コンディション不良でかつての輝きを取り戻しきれていないネイマール(C)Getty Images

 来る北中米ワールドカップ(W杯)での世界制覇を目指すブラジル代表に、果たしてネイマールは必要なのか――。過去3大会に渡って大黒柱として代表をけん引してきた“クラッキ”の選出が波紋を呼んでいる。

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 現地時間5月18日に発表された26人のメンバーの中で“ビッグサプライズ”と呼べる選出となったのが、ネイマールだ。2023年10月に行われたW杯南米予選のウルグアイ代表戦で左膝前十字靱帯断裂の重傷を負った“ガラスのエース”は、実に2年7か月も代表活動から遠のいた。

 その間に1年以上かけて治療とリハビリに専念し、すでに戦線に復帰。今年1月からは母国の古巣サントスでプレーしているが、今年に入ってから出場した公式戦の数はわずか15。プレー時間にして1265分しかない(その間に6ゴール、4アシストを叩き出しているのは流石だが……)。

 ブラジルを率いるカルロ・アンチェロッティ監督が「キャプテンにしないこと」「スタメン起用しない布陣を念頭に置いていること」「大会期間中のソーシャルメディアの利用制限」を条件に招集を決めたネイマール。本人はクラブの公式サイトで「(名前を呼ばれてから)数時間は泣き続けた。ここまで来るのは簡単ではなかった」と心情を吐露したが、やはり代表を勝たせるようなプレーができるのかどうかの不安は付きまとう。

 ブラジル代表の歴代最多79得点の大エースの復活を待ち望む国民の反響は「勝たせてくれるなら」と上々だ。しかし、近年でコンディションが明らかに落ち、運動量とスピードも低下する最盛期とは程遠い偉才を疑問視する意見が尽きないのも事実だ。

「彼の代表選出には、深い嘲笑を感じるね」

 そう厳しい言葉を投げかけるのは、元フランス代表FWで、1998年のW杯優勝メンバーの一人であるクリストフ・デュガリー氏だ。以前からピッチ内外で品行方正に欠けるネイマールを「あいつは王様か何か」と断じてきた往年の名手は、母国のスポーツ専門ラジオ局『RMC Sport』で「みんなが彼を愛しているのは事実だし、それは問題じゃない。

でも、彼が一体何を団結させるっていうんだ」と投げかけている。

「もうすでにおかしいじゃないか。大会が始まる前なのに『すぐにケガをするだろう』とか、『あいつ太ったな』という声が聞こえてきている。多くの人がまるで見せ物のように扱っているのに、他でもないネイマール自身も乗っかっている。ああいう振る舞いが賢い考え方だとは思わない」

 さらに「彼は誰かのために走れるのか?」と厳しい言葉を続けるデュガリー氏は、「今回のネイマールの代表選出は、ブラジルが完全に落ちぶれたことを示している」と糾弾。改めて天才の現況を嘆いた。

「あのネイマールを、他の選手と同じような選手だと思い込むのは、もはや幻想だ。あの若者が、今のブラジルに何かをもたらせるかどうか。その確信を私は持てない」

 相次ぐ批判は、裏を返せば、関心の表れである。厳しい逆風をネイマールは吹き飛ばせるだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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