キリンビールは6月下旬より、新サービス「人生を共に生きるウイスキー」をスタートする。利用者は20年かけて、モルトウイスキーが熟成していく過程を楽しめる趣向。
○どんなサービスになってる?
「人生を共に生きるウイスキー」は、同社が2021年度に実施した社内新規事業提案制度から誕生した。
利用者の元には、初年度に熟成0年のウイスキーの入ったミニボトル(50mlびん×2本)が届き、同様に3年後、7年後、10年後、13年後、16年後にも熟成途中のミニボトルが届く。なおミニボトルを同梱するブックレット型の箱には手紙が入っており、未来の自分に宛てたメッセージを書き込める仕様。そして20年後に、熟成20年のフルボトル(700ml)が1本届く。
一体、どんなウイスキーに仕上がるのか? 担当者によれば、キリンディスティラリー 富士御殿場蒸留所にて、長期熟成に適した原酒(原材料はモルト)をもとに、アメリカンホワイトオーク樽を用いて熟成させていくという。
当サービスの利用料金は、11万円。まずは公式LINEでお友だち登録をした利用者を対象に6月26日より先行販売を開始し、その後、専用サイトにて6月29日より一般抽選販売を開始する。いずれも数量限定。キリンビールでは、初年度で1万5,000人の新規契約獲得を目指し、2028年までに5万人規模までユーザーを拡大したいとしている。
一生忘れられない乾杯を届ける
「人生を共に生きるウイスキー」は、どのようにして生まれたのだろうか? 起案者である、キリンビール マーケティング部の小島亨介氏が説明した。
「これは、お客様から聞いた話です。あるご家庭では、お子さんが独立したあとに家を建て替えました。その際、子どもが背比べをした鉛筆の跡が残る柱を大事に残して、新築の家に再利用したそうなんです。親にとって、子どもの成長は何よりの楽しみ。柱の傷は、家族の歴史なんですね。思い出は時間が経つと価値に変わります。これをお酒で表現できないか、という発想から『人生を共に生きるウイスキー』のアイデアが生まれました」と小島氏。
ちなみに将来の事業化を念頭に、2025年6月にはクラウドファンディングを実施した。すると、わずか4分で1億円に到達し、その後7時間で完売。応援購入額として1日にして2.7億円が集まったという。
では実際、どのような人が購入したのだろうか? 小島氏は、生まれたばかりの子どもが20歳になったときに一緒に飲めるように購入した、という30代女性のエピソードなどを紹介。「ウイスキー好きの方にはもちろんですが、ウイスキーになじみのない方にも『20年後の特別な乾杯』という、新しい価値に広く共感いただけたと感じています」と評価する。
「現代の消費トレンドは『モノ消費』から『コト消費』に移行したと言われていますが、当サービスはその先にある、未来に希望を求める人による『未来消費』と言えるのではないでしょうか。1人ひとりのお客様の人生において『なぜこれを買うのか』の意味づけがされており、かつ未来の希望を購入されている。私たちは”新しい市場”を発見できたのでは、と考えています」と小島氏。
最後に「当サービスを通じてキリンは20年間、お客様とつながり続けることができます。私たちはこれを貴重な機会と捉え、適切なタイミングでお客様にとってプラスになるサービスを提供することでロイヤリティの向上に努めてまいります。また20年間のお約束を確実に守れるように、キリンディスティラリー社が仕込みから製造まで一貫して行い、キリングループロジスティクス社が物流管理を行います。キリングループ内でノウハウをためていくことで、サービスを確実に継続してまいります」と約束。
そして「当サービスの主役はお客様です。お客様が人生において良い時間を過ごす、そのきっかけになれたらこの上なく嬉しいです。私は、お酒には夢があり、人生は乾杯の数だけ豊かになると信じています。お客様の人生にとって、一生忘れられない乾杯をお届けできるよう、これからの20年間努めてまいります」と決意を口にした。
近藤謙太郎 こんどうけんたろう 1977年生まれ、早稲田大学卒業。











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