ドジャースのリリーフ陣に欠かせない存在のウィル・クライン投手。昨年6月にマリナーズから移籍し、リーグ優勝決定シリーズまで登録選手枠外だった右腕が、一躍脚光を浴びたのはワールドシリーズだった。

いきなり世界一への決戦からメンバー入りし、第3戦で千金の活躍をしたことは記憶に新しい。延長18回にもつれた試合でブルペン最後の投手としてキャリア最長の4回72球を投げて、勝利に貢献した。

 身長196センチ、体重104キロの大柄な男は、大の「ポケモン好き」としても知られる。ポケモンカードを埋め込んだ特製グラブをロッカーに飾り、自身のインスタグラムなどでも公開している。 クラインがポケモンと出会ったのは幼少期。アニメ番組やマンガに登場する様々なキャラクターの個性に夢中になった。

 「親にせがんで6歳の誕生日にゲームボーイと(そのソフトである)『ポケットモンスター ファイアレッド』を買ってもらったんだ。それにハマって高校生になるまでずっとゲームをし続けた。一度だけ『こればかりなのはカッコ良くないかも』と思ってやめた時期があるけれど(笑)。それからまた少ししたら『待てよ、他の人がどう思おうと関係ないじゃないか』と思うようになった。それからはご覧の通り。ゲームもするし、アニメも見るし、カードも集め続けているよ」

 「ニドキング」や「ミズゴロウ」「ラグラージ」などクライン選手が好きなキャラクターはいくつもあるが、幼少期からの一番のお気に入りは「バンギラス」。

特製グラブの中に埋め込まれているのも、クラブハウスの自身ロッカーのすべての引き出しを埋め尽くしているポケモンカードも、ほぼすべてがバンギラスのものだ。

 「子どもの頃、初めてバンギラスが『はかいこうせん』を放ったのを見たとき、『おいおい、こいつが一番カッコいいじゃないか!』と思ったんだ。だから彼の人形を持って歩いていた頃からずっと一番。今もここにいるけど、見る?」

 え?今も持ち歩いているの? そうこちらが目を丸くしていると、背負っている革製のリュックサックの中から、小さなバンギラスの人形をのぞかせた。「毎日、球場に一緒に来ているんだ」。子どもの頃から何代目かになったバンギラス人形は日本製。「自分は本当にポケモンが好きだから、こうやってコレクションをみんなに披露できるのはすごくクール(笑)」とポケモン愛を語ってくれたクライン。26歳にやどる少年の心は、ドジャースのクラブハウスの癒やしにもなっている。(村山みち)

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