「まさか自分が大腸がんとは思わなかった」。受診が遅れた患者さんに共通するのは、こんな言葉です。
血便を「痔のせい」と決めつけたり、「若いからがんにはならない」と油断したり。早期発見を阻むのは、実は私たちの「思い込み」かもしれません。

今回のテーマは、「受診が遅れた患者に共通する見逃しポイントと、よくある誤解」です。
発見が遅れる理由は「痔だと思い込んでいた」

受診の遅れにつながる要因として多いのが、「痔だと思っていた」という思い込みです。中路先生によると、排便時の出血は比較的よくみられる症状ですが、大腸がんでも同様に血便が現れることがあります。

痔の出血は鮮やかな赤色で、トイレットペーパーや便器に付くことが多い一方、大腸がんでは血液が便に混じるため、やや暗い色に見えることもあるそうです。ただし、こうした違いは見た目だけで見分けるのが難しいため、血便があった場合は自己判断せず、専門医に相談することが大切です。
30~40代も大腸がんに注意!

大腸がんの約半数は、目に見える出血を伴わないと中路先生は話します。また、食生活の欧米化などを背景に、30~40代で発症する人も増えていると指摘します。

さらに、家族性大腸腺腫症やリンチ症候群など、遺伝的にポリープやがんが多い家系では、若い年代でも定期的な検査が欠かせません。中路先生は、「軽度な症状こそ調べる価値がある」という意識が、早期発見の鍵になると強調します。受診を先延ばしにせず、違和感があれば早めに相談することが大切です。


○中路 幸之助(なかじ こうのすけ)

1991年、兵庫医科大学卒業。兵庫医科大学、獨協医科大学での勤務を経て、1998年に医療法人協和会に入職。2003年より現在まで、医療法人愛晋会 中江病院 内視鏡治療センターにて臨床に従事。専門はカプセル内視鏡・消化器内視鏡・消化器病。学会活動および論文執筆にも積極的に取り組んでいる。【資格・役職】日本内科学会 総合内科専門医・指導医/日本消化器病学会 専門医・指導医・学会評議員/日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医・学術評議員/日本消化管学会 代議員・近畿支部幹事/日本カプセル内視鏡学会 認定医・指導医・代議員/米国内科学会(ACP)上席会員(Fellow)

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