集中する時間が何故か不思議とワクワクするのです。
あとは、知季や、レイジと騒いでぶつかり稽古みたいに出来たらなと。
演じる陵は、負けず嫌いで思ってる事が出てしまう、僕とは真逆の人間です。
何とか仲良くならねば...。
井上君は練習の時から、僕らの先頭を走ってくれているので、僕らも負けじと突っ走ってみようかなと。
と、真面目にコメント書きながら、うわー、めちゃくちゃ青春やん。なんて思ってみたり。
そんな僕らの青春、是非楽しんで見ていただけたらなと思います。

田鍋梨々花コメント


今回、「DIVE!!」への出演のお話をいただき、飛び込みを見たことがなかったので、練習を見学させていただきました。間近で見ると想像以上にダイナミックで、飛び込み台に姿が見えてから着水して水面に姿が見えるまで、その緊張感と真剣に向き合うみなさんの姿にとても感動しました。
未羽は、そんな飛び込みに夢を持って頑張る知季を応援している女の子です。知季を信じている純粋な気持ちが伝わるように、そして、知季と弘也と未羽の幼馴染3人のやり取りや雰囲気も皆さんに楽しんでいただけたら嬉しいです!

前田旺志郎 コメント


「DIVE!!」への出演が決まった時は、また高校の同級生である瑞稀と一緒に仕事が出来ることが素直に嬉しかったです!
しかも今回は兄弟という事で楽しみです。
僕が弟なのが少し気に食わないところもありますが(笑)、仲の良い普段の雰囲気を兄弟の会話に活かせたらと思います。
弘也は兄とは違い、友達が多く、器用貧乏なところがある青年だと思っています。
僕自身にも似ている部分が多いので、弘也を素直に演じていきたいです。
不器用だけどスポーツにまっすぐな兄と器用貧乏な弟の坂井兄弟を皆さんよろしくお願いします!

大東駿介 コメント


10代の頃に原作を読んでいたので、改めて台本を開くと、そびえ立つ飛び込み台や、飛沫を上げながら飛び込みに打ち込むみんなの姿が自分の青春かのようにフラッシュバックしました。
僕の演じる役は原作には登場しませんが、自分自身歳を重ね、トレーナーとして彼らを支える存在としてこの作品に参加できることは感慨深いです。
瑠東監督から、当て書きなので任せた!と言われているので、自由にやらせてもらいながら、生涯残るであろう彼らの青春を邪魔しないよう背中を押したいと思います。
ドラマといえど、今まさに飛び込み台10メートルの恐怖心を乗り越えこの作品に挑む彼らの想いは本物で、飛び込みのような瞬間の熱量と高揚、水面の煌きのような爽快感を感じられるドラマになると思いますので、是非ご覧ください。

野間口徹  コメント


僕のような人間には、いわゆる青春モノは縁が無いと思い込んでおりましたが、今回、父親という立場で出演が叶いました。
ふざけてばかりの父かと思いますが、きっとたまにガツンとくる言葉を口にするのでしょう。クスクス笑って、ジーンとして頂ければ、成功だと思っております。
お楽しみに。

原作者:森絵都 コメント


飛び込みは、本質的に物語性の高いスポーツです。たった一瞬で決まる勝負は、観る者にある種の痛快さも与えてくれます。今回の魅力的なキャストやスタッフの皆さんが、どのような青春ドラマを創りあげてくださるのか、心から楽しみにしています。

監督: 瑠東東一郎 コメント


こんなにも青く眩しい作品を、こんなにも青く輝くキャストの皆さんとやらせて頂けるなんて。今から身の引き締まる思いです。鬱屈とした日常が続きますが、この「DIVE!!」という真っ直ぐな作品のパワーで色んなものぶっ飛ばしてやりましょう、と。先日井上君に話したところ、「いや、まず監督をあの飛び込み台からぶっ飛ばします!」と恐ろしいコメントを頂きまして。今、非常にビビっております。身の危険と闘いながら全力でやらせて頂きます!!

プロデューサー  倉地雄大(テレビ東京制作局ドラマ室) コメント


学生時代、知季や要一、飛沫のように、スポーツに明け暮れていた私のバイブルとも言える本が、森絵都先生の「DIVE!!」でした。それから15年以上の時を経て、いまこの素晴らしい原作を実写化できることに、心から喜びを感じています。
スポーツを題材にしたドラマというのは、俳優にとっては酷な分野です。十二分なお芝居だけでは足らず、その上で、アスリートの動きや立ち振る舞い、醸し出す雰囲気を作り上げなければなりません。
しかし、今回お願いした井上さん、高橋さん、作間さんは、そんなハードルを苦とも思わず、目を輝かせながら、日々トレーニングや飛び込みと向き合って頂いています。厳しくて優しい金戸恵太コーチのもと、何色にも染まっていない3人が、知季や要一、飛沫のように躍動している姿を、皆さんに早くお届けしたいです。
この「DIVE!!」の最大の魅力は、読むたびに感情移入する人が変わるところにあると思っています。最初は愚直に真っ直ぐ、何者かになろうとする知季に、その次は誰もが憧れる圧倒的なかっこよさを持つ飛沫に、そして最後は誰よりも努力をする天才で、人並外れた強さを持った要一に、心動かされます。そんな3人の魅力を余すことなくたっぷり伝えられるように、これから井上さん・高橋さん・作間さんと、熱い青春を駆け抜けていきたいと思っています。ぜひ放送をお楽しみください。

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