「台湾好きだったら、ベトナムもきっと好きだと思いますよ」
台湾が好きで何度か足を運んでいるという話をしたとき、ある編集者にこんなことを言われた。
どこに共通点が? と思うのだが、いずれも「とにかくご飯が美味しくて、日本人の口に合っている」という声は多い。


もちろん「ベトナムとタイのほうが似ている」とか「中国とのほうが」などという声もあるだろうが、実際、「ベトナムと台湾が好き」という人は多いようで、「ベトナム・台湾」でくくった旅行記などの個人ブログも数多く存在する。
そして、実際にベトナムを訪れて、まんまと大好きになってしまった。とはいえ、共通点もあれば、当然ながら相違点もある。

そこで、今後、旅行を検討する方のための入門編として、旅行者から見た台湾・ベトナムの共通点と相違点をまとめてみたいと思う。

○食事
空芯菜の炒めものなどをはじめ、いずれも野菜が多くて、ヘルシー。どちらも東南アジア系で、それほど辛くないから、日本人の口に合う。また、台湾では「ビーフン」、ベトナムでは「フォー」や「ブン」など、米粉を原料とした麺が多く、どちらにも「牛肉麺」がある。果物は、マンゴー、パパイヤ、パイナップル、龍眼(ロンガン)などなど、とにかく豊富。台湾はお茶、ベトナムはベトナムコーヒーだが、どちらも茶飲み文化があり、カフェが充実している。
また、面白いのは、台湾には、あちこちに「越南」と書かれたベトナム料理店があること。というのも、実は、台湾には数多くのベトナム人が住んでいるからで、2007年3月12日付けの統計によると、台湾で暮らすベトナム人妻は7万5743人というほど。ベトナム料理の店が多いのも、当然なのだ。


○日本語
親日の台湾では、どこに行っても日本語が通じる。通じないのはマクドナルドくらいという印象だった。日本のアイドルも、漫画も、キャラクターも大人気。一方、ベトナムにはサークルKが少々でき始めた程度で、コンビニがほとんどない。また、ケンタッキーはあるが、マクドナルドがない。

○コンビニ・ファーストフードなど
台湾にはファミリーマートとセブンイレブンなど、日本のコンビニが多数ある。台湾のセブンイレブンでは、独自のキャラクターも展開していた。一方、ベトナムでは日本語はあまり通じないと言われていて、実際、ホテルなどでもあまり通じなかったが、市場などは日本人観光客が増えているため、通じることも多い。

○市場
台湾は夜の「夜市」がメイン。ベトナムでは昼間の市場がメインで、夕方には閉まってしまい、屋台に切り替わる。雑貨、フルーツなど、共通するものも多いが、いちばん違うのは、強烈なニオイの「臭豆腐」が台湾にあって、ベトナムにはないこと!

○トイレ事情
紙をそのまま流すことができない場合が多かったりと、台湾と日本のトイレ事情はだいぶ違う。でも、ベトナムはもっと違う。
ベトナムではホテルなど、キレイなトイレにめぐりあったら、行きたくなくても行っておくのが鉄則。

○気候 
亜熱帯性気候の台湾は、四季の変化が少なく、一年中温暖で、4月現在の平均最低気温は約21度、平均最高気温は約25度(台北)。一方、ベトナムは雨季と乾季があり、4月から雨季に入る。4月現在の平均最低気温は約21度、平均最高気温は約27度(ホーチミン)で、日中はかなり暑い。

時差は、台北が1時間、ホーチミンが2時間。どちらも3泊4日程度(ホーチミンへのツアーの場合、現在は2泊4日が多い)で行ける手軽さも魅力だ。今後の旅の行き先に検討してみては?
(田幸和歌子)
編集部おすすめ