『オルカン思考 世界経済を味方につける「長期投資」の教科書』は、個人投資転換期の今、注目される「全世界株式(オール・カントリー)、通称「オルカン」を生み出した代田秀雄氏による初めての著書です。投資の基本に加え、得た資産をどう使うかという“出口戦略”まで丁寧に解説しています。
本書の一部を抜粋してご紹介します。
○今、リーマン・ショックが来たら、オルカンはどのくらい下がる?

将来を正確に予測することはできませんが、過去の大きな危機から想定できる目安はあります。

リーマン・ショックの際、世界の株式市場は直近の高値から6割程度下落しました。下落は一気に起きたわけではなく、数年にわたって続き、投資家にとっては非常に厳しい時間が続きました。

オルカンは世界の株式市場そのものを映す商品ですから、同様の危機が起これば、同程度の下落が起きる可能性は十分にあります。

その後の回復も、短期間ではありませんでした。

市場が元の水準に戻るまでには、おおむね6年程度の時間がかかっています。つまり、「大きく下がり、長い時間をかけて回復した」というのが、リーマン・ショックの実像です。

もちろん、次に起きる危機が同じ下落幅・同じ回復期間になるとは限りません。もっと早く戻るかもしれませんし、逆に、より深く、より長い下落になる可能性もあります。

ここで大切なのは、オルカンに投資するということは、こうした下落と長期の停滞を受け入れる前提に立つことだという点です。オルカンは、値動きの小ささや安定感を期待して投資する商品ではありません。
世界経済の成長を長期で取り込む代わりに、短期的には大きな変動を引き受ける。その覚悟が求められます。

だからこそ、「6割下落しても生活に支障が出ない資金設計」と「数年単位で回復を待てる心構え」という二つが欠かせません。これを理解せずに投資を始めると、下落局面で想定以上の不安に襲われ、長期投資を続けられなくなる可能性が高まります。

「どれくらい下がるか」「いつ戻るか」を当てることはできません。しかし、6割程度の下落や、回復に6年ほどかかるケースが現実にあったということを理解したうえで投資をしているかどうかが、オルカン投資の成否を分けると思います。

○『オルカン思考 世界経済を味方につける「長期投資」の教科書』(著:代田秀雄/学研ホールディングス)

2024年の新NISA開始以降、年間の投信資金流入額15兆3400億円のうち、約2兆3550億円(約15%)がeMAXIS Slim(イーマクシススリム) 全世界株式(オール・カントリー)・通称:「オルカン」に集中しました。そんなオルカンの生みの親が、投資についての考え方を徹底的に解説します。

投資におけるリスクとはなにか?

なぜ短期投資が危険なのか?

インデックス投資とは?

パッシブ運用とは?

高配当株との付き合い方とは?

「オルカン」に込められた思いとは?

…など、株や投資に関する教養、そして激動の時代を乗り切る知識を身につけましょう。
編集部おすすめ