作家・村上春樹が2013年に発表した短編小説『ドライブ・マイ・カー』が、『ハッピーアワー』『寝ても覚めても』の濱口竜介監督により映画化され、2021年に全国公開されることが決まった。

【写真】濱口竜介監督映画『寝ても覚めても』場面写真

 『ドライブ・マイ・カー』は、村上の短編集『女のいない男たち』(文春文庫刊)所収の作品。

亡き妻との記憶にさいなまされ続ける舞台俳優の家福(かふく)を主人公に、計り知れない喪失やほのかな希望をつづる。

 メガホンをとる濱口監督は、4人の女性の友情と心の機微を丁寧に描き上げた5時間を超える長編『ハッピーアワー』(2016)が、ロカルノ、ナント、シンガポールをはじめ数々の国際映画祭で主要賞を受賞。2人の同じ顔をした男と、その間で揺れ動く女性の歳月を描いた『寝ても覚めても』(2018)は、商業映画デビュー作にして、第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式選出された。また、今年のヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した黒沢清監督作品『スパイの妻〈劇場版〉』では脚本を担当。脚本の分野でも国際的に高い評価を獲得している。

 本作は、濱口監督の熱望によって映画化が実現。
同監督は脚本も手掛ける。村上と濱口監督のコラボレーションが生み出す新たな傑作に期待が高まる。

  映画『ドライブ・マイ・カー』は、2021年全国公開。