ナマズに注意!?　道路で見かける「ナマズ看板」の意味とは？

車を走らせていると目に入る看板や標識。道路名を記したものや、制限速度を表示しているものなど、その種類は実にさまざまだ。動物が頻繁に道路を横切る山間部などには、動物の飛び出しに注意を呼びかける看板も立っているらしい。シカやキツネなどのイラストが描かれており、ドライバー達にわかりやすく表示しているのだそうだ。このような動物看板は、野生の動物達が身近にいる地域ならではのユニークな看板と言えるのではないだろうか。

……いや、そういえば都市部でもひとつだけ動物看板があったぞ……。
そう、その看板こそ「ナマズ看板」である。都市部の大通りにデーンと掲げられた看板。その中央にはド派手なナマズがでかでかと描かれている。もちろん私は「ナマズ看板」を見かける度に、ナマズが道路に飛び出してこないか細心の注意を払っているが、一度もナマズが飛び出してきたことはない。そればかりかナマズの気配すらないのである。ナマズが飛び出してこないのに、なんで「ナマズ看板」があるのだろう？
そこで、警視庁に「ナマズ看板」とは何なのかを聞いてみた。

「ナマズの看板は緊急交通路の目印なんです。緊急交通路とは、震災時に一般車両の進入が規制される道路のことです。震災時は物資などの運搬がスムーズに行われるよう、一般車両の進入を規制するんです」

確かに物資の運搬が渋滞などに巻き込まれたら困ってしまう。それを避けるための道路が緊急交通路ということか。しかし、そんな緊急交通路になんでまたナマズが……？

「地震と言えばナマズ……だからではないでしょうか？　かれこれ10年以上ナマズでやっているらしいのですが、詳細はわかりません……」

どうやら、このナマズは10年選手なんだそうだ。担当者が警視庁に入る前から存在しているベテランナマズなので、詳細はわからないらしい。それにしても、この「ナマズ看板」はポップ過ぎないか？　考えてもみてほしい。この緊急交通路とは震災時に活用されるものである。震災時のシリアスな状況で、このナマズの指示に従えってか……。

「緊急交通路の存在は、地震が起こる前に知ってほしいと思っています。地震などが起きた後ですと、どの道路が緊急交通路なのかを知るのは困難ですからね。ですので、今のうちから、皆さんに広く知ってもらおうと、あのような目立つ看板になっています」

なるほど、事前に緊急交通路のことを知ってもらうために、あえて目立つようなデザインになっているということか。

ということで、道路で「ナマズ看板」を見かけた際には、ナマズの飛び出しに注意するのではなく、「この道路は緊急交通路なんだな」と覚えておきましょう！
（ドープたつま／studio woofoo）