上田の競り合いの強さはW杯でも発揮されるだろう(C)Getty Images

 日本はワールドカップ初戦を現地時間6月14日、アメリカ・ダラスで強豪オランダと戦う。今季のエールディビジは10人(1月、ヴォルフスブルクに移籍した前NECの塩貝健人を含む)の日本人選手が参戦した。

現地の多くの記者が小野伸二の時代から日本人選手を見てきた。彼らはオランダ代表のエキスパートであり、日本通である。そんなオランダのトップジャーナリストたちに森保ジャパンのリアル評を訊いてみた。

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『アルヘメーン・ダッハブラット』紙のミコス・ハウカ記者は「2025年10月のブラジル戦、2026年3月のイングランド戦の、日本の勝利は決して偶然ではありません 」と語る。

「日本は出場国の中で、戦術的におそらく最も進化しているチームです 。規律の高さに加え、殺人的なカウンターの速さが武器です。個々の選手もレベルが上がりました。アヤックスのイタクラ(板倉滉)、トミヤス(冨安健洋)、フェイエノールトのワタナベ(渡辺剛)、ウエダ(上田綺世)といった選手たちは、もはや所属チームの補完的な存在ではなく中心選手です」

 ミコス記者は日蘭戦を「1-1の引き分け」と占う。

「高度なチェスのような戦術的試合になるでしょう。オランダがボールを保持するが、日本のスピードを警戒するクーマン監督はDFライン背後のスペースを消すために慎重な采配を振るうはずです。日本に対して無謀な攻撃を仕掛けるのは自殺行為に等しいとわかってますからね」

 同じく『アルヘメーン・ダッハブラット』紙のヨハン・イナン記者は日本のことを「真剣に対策すべき国。ブラジルやイングランドといった強豪国への勝利も、私にとっては驚きではありません」と言う。

「スペイン、ドイツを破ったカタールW杯以来、私は日本が遅かれ早かれ、世界のトップに食い込む国だと確信してました。以前のような規則正しくタフな選手に加え、ダイナミックな選手が日本には育ってます。W杯予選でインドネシア(日本が6-0、4-0で連勝)を圧倒した際、日本の成長を再確認しました。日蘭戦は2-2になると思います」

 ポータルサッカーサイト『サッカーニュース』で原稿を執筆したり、ポッドキャストに出演したりするイェスパー・ラングブルック記者は「日本は『個の力』で試合を決定づける選手が増えてきた」と見ている。

「特にアタッカー陣に顕著です。ウエダは今季25ゴール。オランダリーグの得点王です。チームの得点源であるだけでなく、前線の起点としても違いを作っています。NECのオガワ(小川航基)は8ゴール3アシスト、一方で守備陣は『堅実・信頼』という昔ながらの日本人のイメージ通りの選手です。そのことはディフェンダーとしてポジティブな特性です」

 日本のことを「従前からの評価通り、戦術的に規則正しく、約束ごとを忠実に守るチーム」と評するラングブルック記者は日蘭戦をこう予想する。

「日本はこのグループにおけるオランダの最大のライバルと見なされています。これは、日本サッカーのステータスと代表チームの威信が向上した証拠です。

オランダが主導権を握ってゲームを作ろうとする一方で、日本はやや引き気味に構え、カウンターからチャンスを伺う展開になると予想します。1-1 の引き分けに終わるでしょう」

[取材・文:中田徹]

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