oneは5月8日、「昭和の母」と「令和の母」の比較調査の結果を発表した。調査は2026年4月10日~4月13日、全国の18歳以上の女性で、昭和50年~63年に子育てをした人および令和元年~8年に子育て中の人1,000名を対象にインターネットで行われた。

○子どもになんと呼ばれている?

「昭和の母」(昭和50年~63年に子育てをした人)と「令和の母」(令和元年~8年に子育て中の人)に、子どもからなんと呼ばれているかを聞いたところ、昭和の母は「お母さん」60.0%が最多、令和の母は「ママ」60.4%が最多で、昭和は「お母さん」、令和は「ママ」と呼ばれるケースが多いことが分かった。

しかし昭和の母の場合子どもは現在30代~50代の大人であり、令和の母の場合は子どもが未成年のため、子どもの成長により違いが生まれたのかもしれない。そこで昭和の母に、子どもの成長段階ごとの呼ばれ方を思い出して回答してもらった。

昭和の母に子どもの成長段階ごとの呼ばれ方を聞くと、昭和時代は子どもの未就学期から「お母さん」56.6%、「ママ」30.0%と、「お母さん」の呼ばれ方が多かったことが判明し、時代の変化とともに昭和は「お母さん」、令和は「ママ」の呼ばれ方が主流になったことを確認できた。

また「お母さん」は小学生で66.4%、中学・高校生で68.4%と増加し、「ママ」の割合は小学生で18.8%、中学・高校生で9.2%と、幼い頃は「ママ」と呼んでいても成長につれて「お母さん」やその他の呼び方へ移行していったことが分かった。
○理想の子どもの人数

理想の子どもの人数を聞くと、昭和の母・令和の母ともに「2人」(同率58.4%)の回答が最多だった。「1人」は昭和は9.6%・令和は14.4%、「3人」は昭和は27.6%・令和は22.8%と、令和はより少ない人数を希望する傾向があることが分かる。

子どもの人数を決める際に影響したことは、全体では「経済状況」46.4%が最多だった。その回答割合は昭和は31.8%・令和は61.0%とおよそ2倍になっており、昭和と比べ令和は子どもを産み育てるための経済状況がよりシビアになっていることが浮き彫りとなった。

時代別の回答割合をみると、昭和は「特に影響したことはない」33.8%が最多だった。意図的に子どもの人数を決めるというよりも自然にまかせる人が多かったのかもしれない。一方、令和は「自分の体力・健康状態」41.2%、「子どもをもつことを考えた時の年齢」35.2%、「仕事との両立」26.2%が昭和と比べて高くなっている。
女性の社会進出が進んだことで、妊娠・出産・育児に対し、母たちの考慮する事柄が増えていることはこの結果からも明らかだ。
○理想の働き方は価値観の違いが明確に

子育て中の働き方を聞くと、昭和は働く母の割合が51.4%(「フルタイム勤務」21.2%、「パートタイム・時短勤務」30.2%の計)、「専業主婦」の割合は42.8%、令和は働く母が60.8%(「フルタイム勤務」29.6%、「パートタイム・時短勤務」31.2%の計)、「専業主婦」は33.4%だった。特に「フルタイム勤務」の割合の差が時代の変化を象徴している。男女雇用機会均等法が昭和61年に施行され、女性の働きやすさや待遇が大きく改善する転機となった。その反面、女性"も"働かないと家計が成立しにくくなったことも事実だ。前問で令和の母の多くが子どもの人数を決める際に「経済状況」が影響すると回答していることからも、今後"フルタイム勤務の母"がさらに増えていくのかもしれない。

母として子育てをしながらの理想の働き方を聞いた。昭和の母は「(家計に余裕があれば)働かず、専業主婦でいたい」41.6%が最多、令和の母は「パートタイム・時短勤務で働きたい」37.2%、「フルタイムで働きたい」29.0%、「(家計に余裕があれば)働かず、専業主婦でいたい」26.2%の順となった。

注目したいのは「働かず、専業主婦でいたい」割合が、昭和の母は41.6%、令和の母は26.2%という点。昭和の時代は"男性は外で働き、女性は家庭を守るもの"という価値観が存在していたため「できれば専業主婦でいたかった」と考える人が多いのかもしれない。あるいは、今思えば「働かずにもっと子どもや家族と過ごす時間を持ちたかった」と考える人がいるのかもしれない。一方令和の母は働く意欲が高いことが分かる。
母であり、妻でありながらも、一人の人間として社会で自分の役割を担いたい・やりたいことを実現したいという想いがあるのかもしれない。
○子どもの食事で重視していること

母として子どもの食事について重視していること(していたこと)を聞いたところ、全体1位は「栄養バランス」69.8%だった。昭和の母は76.6%、令和の母は63.0%が回答し、時代に関わらず多くの母が子どもの食事の栄養バランスを重視していることが分かった。

時代で違いがあったのは「手作りすること」の割合。昭和の母は52.6%、令和の母は29.8%と22ポイントもの差があった。また、昭和の母が「好き嫌いなく食べさせること」48.6%を重視していたのに対し、令和の母は「好き嫌いなく食べさせること」35.4%よりも、「子どもが好きなメニューを食べさせること」37.6%の回答割合が高くなった。

子どもの食事の準備方法でも、毎日「一から手作り」する割合は昭和の母は65.6%、令和の母は46.5%と19ポイントの差があった。昭和の母は一から手作りにこだわりを持っていたことが分かる。一方「おかずの素やミールキットを活用して調理」する割合は、昭和の母の半数以上(56.6%)が「全くない」と回答したのに対し、令和の母は「毎日」2.5%・「週の半分程度」17.3%をあわせて、5人に1人程度が週の半分以上、おかずの素やミールキットを活用して時短調理していることが分かった。
○子育ての方針・考え方

子育ての方針・考え方を聞くと、全体で「子どもの『やりたい』をできるだけ尊重したい」66.3%が最多、次いで「礼儀やマナーなど社会性をしっかり教えたい」59.6%、「将来困らない力(考える力・生きる力)を育てたい」52.2%となった。どの項目も昭和の母と令和の母の回答割合に大きな差はなかった。

子どもの成長のためのアプローチについて聞いたところ、「きちんと叱る派」と「どちらかといえばきちんと叱る派」を合わせた割合は、昭和の母は72.0%、令和の母は76.4%と、どちらの時代でも"叱る派"が圧倒的多数となった。
"ゆとり世代"と言われる令和の母も、子ども時代は母親に叱られて育ち、現在母となり子どもの成長のためにしっかり叱っているのかもしれない。
○"孤育て"は昭和の母の方が多かった?

近年は核家族化や近所づきあいの希薄化から子どもを"社会で育てる"環境がなくなり、父親や母親だけで子育ての役割や責任を抱えて孤独を感じてしまう"孤育て"が課題と言われている。実際に夫婦以外に子育てに関わっている(関わっていた)人について尋ねた。その結果、「夫婦以外に子育てに関わっている(関わっていた)人はいない」と回答した割合は昭和の母は40.0%、令和の母は33.0%と、夫婦だけで子育てをした割合は昭和の方が高くなった。令和の母は「自分の親」55.4%の回答が多くなった。これは昭和の母と令和の母の就業状況の違いが影響しているのかもしれない。

子育てに関して孤独を感じることがあるか聞くと、昭和の母は「よくあった」10.8%、「たまにあった」25.8%、令和の母は「よくある」20.0%、「たまにある」33.2%となった。前問で令和の母は「自分の親」などが子育てに関わっていると回答したが、それでも半数以上が子育てで孤独感を経験している。これは"孤育て"問題は単に子どもに関わる人の有無や人数だけでは解決できないことを示している。
○母になってよかったこと

「母になってよかったと思うこと」を聞くと、1位は「子どもの成長を見る喜びを感じられる」61.7%だった。昭和の母・令和の母ともに、子どもの成長を自らの喜びとして、母になってよかったと実感していることが分かった。全体2位は「自分の人生にとって大切な存在ができた」54.2%で、特に昭和の母の回答が多く(60.0%)、子どもを生きがいとしていることがうかがえる。
令和の母の2位は「子どもの笑顔や存在に癒される」53.0%だった。
○それぞれの時代の"母"のイメージ

「昭和の母」と「令和の母」のイメージの合う有名人を聞いたところ、「昭和の母」TOP3は1位「山岡久乃」209票、2位「八千草薫」169票、3位「森光子」164票、「令和の母」TOP3は1位「辻希美」196票、2位「北川景子」189票、3位「藤本美貴」179票となった。

「昭和の母」のイメージに合う有名人は女優としてホームドラマや映画で演じた母親役の印象がランキングに表れている。1位の山岡久乃さんは「厳しくも家族を守る母」、2位の八千草薫さんは「やさしく温かな包容力のある母」、3位の森光子さんは「家庭を明るく照らす母」といった印象が強く記憶されているのでは。

一方、令和では"役柄としての母"ではなく、本人の家事や子育てについての発信が共感を呼んだ結果、令和の母像として選ばれていると言えそうだ。TOP3の方は母として完璧であろうとせずありのままの発信をしていること、自身のキャリアや個性を大切にしていることが共通している。親近感と自分らしさがSNS時代の令和の母像なのかもしれない。
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