バレーボール ▽大同生命SVリーグ女子 チャンピオンシップ準決勝 第3日(20日、佐賀・SAGAアリーナ)

 レギュラーシーズン(RS)3位のPFUブルーキャッツ石川かほく(PFU)は涙の準決勝敗退が決まった。1勝1敗で迎えた運命の第3戦で、元日本代表の中田久美監督が率いる同2位のSAGA久光スプリングス(SAGA久光)から2セットを先取したものの、逆転を許し、3-2のフルセットで敗戦。

チャンピオンシップ(CS)初進出ながら“下克上V”を目指したが、決勝には一歩届かなかった。

 2―2で迎えた最終セット。PFUの大砲・バルデスが果敢にスパイクを打ち込んだが、相手にマッチポイントを握られた。最後は166センチのアタッカー・上村杏菜のスパイクがブロックに阻まれ、決勝への道が閉ざされた。上村の目から大粒の涙があふれた。

 ホーム・石川での準々決勝で、6位の刈谷に2連勝して乗り込んだ敵地での準決勝。PFUは18日の第1戦は3―1で先勝し、19日の第2戦はSAGA久光にフルセットで惜敗。1勝1敗で大一番を迎えた。

 バルデスを軸に上村、大熊紀妙のサイド、ミドルブロッカー・タットダオのクイックなど、日本代表セッター・松井珠己がトスワークを見せつけ、先に2セット(S)を連取した。だが、“王手”をかけて臨んだ第3Sで流れは急転。相手はサイドの選手を入れ替え、攻撃を立て直した。セット中盤に逆転を許すと、バルデスのスパイクも止められる場面が増え、第3、4Sを連取された。

最終Sも形勢は変えられず、セット前半に点差を離された。上村のパワフルな攻撃などで粘るも、最後は力尽きた。

 頂点には届かなかったが、大躍進だった。前身Vリーグ時代から8~11位と上位争いに顔を出せず、昨季もRS10位。だが、今季は全13チームから白星を挙げ、31勝13敗の3位でCSに初進出。飛躍の要因は、見渡せば海や畑が広がる拠点の石川・かほく市にあった。坂道も多く「ちょっと勘弁してくれって感じなんですけど、坂ダッシュし放題なんです」と細沼綾主将はいう。オフの夏場はチーム全員で体をいじめ抜き、年齢関係なくバテた仲間がいたら「終わったら、馬場監督におごってもらうぞー」と明るい声を掛け合い、一丸で強化してきた。

 また、「数値」にもこだわってきた。「昨季はメンバーがそろったからといって強いわけではないことが分かった。今季は夏場に一人一人が個々のスパイク力、サーブレシーブなどのレベルを高めるために数値にこだわってきた」と細沼。昨季の上位チームのデータをもとに目標値を定めて結果につなげてきた。

 地元ファンと一致団結して戦った。選手による田植え体験や子供に向けたバレー教室など、かほく市との交流も深め「ブルーキャッツファミリー(ファンの呼び名)に『ここまで来たんだ』と新たな感情になってほしい」と主将が話していたように、飛躍のシーズンとなった。来季は頂点へのリベンジに向け、さらなる強さを求めていく。

 ◆チャンピオンシップ レギュラーシーズン(RS)の成績上位8チームが進み、ノックアウト方式で実施。2戦先勝で1勝1敗の場合のみ第3試合を行う。準々決勝と準決勝はRSの上位チームのホームで催し、1位と8位、2位と7位、3位と6位、4位と5位が対戦。決勝は25日~27日に横浜BUNTAIで開催し、日本一を決める。

編集部おすすめ