
それから再び3年、さらに腕を磨いた春野恵子が東京で浪曲を披露する。それが10月9日(土)に江東区亀戸文化センターで行われるイベント「浪曲タイフーン! ~嵐を呼ぶ女たち~」だ。東京で活躍中の若手女性浪曲師、玉川奈々福とタッグを組み、浪曲はもちろん、音曲漫才などにも挑戦するという。では、浪曲の魅力とは一体どのようなものなのだろうか? 教えて、ケイコ先生!
「浪曲は落語と同じく古くから伝わる演芸ですが、大きな違いは、浪曲は音楽の要素が非常に強いところです。三味線が入っていますし、節(ふし)もありますからね。音楽的な要素が強い分、お客さんを物語に引き込む“引力”がすごく強いと思います。三味線がジャカジャンと鳴って演者が語りはじめると、お客さんを体ごと持っていってしまうんです。野蛮であり、原始的な芸だと言えるとも思います。譜面がないので、ジャズのセッションのようでもありますね。ですから、ぜひライブで体験してもらいたいと思います」
浪曲には赤穂義士ものや清水の次郎長が活躍する任侠もの、「岸壁の母」などに代表される“泣かせる系”の母ものや人情もの、男女の情愛を描いたものなど、演者の個性に合わせた多種多様なお話がある。でも、こうした内容を楽しむには、歴史や古典の知識が必要なのでは?...続きを読む