北朝鮮・平安南道平城市で今月、韓国ドラマなど当局が「不純録画物」と規定する映像作品を密かに視聴していた若者2人が、国家保衛機関ではなく安全部(警察機関)に逮捕されていたことが分かった。デイリーNKの現地情報筋によれば、事件の発端は、共にドラマを見た友人が、自ら助かるために2人を当局へ密告したことだったという。

北朝鮮では頻繁に公開裁判が行われており、それを見た経験のある人が大多数だ。ときには公開処刑も行われる。刑場に引き出された人には暴行の痕跡があることが多く、当局に摘発されることの恐ろしさは誰もが知っている。

10年ほど前のことになるが、北朝鮮で、23歳の女子大生が自らの命を絶つという悲劇が起きた。

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、北朝鮮当局は清津(チョンジン)市で一人暮らしをしていた女子大生の家を急襲、家宅捜索を行った。

彼女の家からは韓国映画が保存されたメモリーカードが発見されたことにより悲劇が起こる。

女性大生は、保衛部に連行され、激しい拷問を加えられた。そして、 10年の懲役刑が避けられないことを悟った彼女は、いとこの美容室から持ちだしたパーマ液を飲んで、自ら命を絶ったのだ。

北朝鮮の刑務所は食べ物もまともに出されず、衛生環境も劣悪だ。彼女は、とても生き延びられないと悟ったのかもしれない。

金正恩体制の恐怖政治は、人々の心を確実に縛っている。しかしながら、そのような環境下にあってもなお、北朝鮮国民は「見たいものを見る」自由を、完全に手放してはいないのである。

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