マウンド上で異彩を放つ大谷。彼のロースター登録上の“優位”を問題視する意見は相次いでいるようだ(C)Getty Images

 やはり球界内には大谷翔平(ドジャース)に対する“特例”に反発する関係者は少なくないようだ。

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 現地時間5月13日に行われたジャイアンツ戦で今季7度目の登板を果たした大谷は、7回(105球)を投げ、被安打4、無失点、8奪三振と快投。開幕から全登板でのQS(先発投手が6回以上を自責点3以内に抑えた場合に記録される指標)達成を継続するとともに、今季の投手成績を防御率0.82、WHIP0.79、奪三振率10.32に伸ばした。

 打者としては5月に入ってから打率.196、1本塁打とやや不調ながら、シーズン全体では7本塁打、OPS.797を叩き出している強打者ぶりは健在。まさに「比類なきの投手」と言っていい。そんな偉才は、現在のMLBで唯一の「二刀流登録」を認められている選手でもある。それゆえに投手を1人多く起用できるロースター登録にまつわる“特別ルール”を疑問視する関係者は少なくない。

 そもそも、その特別ルールとは何か。これはMLBが、当時エンゼルスにいた大谷の二刀流での活躍が目立ち始めた2022年に正式施行した規定で、「投手としてシーズン20イニング以上に登板」「打者でシーズン20試合以上に出場、または60打席以上」の条件を満たした選手のみを「二刀流」として認め、アクティブロースターに関する元来の規定よりも1人多い、14人目の投手として登録できるというものだ。

 当然ながら現在のMLBにおいて「大谷ルール」の恩恵を受けているのは、ドジャースのみ。それだけに現場でもドジャースが有利ではないかと不満の声が噴出。今年4月には、カブスのクレイグ・カウンセル監督が「これはドジャースの問題でも、オオタニの問題でもない」とした上で、「たった一つのチームのために許された、おそらく最も奇妙なルールだ」と断じる事態となっていた。

 そんな大谷とドジャースに対してのみ機能しているルールを問題視するのは、各球団幹部も同様だ。

米紙『USA Today』は、各球団のGMたちが新たな労使協定が締結される今冬に、「MLBに対して投手枠の制限変更を働き掛ける意向だ」と報道した。

 GMたちの考えについて同紙は「彼らは自分たちの思い通りにロースターを編成できることを望んでいる。そうなれば、必要に応じて投手の人数を増やし、野手の数を減らすことも可能になるからだ」と指摘。各球団幹部たちがより自由度の高い編成を組めるよう規制緩和を求めていると論じ、「大谷ルール」が改悪だとする風潮の存在も認めた。

「現行のルールが見直されれば、間違いなくショウヘイ・オオタニが二刀流選手であることでドジャースが不公平な優位性を得ていると考える球団からの不満も和らぐことになる」

 二刀流戦士の活躍を促すために誕生した「大谷ルール」は、この先にどう変わっていくのか。球界の均衡を保つ上でも、全面的な規制緩和を検討すべきなのは間違いない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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