誰にとっても一度は住んでみたい「あこがれの町」はあると思うが、それと実際に住み続けたい町は異なるだろう。では、今住んでいる町にずっと住み続けたいと考えている住民が多いのは、どの都道府県だろうか。

 それを47都道府県の住民へのアンケートによって明らかにしたのが、ブランド総合研究所の実施した「都道府県『定住意欲度』ランキング」だ。

 このランキングは、ブランド総合研究所が2020年6月に行った住民視点で地域の課題を明らかにする『都道府県SDGs調査2020』によるもの。それでは早速、47都道府県の住民へのアンケートでわかった「都道府県『定住意欲度』ランキング」を見ていこう。

※調査を行ったのはブランド総合研究所。アンケートはインターネットにて実施。1万6000人から回答を得た(各都道府県から約350人)。調査期間は2020年6月12日~29日。アンケートでは対象者に対し、現在居住している都道府県に「今後も住み続けたいと思うか」という問いを投げかけ、「ぜひ住み続けたい」「できれば住み続けたい」「どちらでもない」「機会があれば他県に移住したい」「すぐにでも他県に移住したい」の5段階から1つ選んでもらった。回答はそれぞれ100点、75点、50点、25点、0点として全回答の平均を「定住意欲度」とした。そのほか、「住民の個人的な悩み」「地域への不満」を50項目ずつ尋ねている。

※前年度の調査結果は新たにウェイトバック集計を行ったため、前年度発表の報告書内容と数値・順位が異なる。また、点数は同じでも、小数点第2位以下の差で順位が異なる場合がある。

1位は北海道、2位は沖縄県に
都道府県「定住意欲度」ランキング発表!

「都道府県『定住意欲度』ランキング2020」1位は、北海道(84.9点)となった。2位は沖縄県(81.2点)、3位には福岡県(80.4点)がランクインしている。4位の石川県(78.1点)は、前年13位から大きく順位を上げた。

東京と神奈川の順位が急落
新型コロナの影響避けられず

 今回の調査は、2020年6月に実施されたことから、新型コロナウイルス感染拡大の第1波による影響が大きく反映される結果となった。

 例えば、東京都は前年の調査結果では4位だったにもかかわらず、今回は33位にまで転落。定住意欲度は、77.9点から71.6点に下がった。隣り合う神奈川県についても、前年の10位(76.7点)から23位(73.2点)に順位を落とした。

 同調査を行ったブランド総合研究所の田中章雄社長は、こうした結果について以下のように分析する。

「東京都を中心とした首都圏は、新型コロナの感染者数が全国的にも群を抜いていて、負のイメージがついてしまっただけでなく、行政への不信感も高まった。その一方、北海道でも初期から感染者数は深刻だったが、札幌市といった都市以外の自然豊かな場所、すなわち3密とは縁遠い場所に住む人も多いことから、今回の調査では影響が限定的だったのではないか」

定住意欲度を最も下げる
地域への不満は「障がい者対策・バリアフリー」

 今回の調査では、定住意欲度と負の相関が強い「地域への不満」についても分析している。定住意欲度を最も下げる「地域の不満」となったのは、「障がい者対策・バリアフリー」だった。これを不満として挙げた人は全体の5.5%と多くはないが、定住意欲度への影響は無視できないようだ。

 さらに「遺伝子組み換え食品」「排気ガス・大気汚染」「行政サービスの低下」「騒音」の順で、これらが定住意欲度を下げる要因であることがわかった。

「障がい者・バリアフリーなどに対する不満は、現状では一部の人が感じるものかもしれない。しかし、自分が年を重ねたり、体に不自由がでたりした際に地域がどんな支えになってくれるのかは、住み続ける上で誰にとっても重要な関心事となる。一部の人の問題と考えずに、地域社会が一体となって、こうした不満の解消に取り組むべきだろう」(田中社長)

(ダイヤモンド・セレクト編集部 林恭子)

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