北朝鮮で相次ぐ住宅建設の欠陥問題をめぐり、建設現場を担う「建設旅団」の深刻な専門性不足が改めて浮き彫りになっている。米政府系放送のRFA(ラジオ・フリー・アジア)は14日、北朝鮮内部消息筋の話として、地方の建設旅団では十分な技術教育を受けていない人員が大量投入され、工事の質低下を招いていると報じた。
北朝鮮では近年、金正恩総書記が平壌5万戸住宅建設をはじめ、大規模建設事業を「愛民政治」の象徴として強力に推進してきた。しかし、現場の実態は理想とは程遠いようだ。
RFAによれば、各地の建設旅団には本来必要な建築技術者や熟練工が不足し、軍隊除隊者や一般住民、さらには経験の乏しい若者まで動員されているという。工期短縮が最優先されるため、基礎工事や配管、コンクリート施工などがずさんになりやすく、完成後まもなく壁面の亀裂や雨漏りが発生するケースも少なくないとされる。
たとえば2023年7月、両江道の三水郡・抱城里(ポソンリ)にあるファピョン協同農場で行われた農村住宅の竣工式では、取材にやってきた朝鮮中央テレビのカメラの前で水道管が破裂し、家の壁が崩壊するという大惨事が起きている。
北朝鮮では慢性的な資材不足に加え、幹部による資材横流しや賄賂も横行しているとされるが、今回の問題は単なる腐敗だけでは説明できない。「そもそも建てる人間に専門性がない」という構造的問題が、住宅品質を根底から揺るがしているのである。
特に注目されるのは、建設旅団が事実上の“半強制労働組織”として機能している点だ。北朝鮮では失業対策や統制維持の意味合いもあり、多数の若者を建設現場へ送り込むが、十分な訓練期間を設ける余裕はない。結果として、「数万人動員」という政治的成果は演出できても、建築物の安全性までは保証できない。
最近では、金正恩氏出席行事の最中に建物外壁の一部が崩れ落ちたとの情報まで流れており、北朝鮮当局も内心では危機感を強めているとみられる。体制の威信を示すはずの巨大建設事業が、逆に「国家の技術力不足」を露呈し始めている。








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