「PARIS(パリ製)」の表記はいわば“高級品の称号”ではないだろうか。パリ製といえば、ファッションブランドの印象が強いが、ワインなども有名なようにその称号がつく食品も少なくない。

そもそも高級品の定義とはなんだろうか? 値段が高ければ高級品なのか? というわけでもない。それ相当の欲求を叶えてくれなければ。

私は個人的に“アイス”が大好きで、いろいろな商品を試している。高級なアイスとして、ファッションの感覚を思わせる「PARIS(パリ製)」の「FAUCHON(フォション)アイスクリーム」に注目してみた。紅茶で有名なフォションだ。

高級品といえば、楽しみのひとつは商品の包装や紙袋。もちろんその袋は捨てずに保管するのが、私の鉄則だ。いつ使うのか? と自分にも問いたいが、一種のステータスなのかもしれない。
フォションアイスクリームはモノクロを貴重とした紙袋に包装され、高級感漂うピンクの箱、カップに包まれ、また内袋、内蓋までシンプルで余念がない。このピンクの箱、よく見るとツヤツヤしている。ラメ加工?

販売元のナポリアイスクリームによると、「フォションアイスクリームはフランス・パリの『フォション社』の名を冠した商品ですが、開発は森永乳業とフォション社のパティシエの共同で行い、製造ならびにパッケージデザインは森永乳業が主体となって制作しております。森永乳業さんによるとデザインのこだわりとして、消費者が『フォションといえば~』で想起しやすい紅茶缶の金属の質感を資材メーカーとインクから共同開発したほか、特殊な方法で印刷し、紙の上にメタリック感を表現したと伺っております」

ブランドの信用と国産の信用。
ダブルネーム? トリプルネームか? 歴史の古いフォション社のこだわりと国産とくれば、文句なしだ。

高級志向はウェブサイトも同様だ。フォションアイスのウェブサイトを見ると取扱店舗のカテゴリが「Boutique(ブティック)」とある。ブティック? アイスクリーム屋さんですよね? しかもズラーッと並ぶ店舗名はほぼ「高島屋~店」。高島屋にあるブティックって?!
「フォションは、パリで最高級の食材を世界中から集めて販売をし始めたのが発祥の食料品店です。高島屋が日本で一番初めに輸入を始めた経緯から、関係が深く『フォションといえば高島屋』のイメージが定着しているようです」
2006年HPのトップ画像もアイスを口紅に見立てたりとユニークだ。

肝心な“味”のほうだが、「~しすぎない」というのが高級品の定義なのでは? と感じた。ファッションでもそうだが、派手すぎない、地味すぎない、それでいて上品であり奥深い。そして高級品の定番といえばシンプル、王道!!
ラインナップも「マダガスカルバニラ」「ショコラ」「手摘み抹茶」「ストロベリー」とアイスの王道揃いだが、素材やネーミングにこだわりを感じる。

先日、新商品「アイスクリームバー宇治抹茶」(3月23日発売予定)の試食をさせていただく機会があったのだが、抹茶の苦味、カカオの苦味が実に上品に表現されている。男性の意見としても「甘すぎないから、おいしい。でもコクは十分にある」と好感触。
なんにしても“上品”が一番高級感を生むのではないだろうか。
やはりブランドイメージも強いのだろうか? 客層としても、高貴な方が多いのだろうか?

「女性でブランドを認知いただいている方からは、『あのフォションが出しているアイスなのね』のようにブランドイメージで興味を持っていただき、ご試食でも満足していただいております。ご年配の方などには、『孫が遊びに来るから、フォションアイスを買う』など、ちょっとだけ特別な時にご喫食いただく、といったお声も伺っております」

高級品は特別なときに、ちょっとした大人の贅沢として楽しむもののひとつなのだ。お金を出す前に、本当に欲求を満たしてくれるのか、ちょこっと品定めをしてみてくださいな。
(楓 リリー)
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