本作は、家族の記憶と記録を静かに見つめるヒューマンドラマ。監督は、本作が長編デビュー作となる坂西未郁。石井裕也監督の助監督や土井裕泰監督作品のメイキングカメラマンとして経験を積んできた新鋭が、満を持して長編映画監督デビューを果たす。
物語の主人公は柄本演じる雄太。足を骨折した義父の世話をするため、九州の田舎町を訪れた雄太は、義父が営む昔ながらの写真館を手伝いながら日々を過ごしている。
東京で暮らす妻や娘とは離れて生活しているが、スマートフォンで撮影した映像を送り合いながら家族との時間をつないでいく。大きな事件が起こるわけではない。しかし、日常の何気ない出来事や交わされる映像の積み重ねが、家族の人生という長い時間を浮かび上がらせていく。
雄太の妻・ゆき役には、ドラマ『SHOGUN 将軍』で国内外から注目を集めた穂志もえか。義父・誠役には唯一無二の存在感を放つイッセー尾形が出演する。
さらに、家族の大切な記憶を象徴する存在として香椎由宇も参加。穏やかな時間の流れの中で、それぞれの人物が抱える思いや記憶が丁寧に描かれていく。
タイトルの『メモリィズ』が示す通り、本作のテーマは“記憶”と“記録”。スマートフォンで気軽に映像を残せる現代だからこそ、大切な人との時間を記録する意味や、その記憶が人生に与える温もりを問いかける。
解禁となった映像は、雄太と義父・誠が、写真館の壁にプロジェクターを投影すると、流れてくるのは静かな窓や細い道などを写したフィルム写真の数々。
その写真とともに、ミュージシャン・矢野顕子、映画監督・三宅唱、写真家・石田真澄、エッセイスト・伊藤亜和、オルタナティブロックバンド・Bialystocksのボーカル&ギターで映画監督の甫木元空、映画監督・石井裕也、映画ライター・SYOのコメントが紹介される。
最後は投影を見ていた雄太と誠の笑顔のスチールで映像は幕を閉じる。“記憶”と“記録”の映画である本作ならではの演出がいかされたエモーショナルなフォトムービーとなっている。
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