黒沢清監督の映画『蛇の道』より、主演・柴咲コウの怪演が鮮烈なインパクトを与える場面写真が解禁された。

【写真】内なる狂気秘めた難役の柴咲コウ『蛇の道』場面写真

 本作は、黒沢監督が1998年に劇場公開された同タイトルの自作をフランスを舞台にセルフリメークし、自ら「最高傑作ができたかもしれない」と公言するほどのクオリティーで放つリベンジ・サスペンスの完全版。



 まな娘を何者かに殺されたアルベール・バシュレは、パリで働く日本人の診療内科医・新島小夜子の協力を得ながら犯人探しに没頭、復讐(ふくしゅう)心を募らせていく。だが、事件に絡む元財団の関係者たちを拉致監禁し、彼らから重要な情報を手に入れたアルベールの前に、やがて思いもよらぬ恐ろしい真実が立ち上がってきて…。

 アルベールの復讐に協力する小夜子にふんしたのは、柴咲コウ。フランス語の厳しいレッスンに臨み、現地で実際に生活をして、パリで暮らす謎多きヒロインを完璧に自分のものにしている。

 復讐に燃えるアルベールを演じたのは、『レ・ミゼラブル』(2019)でセザール賞主演男優賞にノミネートされた注目のフランス人俳優ダミアン・ボナール。また、黒沢監督とは5度目のタッグとなる西島秀俊が心を病んだ小夜子の患者・吉村役、青木崇高が小夜子の夫・宗一郎役で出演。
さらに、『ダゲレオタイプの女』(2016)に続く黒沢監督作品への出演となる、『彼女のいない部屋』(2021)などの監督としても知られるマチュー・アマルリック、『ネネットとボニ』(1996)などのグレゴワール・コランら、フランスの名優が拉致される財団の幹部にふんし、脇を固める。

 娘を殺した犯人を突き止め復讐することを生きがいとする男・アルベールと、彼に協力する心療内科医の小夜子。事件にある財団が関わっていることをった2人は“徹底的復讐”を開始する。この度解禁された場面写真は、アルベールと小夜子が財団の関係者たちを次々と拉致監禁し、拷問するシーンを捉えたもので、何者かに冷たい視線を向け、容赦なくナイフを振りかざす小夜子の狂気に満ちた姿も。医師として働く一方で、他人の復讐に協力する小夜子の本当の目的はいったい何なのか。復讐の先に待つ真実とは―。


 終始感情が読めず、内なる狂気を秘めたこの難役を見事に演じ切った柴咲について、黒沢清監督は「彼女の鋭く怪しい眼差しと、野獣のような身のこなしが、この映画をオリジナル版にもましてミステリアスで深みのある作品に格上げしてくれました」と絶賛する。

 映画『蛇の道』は、6月14日より全国公開。