大みそかの『第69回紅白歌合戦』に出場し、大きな話題となった刀剣男士。刀剣を手に舞いながら歌う姿に衝撃を受け、彼らが何者なのか疑問を持った人も多いはず。
そこで今回は、刀剣男士がどういった存在なのか、さらに刀剣男士が登場するミュージカル『刀剣乱舞』の魅力を紹介したい。

【写真】刀剣男士『第69回NHK紅白歌合戦』リハーサルの模様

 ミュージカル『刀剣乱舞』(通称:刀ミュ)は、大人気PCブラウザ・スマホアプリゲーム「刀剣乱舞‐ONLINE‐」が原案。同じくこのゲームを原案としたアニメ、舞台(通称:刀ステ)もそれぞれ人気で、刀剣を展示する全国の博物館などがファンで活気づくなど、コンテンツ自体のパワーも注目されている。

 「刀剣男士」は、名だたる刀剣が戦士の姿となったもの。刀剣であるため、「人」ではなく「振り」と数える。刀ミュは2015年10月のトライアル公演を皮切りにシリーズを重ね、世界遺産・嚴島神社での奉納行事としての特別公演や、フランス・パリで開催された「ジャポニスム2018:響き合う魂」公式企画としての公演も大きな話題になった。
NHKもそんな彼らの活躍に注目。音楽番組『シブヤノオト』には過去複数回出演、パリ公演に密着した特別番組『シブヤノオトPresents ミュージカル『刀剣乱舞』‐2.5次元から世界へ‐』も放送され、今回の紅白出場となった。

 刀ミュは、刀剣男士たちが歴史の改変を目論む「歴史修正主義者」と戦う物語を主軸にしたミュージカルと、その刀剣男士たちが歌って踊り、ペンライトを持った観客を熱狂させるライブの2部構成。さらに刀剣男士が一堂に会して歌い踊る大型ライブ「真剣乱舞祭」や、ソロライブとも言える「加州清光 単騎出陣」などのライブ公演もチケット即売の人気。紅白歌合戦でも歌唱したテーマ曲の『刀剣乱舞』を初め、ミュージカルの楽曲はCDとして発売されており、毎回発売初週にオリコン上位を獲得している。

 2.5次元ミュージカルでは、役者がいかにそのキャラクターを体現し、ステージ上で“生きて”みせるかが重要だが、刀ミュはキャラクター再現率の高さも魅力の1つとなっている。
彼らは記者会見などでも刀剣男士としてコメントし、ファンのことも“主(あるじ)”と呼ぶ。ではここで、紅白で気になった人に向け、刀剣男子と刀剣乱舞を演じる俳優を4振り、4人ほど紹介しよう。 まずは、平安時代の刀工、三条宗近作の太刀で、天下五剣のひとつ「三日月宗近」を演じる黒羽麻璃央。“2.5次元の王子様”の呼び声高く、確かな演技力、そして歌唱力で将来が期待される俳優だ。テレビや映画など映像作品への出演も積極的で、1月の新ドラマ『広告会社、男子寮のおかずくん』(テレビ神奈川ほか)では主演を務める。

 また、新撰組の沖田総司が使用していたとされる打刀「加州清光」役の佐藤流司も注目の俳優。
“2.5次元の顔”とも評される彼は、キャラクター再現度の高さとメークの映える美しいビジュアル、低音でよく響く声が武器。前述の「加州清光 単騎出陣」は2017年、2018年とも大盛況で、2019年には上海、バンコク、マカオを回るアジアツアーの開催も決定している。

 さらに、源氏の重宝である「髭切」&「膝丸」を演じる2人も要チェック。「髭切」役の三浦宏規は、全国バレエコンクールで上位入賞の経験を持つダンサーでもあり、気高い立ち姿と踊りの美しさは圧倒的。初めてのミュージカル出演からキャリアはわずか2年半だが、2019年4月にはオーディションを経て射止めたミュージカル『レ・ミゼラブル』のマリウス役を演じることも決まっている。

 そして、そんな三浦演じる「髭切」の弟である「膝丸」役を務める高野洸は、あの人気アニメ『妖怪ウォッチ』の主題歌「ようかい体操」を歌っていたDream5の元メンバー。
ダンサーとしての実力とおなじみの歌唱力で、今や刀ミュに欠かせない存在になっており、2019年7月4日からは「髭切膝丸 双騎出陣2019」の上演も決定している。

 ほかにも、「小狐丸」「石切丸」「岩融」「今剣」「大和守安定」「和泉守兼定」「堀川国広」「蜂須賀虎徹」「長曽袮虎徹」「にっかり青江」「千子村正」「蜻蛉切」「物吉貞宗」「陸奥守吉行」「巴形薙刀」「大倶利伽羅」…と、武蔵坊弁慶や徳川家康、新撰組、坂本龍馬ら歴史上のヒーローに縁ある刀剣や、彼らに憧れられた伝説の刀工たちの作刀が登場。

 それを演じるのは北園涼崎山つばさ佐伯大地、大平峻也、鳥越裕貴有澤樟太郎阪本奨悟高橋健介伊万里有荒木宏文太田基裕、spi、横田龍儀、田村心、丘山晴己、牧島輝といずれも注目の俳優ぞろいだ。

 歌舞伎や文楽などの伝統芸能とともに、日本を代表する文化として世界から注目されているミュージカル『刀剣乱舞』。紅白をきっかけにゲーム、アニメなどコンテンツとして楽しむもよし、ミュージカルや舞台を楽しむもよし。日本の文化から生まれた新たなカルチャームーブメントを受け止めよう。


 「ミュージカル『刀剣乱舞』~三百年の子守唄2019~」は、1月20日~3月24日に東京・大阪・京都にて上演。