ド迫力の打撃で、本塁打をハイペースで打ち続けている村上(C)Getty Images

 日本の三冠王としての「真価」の問われるルーキーイヤーを、村上宗隆は堂々と謳歌している。ホワイトソックスとの2年総額3400万ドル(約53億円)契約の1年目は、初夏の訪れを前に「成功」と言われるほどの成果が出ている。

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 とにかく目に見える形で村上は答えを出し続けている。開幕からレギュラーポジションを手にした26歳は48試合に出場して、17本塁打(ア・リーグ1位)、32打点(同5位)、長打率.557(同6位)、OPS.939(同5位)、ハードヒット率59.0%(MLB1位)と軒並み好成績を維持。とりわけパワー系指標では日本人離れした打力を発揮し続けている。

 無論、課題が完全に消え去ったわけではない。むしろ、打率(.240)、三振率(32.5%)、空振り率(43.1%)の高さは、ヤクルト時代から確実性における問題点を明確に示している。

 それでも村上に対して開幕前に渦巻いたネガティブな見方をする風潮は皆無に等しいものとなった。一時は「成功しないのではないか」と疑った米球界だが、今ではホワイトソックス2年3400万ドルの契約が「ベストバイ」と評価する方向へと変わっている。

 ではなぜ、鵜の目鷹の目の米スカウトたちは村上の真価を見出さず、正式なオファーを見送ったのか。米YouTubeチャンネル『Foul Territory』のホストを務めるスコット・ブラウン氏は「球界全体がホワイトソックスにたったあれだけの金額でムラカミを獲らせてしまったと言える」と言及。「私はあのチームが超大型契約を出すつもりがあったとは思えない。もしも、やり直せるならと後悔している球団はあるだろうね」とし、和製大砲に対するスカウティングの裏事情を明かしている。

「リーグ全体で、ムラカミはゾーンのコンタクト率が悪すぎると評価されていたみたいなんだ。

あるスカウトは『彼には守備面の課題もあった。それを打撃で補えるとは思えなかった』と語っている。しかし、実際は違った。40本塁打以上も打てる可能性があって、平均レベルの守備もできている。ホワイトソックスが賭けた価値は十分にあった。むしろ支払った以上の価値がある」

 低評価を覆した村上には、球団OBも賛辞を惜しまない。2005年にホワイトソックスが世界一となった際の正捕手だったAJ・ピアジンスキー氏は、同番組内で「ムラカミは間違いなく新人王を獲るね。誰が何と言おうと関係がない」と断言。そして、「三振率なんて誰が気にするんだ? 今は三振数を気にする時代じゃない。OPSで.900以上を打てばいい」と続けている。

「どこを見誤ったら獲得を見送ろうとなるかが私には分からない」

 果たして、「村上フィーバー」はどこまで続くのか――。その熱狂が続く限り、苦虫を噛み潰すメジャーリーグ関係者は少なくなさそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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