そんな、我々“高いところ好き”の欲求を最高級に満たしてくれるのが、遊園地の「観覧車」。
しかし、“観覧車は遊園地にある”という固定観念は大間違いだった。8月8日にイカロス出版から発売されたムック『日本の観覧車』では、全国に153基ある観覧車の中から特に魅力的な20基を紹介してくれているのだが、これがスゴい。
街中のビルに観覧車が設置されていたり(“ビルトイン型観覧車”と言う)、リゾートホテルの中庭に設置されてたり、個人所有物の観覧車があったり……。
こんな魅力的な観覧車たちが特集されているのだが、何故こんなムックを企画したのか。イカロス出版に伺った。
「大阪に取材に行ったとき、ビルの上に観覧車があったのでビックリしたんです。東京では考えられないことで、『こういう観覧車、あるのか?』と調べてみると、特徴的な物が結構あったので企画しました」
イカロス出版の編集者がビックリしたのは大阪府にある「HEP FIVE 観覧車」。ビルの吹き抜け部分に組み込まれ、回転輪を支える支柱6本がビル内を突き刺すように伸びている、世界初のビルトイン型観覧車。
ムックでは、他にもビックリするような観覧車が多数紹介されている。
福岡県にある「スカイドリームフクオカ」は、高さと直径、どちらも日本一の大きさを誇る観覧車。
北海道にある「ガリバーくん」は、日本で唯一の個人が所有・運営する観覧車。1988年に開催された地方博覧会で活躍したのち、現在の場所(北海道池田町)に移設され、現在はオーナーの白幡諭さんが管理している。年間利用客は4千人。
ムックでは他にも“観覧車トリビア”と題して、さまざまな観覧車の雑学を掲載。まず挙げられた「観覧車のルーツは?」というテーマだが、“観覧車の祖先は水車や風車では”なんて説があるという。それ以降、観覧車が現在のように発展していく過程も調査されている。
また「観覧車ってどのくらいの値段?」というテーマでのリサーチ報告も。約675万円の国内の観覧車もあれば、海外には約115億円の豪華な観覧車も存在しているようだ。
巻末の「ニッポンの観覧車 全国153基オールガイド」では、北海道から沖縄までの観覧車を網羅。観覧車の名前、所在地、高さ、直径などのデータをカバーした永久保存版となっている。
日本に観覧車ができたのは1906年(明治39年)。その観覧車、現在では国内で“世界最大”を競い合ったり、ビルと一体化することによって繁華街に大観覧車を出現させたり、なんともスゴいことに。一方、地方都市の小さな公園では、小さくてクラシカルな観覧車が未だに頑張っている。
それらの情報が盛りだくさんの『ニッポンの観覧車』を読んで、今まで知ることのなかった“観覧車の未知の領域”に足を踏み入れるのもいいのではないだろうか? このムックでは、全国の個性的な観覧車を疑似体験できる。
(寺西ジャジューカ)