シエンプレ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:佐々木 寿郎)は、一般社団法人 デジタル・クライシス総合研究所(住所:東京都港区、所長:佐々木 寿郎)と共同で、調査対象期間に発生したネット炎上についての件数と、その内訳、分析結果を公開しました。
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○資料ダウンロードページ
https://www.siemple.co.jp/document/enjou_report_202603/
■調査背景
2026年1月30日、デジタル・クライシス総合研究所はソーシャルメディアを中心とした各種媒体とデジタル上のクライシスの特性、傾向と論調を把握するために「デジタル・クライシス白書2026」(調査対象期間:2025年1月1日~2025年12月31日)を公開しました。
継続調査の結果報告として、今回は2026年3月1日~2026年3月31日の調査対象期間に発生した炎上事案について、新たに分析しました。
○「デジタル・クライシス白書2026」
https://www.siemple.co.jp/document/hakusyo2026/
■調査の概要
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■調査結果
1. 炎上主体別 発生件数
1-1. 炎上主体別 発生件数と割合(前月比)
3月の炎上事案は319件でした。前月に比べ、74件増加しています。
炎上主体別の内訳では、「著名人」141件(44.2%)、「一般人」73件(22.9%)、「メディア以外の法人」82件(25.7%)、「メディア」23件(7.2%)という結果でした。
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割合については下図のとおり、前月と比較し、「著名人」が14.6ポイントの減少、「一般人」が12.3ポイントの増加、「メディア以外の法人」が0.8ポイントの増加、「メディア」が1.5ポイントの増加という結果でした。
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1-2. 炎上主体別 発生件数と割合(前年平均比)
前年平均比では、炎上事案は189件増加しています。
炎上主体別の内訳では、「著名人」が79件の増加、「一般人」が43件の増加、「メディア以外の法人」が53件の増加、「メディア」が14件の増加という結果でした。
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割合については下図のとおり、前年平均と比較すると、「著名人」が3.5ポイントの減少、「一般人」が0.2ポイントの減少、「メディア以外の法人」が3.4ポイントの増加、「メディア」が0.3ポイントの増加という結果でした。
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1-3. 炎上主体別 発生件数と割合(前年同月比)
前年同月比では、炎上事案は268件増加しています。
炎上主体別の内訳は、「著名人」が123件の増加、「一般人」が61件の増加、「メディア以外の法人」が66件の増加、「メディア」が18件の増加という結果でした。
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割合については下図のとおり、前年同月と比較し、「著名人」が8.9ポイントの増加、「一般人」が0.6ポイントの減少、「メディア以外の法人」が5.7ポイントの減少、「メディア」が2.6ポイントの減少という結果でした。
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2. 炎上の内容別 発生件数
2-1. 炎上の内容別 発生件数と割合(前月比)
炎上内容別の内訳では、「情報漏洩」が7件(2.2%)、「規範に反した行為」が75件(23.5%)、「サービス・商品不備」が21件(6.6%)、「特定の層を不快にさせる行為(※)」が216件(67.7%)という結果でした。
前月と比較すると、「情報漏洩」は4件の増加、「規範に反した行為」は17件の増加、「サービス・商品不備」は8件の減少、「特定の層を不快にさせる行為」は61件の増加という結果でした。
※特定の層を不快にさせる行為:法令や社会規範に反する行為ではないものの、他者を不快にさせる行為(問題行動、問題発言、差別、偏見、SNS運用関連など)
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割合については下図のとおり、「情報漏洩」が1ポイントの増加、「規範に反した行為」が0.2ポイントの減少、「サービス・商品不備」が5.2ポイントの減少、「特定の層を不快にさせる行為」が4.4ポイントの増加という結果でした。
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2-2. 炎上の内容別 発生件数と割合(前年平均比)
前年の平均発生件数と比較すると、「情報漏洩」が6件増加、 「規範に反した行為」が55件増加、「サービス・商品不備」が7件増加、「特定の層を不快にさせる行為」が122件増加しました。
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前年平均の割合と比較すると、「情報漏洩」が1.4ポイントの増加、「規範に反した行為」が8ポイントの増加、「サービス・商品不備」 が4.3ポイントの減少、「特定の層を不快にさせる行為」が5.2ポイント減少しました。
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2-3. 炎上の内容別 発生件数と割合(前年同月比)
前年同月の件数と比較すると、「情報漏洩」が7件増加、「規範に反した行為」が67件増加、「サービス・商品不備」が18件増加、「特定の層を不快にさせる行為」が176件増加しました。
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前年同月の割合と比較すると、「情報漏洩」が2.2ポイント増加、「規範に反した行為」が7.8ポイントの増加 、「サービス・商品不備」が0.7ポイントの増加、「特定の層を不快にさせる行為」が10.7ポイント減少しました。
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3. 炎上内容の詳細区分別 発生件数
炎上内容の詳細を分析したところ、「非常識な行動(モラルのなさ)」に関する炎上事案が74件と最も多く、次いで「不謹慎狩り」に関する炎上事案が70件でした。
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4. 法人等の業界別発生件数
4-1. 法人等の業界別発生件数と割合(炎上の内容別)
炎上主体のうち、「法人等」に該当する炎上105件について、業界ごとに分類しました。炎上事案が最も多かった業界は「メディア」業界で、23件(21.9%)という結果でした。
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業界別の炎上種別を割合で見た場合、結果は下図のとおりです。
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5. 企業規模別の炎上発生件数と割合
炎上の標的が「法人等」の場合に、上場企業か否かや、それぞれの従業員数について調査しました。
なお「法人等」に該当する炎上事案は、日本国内に所在する企業のみを対象としています。
また、公共団体や政党のほか、企業概要や従業員数等の情報が公開されていない団体は本項目の調査対象から除外しています。そのため、本項目における調査対象の総数は49件です。
5-1. 炎上主体における上場企業・非上場企業の件数と割合(前月比)
上場区分に関して「上場企業」が主体となった事例が6件(12.2%)、「非上場企業」が主体となった事例が43件(87.8%)という結果でした。
前月と比較すると、「上場企業」の件数は5件減少、「非上場企業」の件数は13件増加しました。
[画像18]https://digitalpr.jp/simg/2393/134150/700_384_2026043015382669f2f8e285cba.png
割合を比較すると、「上場企業」の割合は14.6ポイント減少しました。
[画像19]https://digitalpr.jp/simg/2393/134150/700_384_2026043015390769f2f90b00817.png
5-2. 炎上主体における上場企業・非上場企業の件数と割合(前年平均比)
前年平均と比較すると、「上場企業」の件数は2件増加、「非上場企業」の件数は25件増加しました。
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割合を比較すると「上場企業」の割合は6ポイント減少しました。
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5-3. 炎上主体における上場企業・非上場企業の件数と割合(前年同月比)
前年同月と比較すると、「上場企業」の件数は横ばい、「非上場企業」の件数は33件増加しました。
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割合を比較すると、炎上した企業のうち、「上場企業」の割合は25.3ポイント減少しました。
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5-4. 炎上の対象となった従業員数と売上高の散布図
従業員数500人未満、売上高は500億円未満の企業で炎上事案が多く発生しました。
なお、グラフの集計範囲外ですが、従業員数約1万3千人、売上高約1兆9,000億円といった大企業の炎上事案も確認されました。
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■分析コメント
国際大学グローバル・コミュニケーション・センター教授 山口真一氏
2026年3月の炎上事例で印象的だったのは、クックパッドの新機能「レシピスクラップ」をめぐる騒動です。
しかし、料理研究家やレシピ発信者からは強い反発が起きました。自分たちが考え、撮影し、発信してきたレシピが、別のサービスの中で消費されてしまうのではないか。元の投稿へのアクセスが減り、評価や収益の機会が失われるのではないか。そうした不安が一気に広がったのです。
この炎上の本質は、単に「レシピに著作権があるのか」という法律論だけではありません。もちろん、文章表現や写真、動画などがどこまで取り込まれるのかという点は重要です。ただ、それ以上に大きかったのは、外部の作り手が積み上げてきた価値を、プラットフォーム側が自社サービスの利便性や課金価値に組み込んでいるように見えたことです。
クックパッド側は、取り込んだレシピは非公開であり、元のページへのリンクも表示すると説明しました。けれども、利用者がクックパッド内で材料や手順を確認し、そのまま料理を完結できるのであれば、発信者の側から見ると、元の投稿を見てもらう機会は減るように感じられます。たとえ企業側に悪意がなく、かつ、法律に違反していなかったとしても、「作り手への敬意が足りない」と受け止められれば、批判は避けられません。
いまやレシピは、単なる作り方の情報ではありません。料理家やインフルエンサーにとっては、日々の発信の積み重ねであり、ファンとの関係であり、仕事につながる大切な資産です。その価値を、AIによって要約し、整理し、別の場所で見やすくする。技術的には便利でも、作り手の立場からすれば、自分の成果物だけが抜き取られているように映るわけです。
今回の事例が示しているのは、AI時代のサービス開発では、「できること」と「受け入れられること」は別だという点です。違法とはいえないとしても、関係者の納得がないまま他者のコンテンツを利用すれば、企業への信頼は大きく傷つきます。特に、投稿者やクリエイターの活動基盤に関わる領域では、利便性だけを前面に出す設計は危ういといえます。
企業がこうした炎上を防ぐためには、法務チェックだけで安心しないことが必要です。公開前に、元の発信者にどのような不利益が生じるのか、送客や収益機会を奪う構造になっていないかを丁寧に確認しなければなりません。出典表示、元ページへの自然な誘導、オプトアウト、場合によっては提携や還元の仕組みも検討すべきです。
また、サービス公開前に当事者であるクリエイターや専門家の意見を聞くことも有効です。企業の中だけで考えていると、どうしても利用者の便利さに目が向きがちです。
AIによって、情報を集め、整え、再利用することは容易になりました。だからこそ企業には、「誰の価値を使っているのか」「その人に不利益が生じないか」を考える姿勢が求められます。炎上を防ぐ鍵は、技術的な新しさではなく、関係者が納得できる設計と説明にあります。
■(参考)分類基準
1.分類基準(炎上の主体)
抽出したデータは以下の表1に基づき分類しました。
(表1)分類基準(炎上の主体)
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参考:山口真一(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授):
『ネット炎上の研究「炎上の分類・事例と炎上参加者属性」』、 出版記念公開コロキウム用資料、2016
公に情報を発信する機会の多いメディア関連の法人については、炎上に至る経緯に違いがあるため、他業種の法人と分けて集計しています。
2.分類基準(炎上の内容)
抽出したデータは以下の表2に基づき分類しました。
(表2)分類基準(炎上の内容)
[画像26]https://digitalpr.jp/simg/2393/134150/600_250_20250107114734677c95c62896b.png
参考:山口真一(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授):
『ネット炎上の研究「炎上の分類・事例と炎上参加者属性」』、 出版記念公開コロキウム用資料、2016
3.分類基準(業界)
また、炎上の主体が「法人等」の場合、20の業界に分類しました。
なお、該当しない業界に関しては「その他」としてデータを処理しました。
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参考:業界動向サーチ「ジャンル別業界一覧」https://gyokai-search.com/2nd-genre.htm
■一般社団法人デジタル・クライシス総合研究所 概要
研究所名 :一般社団法人デジタル・クライシス総合研究所
設立 :2023年1月20日
代表理事 :佐々木 寿郎
アドバイザー:山口 真一(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授)
沼田 知之(西村あさひ法律事務所所属弁護士)
設立日 :2023年1月20日
公式HP :https://dcri-digitalcrisis.com/
関連会社 :シエンプレ株式会社
関連リンク
シエンプレ株式会社
https://www.siemple.co.jp/
iの視点
https://www.siemple.co.jp/isiten/